No.5729『ベンチウォーマー』
ランダム単語ガチャエッセイチャレンジ13日目。
No.5729『ベンチウォーマー』
私は中学1年生から高校3年生まで、部活動でバドミントンをしていた。
バドミントンはラケットも軽いし、ユニフォームもかわいいので中学生女子には人気で、部員数もそこそこいたのを覚えている。
そうなると校内の代表選手になるのは部内を勝ち残った者しかおらず、あとのゆるふわ部員は全員出場の区大会になんとなく出るだけだった。私はというと必死に頑張っても勝てなかったタイプで、コーチにそのガッツを買われて「誰かが怪我や故障した際の代打」としてのベンチ要員だった。
部員に怪我してほしくない。けど試合に出たい。
そんなことを朝早くから始まる大会会場でぼんやり考えながら試合を眺めていた。
結局、幸か不幸か誰も怪我をすることなく3年間を終えた。
高校に上がっても私は部内リーグでさえ勝てなかった。というのも、問題は私のプレースタイルにある。私はスマッシュやアタックをバコバコ決めて点を取っていく超攻撃型。試合の序盤こそ調子はいいが、そのうち疲労が目立ち、最後にはバテて負ける。戦法が女子バドミントンと合わなかったのだ。
また、ベンチを温める日々。正直スマッシュなどの威力は部内一だったから悔しかった。全部ぶち壊せるくらい私のスマッシュは速いのに。単純脳の私は中高6年間、ベンチウォーマーをしていたのだった。
大学のバドミントンサークルでは男女混合で試合をするので、私の戦法がやっと役に立ったのはまた別のお話。
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