頼むよぉ!
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※ネタです。
「あっ・・・感じます・・・。この部屋のどこかに・・・誰か・・・。」
ジャーー!バタンッ!
「ふぅ・・・。」
「カメラ止めて。うん。ありがとう。あのさぁ、頼むよ。部屋の住人の方がさ、彼が打って付けですって勧めてくれたから、君に頼んだんだよ?」
「え?でも・・・水流しましたよ?」
「そうじゃなくてね。水道の蛇口が独りでに開いたり、シャワーの音が聞こえてきたりとかあるでしょう?」
「だから、トイレの水が勝手に流れて・・・。」
「勝手にじゃないよね?『ふぅ・・・。』とか言って出てきちゃってるじゃん。地縛霊の君が。」
「そっか。はっきり言った方が良かったですよね。『すっきりしたぁ。』とか。」
「でもないね。音だけでいいんだよ。音だけで・・・。いいや、もう。先にさ、君との交信のシーン撮ろう。後でそっちは撮ろう。」
「分かりました!あ、でも・・・僕の姿ってはっきり見えちゃってますよね?スタッフの方にも。交信とか言われても・・・。」
「だから、色々方法はあるでしょう?ポルターガイスト的な?念力的な方法で!」
「ですねぇ!すいません、忘れてました!」
「しっかりしてよぉ、もう。じゃあ始めるよ。スタンバイして。・・・そこのカーテンの陰でいいから。うん。じゃあ始めるよぉ。
・・・では、地縛霊と交信してみましょう。この地縛霊は生前にMTGというトレーディングカードゲームを嗜んでいたようですので、今回その対戦を通じて交信してみようと思います。始めますね。・・・。動き出しましたね。カードが動き出しました。今カードをプレイ・・・。」
「すいません、右から二枚目のカードって何ですか?よく見えなくてぇ。」
「カメラ止めて。うん。ごめんね。あのさ、顔出しちゃあ駄目じゃん?声も出しちゃってるしぃ。」
「でも、だったらどうやって手札を・・・。」
「ポルターガイスト的な!千里眼的なアレとかあるじゃん?!」
「あ、そっか!忘れてました!すいません!撮影とか初めてでぇ・・・あ!あの服とかこれ、ずっと着てたやつなんですけどテレビ的に映えないとかありましたかねぇ?80年代に流行ってたやつでぇ・・・。あの!もしあったら・・・。」
「映さないから!見えない感じで映像は撮るから!そういうのいいから!」
次回、さらなる恐怖がテレビクルーを襲う!
果たして彼らは撮影を無事に終わらせる事が出来るのか?!
次回!『深夜の演技指導!ライジングサンまであと30分!』。君はこの、ポルターガイスティングロケに耐える事ができるか?
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。