感謝状

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※ネタです。

ーそれではご登壇ください。

「あ、どうもー。どうも。」

「貴方が店長さんですか。この度はね。ご足労いただき、ありがとうございます。」

「そんな滅相もない!こんな大々的に・・・。」

ーそれでは、私共の組織の偉い方による、感謝状の贈呈の方に移らせていただきます。

「あ、では後ほど・・・。」

「はい!・・・。」

「えー、ゴホンッ・・・。感謝状。貴殿は長年に渡り駅前のカードショップにて、その類稀なる手腕を発揮されてきました。よってここに深い感謝の意を表します。令和6年5月・・・。」

「あれ?感謝状ですよね?」

「えぇ。そうですよ。」

「えーと・・・何か社会的に?役立つ事を?したのかなぁと・・・思ってたんですけど・・・。」

「その通りです。長年、駅前のカードショップを経営なさってこられたので。その感謝状ですね。これは。」

「・・・あの、人助け的な事をしたかなぁと・・・思ってたんですけど。」

「なさってますね。カードゲーム初心者の方にルールを教えたりなさってるじゃないですか。定期的にセールも開催して、地元のプレイヤーに喜ばれていますよね?他に・・・何か?」

「それはね。カードショップなんでぇ。・・・それ以外の所でぇ・・・それ以外・・・あ、思い浮かばないわ。」

「でしょう?では続けますね。令和6年・・・。」

「でもぉ!それだとぉ!類稀なる手腕って何ですか?!カードショップを経営してただけなんですけど!」

「八百屋さんでカードを扱っていますか?」

「・・・いないですね。旬のカードなんかありますけどぉ・・・それは違うからなぁ・・・。」

「じゃあ、衣料品店にカードが陳列されていますか?」

「・・・ないですね。流行のデッキはありますけどぉ・・・そっちじゃないからなぁ・・・。」

「そういう事です。カードはカードショップで扱うのが自然なんです。カードの扱いに長けた店長さんが経営するカードショップでね。」

「類稀なる・・・そう言われると・・・類稀な気がしてきました。」

「でしょう?それです。そういう事です。私もね、感謝状をお渡しする業務に秀でていると自負しております。」

「なるほど、それなら納得・・・感謝状を渡す業務だけなんですか?それ専門の・・・。」

「店長さん。店長さんは・・・?」

「・・・あ、失礼しました。そうですね。カードを扱うだけとも言えないですからね。うん。そうですね。・・・あのやっぱり、ちょっと納得出来な・・・。」

「令和6年5月17日 感謝状を贈る組織 感謝状を贈呈する部門代表 相田秀作。おめでとうございます!」

「え?あ・・・ありがとうございます!・・・あのぉ、もしかして感謝状を作成する部門とか、感謝状を印刷する部門とかもあったり・・・。」

ーそれでは記念撮影の方に移らせていただきます。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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