言ってたから・・・。

2分半ほどで読めます

※ネタです。

「先輩、早く片付けて下さい。当り前じゃないっすか。そんなものなんか・・・。」

「だって・・・だってさ！昨日、店長が言ってたから！店長が・・・。」

「言ってましたね。『室内と言えども暑いことに変わりはないから、いつもより多めに休憩してね。』って。」

「だから！だからさ！これ・・・。」

「レジャー用品を持ち込んで暑さをエンジョイしていい訳ないじゃないっすか。もうそれ休憩じゃなくて、レジャーですよ。レジャー用品なんだからレジャーですよ。早くこのビニールプール片付けて下さい。」

「後輩君さ！考えて御覧よ！暑い中、汗を垂らしながら椅子に座って、ぬるい飲み物を飲みながら休憩するのかい？暑い中、ハァハァ言いながら扇風機の首振りに合わせてカニ歩きするのかい？それもう休憩出来てないじゃん？暑さから逃れようとする行為で休憩が7割ぐらい損なわれてるじゃん？だからさ！こういう・・・。」

「ならないっすよ。ビニールプールやら、ビーチパラソルやら、ハワイアンミュージックを利用する休憩はもう休憩じゃないっすよ。休憩に7割レジャーが上乗せされてるじゃないっすか。それもうバカンス状態っすよ。MTGもプレイする気満々で用意しちゃってるじゃないっすか。それもう遊びっすよ。」

「後輩君さ！バカンスと遊びを舐めちゃけないよ！ビニールプール？ビーチパラソル？ハワイアンミュージック？MTG？これだけでバカンスになったら苦労しないよ！後輩君言うつもり？『昨日？バカンスしてた。ん？家で。』とか、『やはり近所の公園で体を焼くのは違いますね！これはもうリゾートっすね！』って！言うつもり？！バカンスと遊びの敷居を限りなく下げるつもりなの？！」

「俺らバイト中じゃないっすか。バイト中の休憩時間という事を考えると、それはもうバカンスっすよ。遊びっすよ。」

「後輩君！でも！でもね・・・。」

「片づけて下さい。」

「後輩君！そこをっ！なんとかっ！お代官様！」

「いいから・・・離してください・・・離してっ！・・・あっ・・・。」

「あ！ごめん！後輩君のズボン、違う！若い人はパンツって言うんだね。パンツをおろしちゃって・・・おろし・・・。」

「・・・。」

「後輩君。何穿いてんの？」

「・・・。パンツっす。」

「え？違うよね？それ海パンだよね？おしゃれなやつ。トランクスみたいな。」

「パンツです。」

「違うよね？え？もしかして後輩君もさ、多めの休憩でバカンスするために・・・。」

「先輩・・・俺も穿き替えるんで、先輩も片づけましょう？ね？・・・まぁ、先輩を見て？我に返ったのもあるんで・・・帰りにケーキおごるんで。5つ位。」

「・・・分かったぁ！片づけよう！」

「じゃあ、先輩、着替えるんで照明を・・・。」

「電源のスイッチがエアコンと連動してるからさ、オトせない。」

「・・・そうですね。オトせないっすね。暑いっすからね。倉庫で着替えてきます。」

「だね。それがいいね。」

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。