どこから来たの?
※ネタです。
「そ、それでぇ・・・どこから・・・来たんですか?」
「ですからね、先程も申し上げました通りそれが分からないんですよ。でも目を覚ましたのがここでしょう?そして僕の持ち物から考えると・・・多分なんですけど・・・カードゲーマーじゃないかと思うんですよ。僕は。」
「ま、まぁ、カードゲーマーなのかもしれないですけど・・・本業、本業の方はね、違うんじゃないかと・・・見た目が・・・ね?ほら・・・。」
「店長さん、それはいけませんよ。見た目で人を判断しちゃあ。カードゲームは見た目でやるもんじゃないでしょう?人同士で対戦をして・・・。」
「それなんですよ。あの・・・ゴリラじゃないですか。貴方って。」
「え?僕が?ゴリラ?・・・ハハハッ!店長さん!中々面白い事言いますねぇ!まぁね?大丈夫ですよ!気にしないんで!ゴリラみたいな見た目って意味ですもんね。少し毛深くて、筋肉質で、さっきはちょっとドラミングしましたけどぉ・・・。」
「ゴリラですよね?ドラミングもしてるし・・・。」
「店長さん、それはね?周りにドラミングするお知り合いがいないだけじゃないですか?挨拶する時って会釈するじゃないですか?アドレナリンが溢れた時にドラミングする人だって・・・。」
「見た事ないんですけど。」
「それはぁ、店長が見た事がないだけであってぇ・・・うーん、困ったなぁ。そうだ!僕が身に着けていたバッグ、MTGのカードが満載だったアレ!その中に何か証明できるものがあるかもしれない!ちょっと取ってきますね・・・。」
「今っ!」
「え?何ですか?」
「今、ナックルウォークしましたよね?確実にそれナックルウォークでしたよね?」
「え?これが?ナックルウォーク?・・・ハッハッハッ!店長さんっ!ユーモアのセンスがありますね!大丈夫ですよ、気にしてないんで!ナックルウォークに見える歩き方って意味ですよね?うんうん。椅子から立ち上がる時、『よっこらせっ。』と手を使って立ち上がる事もあるじゃないですか?だから・・・。」
「床に拳を付けながら歩くのは見た事が・・・。あのやっぱりゴリラなんじゃあ・・・。」
「店長さん、じゃあ聞きますけど、店長さんの本業はなんですか?」
「え・・・カードショップの店長ですけど・・・。」
「ですよね?仮に、仮にですよ?僕がゴリラだったとして、本業がゴリラなんて事にはならないでしょう?それだと、店長さんの本業は人になっちゃうじゃないですか?」
「ん、まぁ、確かに・・・。」
「店長さんはさっきから僕が人かゴリラかと言う話をしてますけど、本業の話をするならね?僕がカードゲーマーか、そうではないかの話をね、するべきなんじゃあないですか?どうです?」
「・・・ですね。すいませんでした。そこまで考えが回らないで。」
「いいんです!いいんですよ!それで、それを踏まえると僕はどこから来たと思いますか?」
「ジャングルでMTGのカードが手に入るとは思えないので・・・人間社会で暮らしている・・・カードゲーマーですかね?」
「なら、『人間』社会で暮らしているなら・・・。」
「ゴリラじゃないですね。人ですね。すいませんでした。こんな簡単な事に気が付かないなんて・・・。」
「いやいやいや!いいんですよ!それにしても、僕はどこから・・・あ、お客さんですよ。どうもー。・・・え?僕?ですから、僕は・・・え・見た事がある?!一体どこで・・・動物園の・・・MTGが出来るで有名な・・・ゴリラの優太郎・・・。」
「あの・・・。」
「店長さん、思い出しました。ゴリラでした。まごうことなきゴリラでした。」
「・・・いやでも!本業視点で見ると!カードゲーマー・・・。」
「ゴ、ゴリラですね。カードゲーマー寄りのゴリラでした。はい。」
ゴリラ寄りのゴリラ視点なんてものがあれば、人の本業は人だっ!
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。