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ハマスタのウィング席を初体験した

(写真は自席から撮影したもの)
 報道時代の元部下は横浜にマイホームを構えたことをきっかけに巨人を見限り、DeNAベイスターズファンになった。ファンクラブにも入会して、小学生の息子をハマスタに帯同するという“洗脳教育”も実施している。応援同志として、勝っても負けても私と感想をシェアする仲だ。

 ファンクラブで抽選に申し込んだ昨夜のヤクルト戦のチケットが当たったが勤務シフトの関係で行けなくなったという。「楽しんでくれる方に行ってもらいたい」ということで進呈していただいたのでありがたく頂戴し、カミさんとハマスタへ行ってきた。ファンではあっても、実際にハマスタへ足を運ぶのは10年以上ぶりか。

 座席は新設された「ウィング席」で、部下曰く「左右のポールより高い位置なので、高所恐怖症の人には厳しいです。ストライクゾーンはわかりませんが、スタジアムの雰囲気は楽しめます」とのこと。

 夕刻早めに会社を出て横浜へ。プレイボール30分前とあって関内駅は球場へ向かう人であふれている。照明灯を見上げて観客のざわめきが感じられると、それだけでワクワクしてくる。

 「67段」という座席だ。事前に調べて、ウィング席でも最上段であることは把握していた。急勾配の階段をえっちらと登って着席。フィールド全体が見通せて、第一印象は「遠いことは遠いけど、思ったほど酷くはないな」。

 しかし。

 やっぱり球筋が見えないのである。ピッチャーの投球は追えるものの、ちょっと集中力が逸れたタイミングで打たれると、打球の行方はさっぱりダメだ。「セカンドフライに討ち取ったな」と思ったヤクルト・サンタナの打球がホームランになったのにはびっくりした。それでも周囲のファンは的確に一喜一憂していたので、慣れることができるのかもしれない。


 イニングごとにベイスターズのチアガール(チーム名は「diana(ディアーナ)」という)が出現してあれこれイベントをやるし、球場全体が野球とそれに伴うあれこれ愉しんでいるのがよくわかる。「野球を見せてりゃいいんだろ」という姿勢を超えた企業努力がここまで人気球団に育て上げたのだ。そういえば今シーズンには阪神の岡田監督が「時間が長いよな。イベントの。待ってる時間長いで。ほんま。あれで拍子抜けするよな。野球に関係ないイベントばっかりやってるやろ」とぼやいてみせる一幕もあったが。
 
 試合は3-11のボロ負け。押し出し四球を2つも見せられるなどベイスターズファンにとってガッカリな展開で、9回表ヤクルト村上の打席が終わったところで辞去させてもらった。67段の自席から出口付近まで下りて、そこから改めてグランドを見れば、やはりかなり近づいた感じがある。同じウィング席といっても視点が下がれば見え方も違うのがわかったことも収穫か。
 
 「歌舞伎のツウは3階席に通う」という話を聞いたことがある。「ちょっと遠いけどおトクに観られる」という点でハマスタのウィング席はそこに通じるものがあるのかもしれない。
 
ゲームセット前に出てきたこともあり、都心側へ向かう上り電車は空いていた。「人混みを避けられてラッキー」と思っているような出不精は、たまに観戦するだけで十分なのかもしれない。
(23/9/28)
 

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