お宅訪問
※ネタです。
ピンポーンッ・・・
「はい・・・。え?・・・分かりました。・・・ど、どうも。」
「夜分遅くにすいませんねぇ。えーと・・・単刀直入に申し上げますとね。近隣の住民の方からお話をいただきまして、それでこちらへ来た訳なんですよ。」
「え・・・それはどこの・・・。」
「それはちょっと・・・。えぇ。申し訳ありませんが。」
「そうですか。どういったぁ・・・。」
「はい。実はですね、毎夜毎夜、カードを弾く様な音が聞こえてきたり、メインフェーズだとかスタックだとかの声が聞こえてくると。こういうお話を・・・。」
「あ!そうでしたか!すいません。もう少し静かにやろうと思いますので・・・。」
「いやそのぉ、そうではないんですよ。」
「え?じゃあどういう?」
「んー・・・何かあの・・・毎夜毎夜、楽しそうな?音や声?が聞こえてくるので、何をやってるのかなぁ?ってそういう話をされましてぇ。それで私が聞きに?お話を聞きに来たんですよぉ。」
「あ・・・そうなんですね。」
「はい。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「何をされていたんですか?」
「え?いや・・・話したとして、分かるかなぁ・・・カードゲームのぉ・・・。」
「あ!もしかして歴史あるトレーディングカードゲームのマジック・ザ・ギャザリングとかですかぁ?MTGってやつですかぁ?」
「あ、それです。ご存じだったんですね。」
「はい!」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「お友達と対戦されてたんですか?」
「はい。大体そうですね。」
「そうですかぁ。二人で?」
「はい。」
「一晩?」
「はい。」
「ふーん。・・・二人だけだと疲れません?一晩やってると。」
「いや別に。そんなには・・・。」
「そんなにはと言う事は、疲れはぁ?すぅ?」
「・・・疲れはしますね。はい。疲れはしますよ。」
「ですよねぇ!疲れますよねぇ!二人だけだと!」
「そうですね。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「あの、他に何か?」
「え?いや!・・・それだけです!じゃ、じゃあ・・・帰ろっかな!夜分・・・失礼しました!」
「いえ。・・・あ、何か落としましたよ?」
「ん?え?あ!ありがとうございます!ついうっかり!カードゲームのデッキを落としてしまったぁ!ついついうっかりしてしまったぁ!」
「そうなんですね。」
「はい。・・・あ!よく見るとこれ!MTGのデッキじゃないかぁ!そりゃそうかぁ!近隣の住民の皆さんは、皆嗜んでるもんなぁ!MTG!」
「そう・・・ですか。」
「はい。・・・帰りまーす。ありがとうご・・・。」
「・・・今夜うちでMTGやりますか?近隣の方で予定の無い方もお誘いして。」
「!!是非お願いしますっ!!」
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。