見出し画像

夢も現実も見れるようになった僕らは

4月13日
今日は高校の部活の友人たちとディズニーシーに行く日。
朝9時現地集合。
3年ぶりのディズニーというワクワクと、絶対寝坊はできないというプレッシャーから時間より少し早く舞浜駅に着いた。他のみんなは地元駅で待ち合わせてから車で来るらしいが、今どの辺なのだろう?
グループLINEを開くと1人がこう言っていた。
「渋滞にはまって10:30にシーに着く」

そうだよねぇ。土曜日だもんねぇ。
時間を潰すために舞浜駅改札出てすぐのカフェで紅茶を啜って暇を潰した。この間買った乱歩を読もうと思ったが、今日に限ってリュックに入れ忘れている。しかたなく充電を減らしながらスマホをいじったり、徒歩でシーに向かったりして暇を凌いだ。
10:30にシーに着くと、彼女たちから「もう少しかかる」という連絡が。車を止めるのも一苦労なのだろう。園内の地球儀の前で待ち合わせるためインパする。街灯に寄りかかりながら待っていると
「あのー……」
と見知らぬ女性に声をかけられる。
「写真撮ってもらえますか?」
地球儀をバックに記念写真を撮りたいカップルの女性だった。快く引き受け写真を撮ってまた元の位置に戻る。すると数分後、今度は違う団体からシャッターを押してくれと言われる。これが計7回あった。
まずい、みんな早く来てくれ。私が『地球儀の前で写真撮ってあげるおばさん』になる前に早く……!こっちもイベント屋の血が騒いで律儀にタテヨコ2パターン撮ってしまってるせいもあるが、早くしないと何のために来たかわからなくなりそうだ……!

結局11時頃他のみんなと合流できた。出会うや否や「はいこれ!」と何かくれた。
誕生日のときにもらえるシールだった。しっかり本名で祝われている。
「このシールどっかに貼って!」
言われるがままにコートの胸元に貼る。たちまちすれ違うキャストさん全員に「お誕生日おめでとうございま〜す!」と手を振られる。ここで残念なお知らせだが、私の誕生日は1月である。祝われるたびに嬉しさと照れ臭さと罪悪感が入り混じった顔でへらりと手を振り返した。

ゆっくりインパしたわけだが、全員が全員「あれ乗りたい!」「これしたい!」「急がなきゃ!」が皆無。のんびりカチューシャを選び、のんびりアイスを食べ、のんびりベンチに座り、のんびり飯を食べる。
それでも少しはアトラクションに乗ったが、途中『ぱっと見地元の自然公園と見紛うベンチの並んだ休憩エリア』で写真撮影大会が始まってキャッキャしていたときは、『もうディズニーでなくていいのでは?』とすら思った。

高校の頃こそ、始発で入園待ちをして、ダッシュは怒られるので競歩で人気アトラクションのファストパスを取りに行き、パレードやショーの隙にアトラクションを乗り回し、終電までばっちり遊び倒していた。
今はもうそんな遊び方はできないようだ。『センターオブジアース』の110分待ちの列で何度も寝そうになったし、閉園間際のがらんとしたレストランで隅の席で寝ているお父さんにシンパシーすら感じた。

良くも悪くもみんな大人になったのだ。
それでも今日という日が最高に楽しかったのは、間違いなく彼女たちと一緒だったからだろう。

物書き志願者です! 貴方のサポートが自信と希望につながります!