No.9722『オラつく』

ランダム単語ガチャ

ランダム単語ガチャエッセイチャレンジ18日目。

No.9722『オラつく』

人生で一番『ワル』だったのは小学生の頃だったと思う。
中高生の頃に反抗期らしいものはなかったし、小学生の頃は「自分は無敵」だと本気で思っていた。

大人の言葉を聞かずに危ないこと・やっちゃいけないことをしていた。
非常ボタンをピンポンダッシュしたり、自転車で街を爆走したり。加減を知らない子どものオラつきは非常に厄介で、面倒臭い。
私が一番やらかしたのは小学生高学年の頃。映画『メリー・ポピンズ』に憧れて、マジで傘で飛ぼうとしたのだ。

名作映画かつ最高サントラ

風の強い日だった。飛ぶには絶好のタイミングだと思って、私は階段10段程度の高さの位置から何の躊躇いもなく飛んだ。
女児用の小さな傘を信用しきっていた。なんならメリー・ポピンズみたいにかわいい蝙蝠傘に近ければ近いほど飛べるとさえ思っていた。

しかし、もちろん物理の法則上飛べるはずもなく、しっかり落下した。傘は逆さになってボロボロ。怪我がなかったのが幸いだが、お気に入りの傘をぶっ壊した悲しみと、絶対母にめっちゃ怒られる未来に恐れ慄いて泣いた。

小さなオラつき、大きな失敗。こうして少女は大人になっていく。