恩返し
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※ネタです。
「その節は本当にお世話になりました。どうぞ!狭い所ですが・・・。主ぃ!お世話になった方をお連れしました!土足で。土足で大丈夫なんで。はい。どうぞ!」
「思ってたのと違うな。」
「ですよね。私ですね、見た通り中型なのでぇ。ちょっとぉ・・・背中にお乗せするのは難しいんですよねぇ・・・。すいません。もうちょっと、そうだなぁ・・・中型より少し大きめだったら・・・もちろんですね、中型とは言いつつも、私と同じ見た目で大きい方も・・・。」
「どっちの場合でも乗らないですよ。そういうのは求めてないです。」
「いやでも、助ける系の流れでそういうの好きじゃないですか、皆さん。助けた後、その方の背中に乗ってぇ・・・。」
「乗れない事もないですよ?おんぶして貰えばいいですからね。佐藤さんは動物じゃなくて人間だし。だから見た目だって別に変らないのになんで・・・。」
「あ!そうでしたね!私のように濃い顔で大きい方もいらっしゃる。こういう意味ですね!すいません!中村さん!」
「顔の濃さで大体の体の大きさが分かるなんて初耳だったんですけど。それよりも連れてこられたのが・・・。」
「カードショップですね!」
「でも、ここを経営してる訳では無いんですよね?。」
「バイトですね!ここの!」
「・・・バイトか。そっか。という事は、上司である店長さんに話したら連れてくるように頼まれた。こういう事ですかね?」
「はい!いやまぁ・・・近いですかねぇ・・・。二人でお礼をしたくてぇ・・・。」
「そうだったんですね。気を使わせてしまったみたいで・・・。」
「店長!この方です!中村さん!助けていただいた中村さんです!」
「あぁ!貴方が中村さんでしたか!ありがとうございます!佐藤君を助けてくれて!」
「いえいえ、そんな・・・。」
「良かったですね!店長!会えて!」
「うん!良かったよ!会えて良かった!そうだ!中村さんのためにプレゼントを用意してるんだ!」
「まぁ、そうですね。用意していただいているんだから・・・じゃあ、遠慮なく・・・。」
「二人で感謝を込めてレコーディングしたオリジナルテープです!」
「A面は佐藤君が歌って、B面は私が歌ってます!ラストはデュエットになっている、60分の大作です!どうぞ!」
「思ってたのと違うな。そして断りづらい・・・と言うか、断れない・・・。」
「え?何ですか?」
「佐藤君、あれじゃない?今時カセットテープに録音したのが不味かったんじゃない?デジタル音源で渡した方が良かったんじゃない?」
「そうか!カセットプレイヤーを持っていない事もあるんだ!すいません!気が付きませんで!」
「カードゲーマーだからねぇ。私達は。」
「ですね、店長。常日頃アナログ志向なんですよね。私達は。」
「今思ったのと違うな。それも。」
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。