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資格取得と稼げるかどうかはまったくリンクしない

ども、其田です(Profileはこちら)。今回は資格取得と稼げるかどうかはまったくリンクしないというお話を解説していきます。

はりぼての資格をいくつ取得しても意味がない

資格取得をすれば人生が変わると考えている人も少なくないと思うのですが、はりぼての資格をいくつ取得しても意味がありません。資格はあくまでスタート地点に立つことを許されたという証拠(最低限の知識を保有しているという証)に過ぎないんですよね。そこから「だれに・なにを・どうやって価値を提供していくか」が重要なんですよ。逆に言うとこれらが法律に違反しないで無資格でできるのであれば資格は不要かなと(法律で資格取得が必要であれば取得)。

次に、難関資格を取得したからと言って、実際にその資格を利用して仕事をしている人は多くない事例を、其田が取得している気象予報士と通訳案内士を例に見ていきましょう。

まず気象予報士について。

合格難易度が5%の国家資格ですが、気象予測の従事経験がある人は全体の20%程度という調査結果があります(N=3547人、気象庁平成25年度気象予報士現況調査結果)。2019年現在気象予報士は約1万人程度なので、約2,000人が現役の気象予報士、8,000人は資格はあるものの直接的に仕事にしているわけではないという結果です。事実、気象予測に従事する場合は民間の気象会社か、テレビ局、環境コンサルなどに限定されるため、そもそものニーズが少ないんですよね。加えて、防災という利益をあげるような商売ではないのでなかなか給与もあがらないのが現実です。平均年収.jpによると年収の水準は次の通り。

・民間の気象サービス会社・派遣会社:350~550万円
・民間のシンクタンク:480万円
・気象庁:550万円
・テレビ局やラジオ局(nhk)などのマスメディア:650万円
(平均年収.jpより)

次に通訳案内士について。

語学系で唯一の国家資格ですが、こちらも就業実態は芳しくありません。官公庁の平成26年の調査によると、約76%の人が未就業、約18%が兼業、専業はわずか約6%という結果でした(N=6441人、平成26年通訳案内士の就業実態について)。2019年現在約2.5万人の通訳案内士がいるといわれていますが、そのうちの19,000人は資格をもっているだけ。4,500人が兼業、専業はわずか1,500人程度。理由は割と簡単で、仕事が不安定かつ収入が低いから。同調査によると

・年収100万円未満:約33%
・年収100~200万円未満:約11%
・年収200~300万円未満:約7%
・年収300~400万円未満:約5%
・年収400万円以上:約4%

2.5万人の資格ホルダーのうち年収400万円を稼げる人はわずか1000人ほどなわけです。

難関資格ホルダーもコモディティ化している

かつては資格によって業務独占などの既得権益でおいしい思いができた時代もあったかもしれませんが、いまや難関資格もコモディティ化(一般的になり差別化が難しくなった)されて一部の先行者以外はなかなか稼ぐのが難しくなってしまいました。

難関資格を取る=仕事がたくさんあってくいっぱぐれない

というのは過去の幻想になりつつあるわけですね。

資格取得を目的化するとまわりが見えなくなる

資格取得は目標設定としてとっつきやすく、それに向かって努力しやすいのでモチベーションをあげるという点では理にかなっています。一方で、資格を取得した後が大切なのにもかかわらず、資格取得に一生懸命になってとったはいいけど食べていけない人が増えている傾向にあります。

資格は車の免許証と同様に、最低限の知識を身に着けているという証拠にすぎません。車の免許であれば、車を使ってどこに行くか、車をなんのために使うか、どんな車を買うか(借りるか)が大切なわけです。免許はそのための道具にすぎません。

複数のスキルや価値を掛け算する

資格取得にあたって、

・これから伸びる分野か
・独自性を発揮できるか
・参入障壁が高いか

という3つの視点を持つことをおすすめします。例えば気象予測単体の場合は正直なところスーパーコンピューターやAIの普及によって自動化が進んでしまうのでなかなか単一のスキルだけでは厳しいでしょう。通訳案内士の場合は、インバウンド観光という伸びていく分野ではありますが、資格を持っていなくてもボランティアでガイドをたくさんする人がいますし、独自性を発揮することが難しく、参入障壁を設けるのも厳しいのが実情です。

では、どうすればいいかというと、同じ資格ホルダーが持たないスキルで、かつ、顧客の魅力になるようなスキルを持てばいいわけです。

例えば、荒木健太郎さんはイラストや写真で難しい気象の世界を面白おかしく紹介していますし、SNSの運用にも力を入れていて、フォロワーが10万人近くいます。

通訳案内士で言えば、ジョー岡田さんという侍の格好をしてリンゴを切るショーが有名な88歳の現役ガイドがいます。

其田の場合は、

・気象予測(桜・紅葉・天気)
・通訳案内(地理・歴史・文化)
・写真撮影(想い出の可視化)

をすることで差別化をしています。

パートナーのありちゃんの場合は、シェアハウスというコモディティ化しやすい商いにおいて

・香川県(地方)
・ブログを活用(広報)
・25歳で女性一人で開始

というスキルや価値で差別化をしています。

みんなと違う道を歩む勇気

自己投資というと「とりあえず資格取得」となりがちですが、必ずしも資格取得が仕事につながるわけではありません。通訳案内をしてみたいのであればAirbnbExperienceでプランを組んでしまえば資格入りませんし、不動産投資をやりたいなら宅建をとるより少額で田舎の木造一軒家を買い取って自分でDIYをしたほうが100倍実りがあるでしょう。

自分の好きや得意は、その他の誰かがより好きや得意だったりします。だからこそ複数の好きや得意を掛け合わせて、ほかの人がマネできない存在になる必要があるのです。

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それではきょうはこのへんで。

追記:ぶっちゃけ話

ここからは購読者限定でぶっちゃけたお話を。

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