マガジンのカバー画像

「小さな写真館の作り方」

25
2015年、佐賀市に築100年の古民家を改装した写真館をオープン。その経緯を追いながら、地方都市で小さなお店を始めたい人のためのノウハウを紹介しています。2020年5月に発刊の「…
運営しているクリエイター

#ハレノヒ

第22回 自分を知る大切さ

「事業を始めるとき、何から始めたらいいでしょうか?」と言われれば、 
私は「自分を知ることから始めるのはどうでしょう。」 と答えると思います。
 以前、SWOT分析というものを紹介しましたが、その中の強み(Strength)や弱み(Weakness)を分析することは自分を知る方法の一つです。
 ただ、今回言いたいのは、そんなビジネスの市場環境においての強みや弱みではなく、もっとあなた自身のパーソナルな部分のことです。 

そのパーソナルな部分とはズバリ
 「気持ちいい!

第0回 はじめに 〜私がこのブログを書く理由〜

(このnoteは私が2017年に始めた「写真館の作り方」ブログをより多くの人に見ていただけるよう2019.8.5に引っ越ししてきました。どうぞよろしくお願いします。) 唐突ですが、カメラマンをしている皆さんに質問です。 「将来の目標はありますか?」どうでしょう? 私にはあります。それは日本一のカメラマンになることでも年収を1億円にすることでもありません。 日本中、そして世界中のまちに「写真館」を増やす。 これが現在カメラマンでもあり写真館を営んでいる自分の目標です。(これは

第2回 人生のどん底 〜はじめの転機〜

50歳の自分をイメージしながら日々の業務を行っていたある日、以前より関係のあるテレビ局さんから「ブライダル関連の事業を始めたいと考えてるんだけど意見を聞きたい」ということでお会いしました。 先方は当初、ウエディング撮影を請け負う事業を想定していたのですが、そこまで考えているのならカップルの結婚式の悩みや結婚式場探しをお手伝いする「ブライダルカウンター」のサービスを立ち上げるのはどうでしょう?と私から提案させていただきました。 ちょうどその頃、当時お仕事を頂いていた写真館さんが

第1回 経緯 〜私の2026年問題〜

「小さな写真館の作り方。」ブログ今回から本題です。 序盤は写真館を作るまでの経緯を書いていきたいと思います。 さて、若いカメラマンの皆さん(20代〜35歳くらい?)、自分が50歳になった時の仕事や収入のイメージってありますか? 私は現在41歳(※ブログ開始2017年当時)なのですが、30代前半の時にふと50歳になった時の自分を考えてみたのです。 当時の私は、地元の写真館さんが経営する別会社の業務を一人で請け負うという立場でした。その会社は結婚式場と専属契約をしており、私はそ

第3回 転機その2 〜1枚のチラシ〜

渡されたチラシにはこう書いてありました。 「創業支援セミナー(全5回)」 先輩は苦しんでいる自分に対し、ブライダルカウンターの現状を打破するヒントがあるかもしれないと、取材先で知ったこのセミナーのチラシをわざわざ持ってきてくれたのです。 何か少しでもプラスになるものがあればいいな。と軽い気持ちで参加を決めたこのセミナーへの参加が私の人生を大きく動かします。 手元に残っていた資料によると、セミナーの1回目には創業するにあたっての理念やミッション、ビジョンなどの話があったようで

第4回 進むべき道を示めした土台ツール(SWOT分析)

写真館の作り方ブログ。今回は結構実践的なお話です。 前回のお話、創業支援セミナーのワークで出てきたSWOT分析、皆さんはご存知でしょうか?〜SWOT分析の概要はこちら(出典wikipedia)〜 「知らない」という方は、ざっくりと説明するのでぜひチャレンジしてみてください。(私は素人なので本格的な運用はぜひ本を読んだり専門家さんに聞いてみてくださいね) 私がセミナー内で行ったワークは、まず内部環境と外部環境についての(自己)分析です。 SWOT分析における内部環境とは

第5回 私の戦略を導き出したフレームワーク(クロスSWOT分析)

前回紹介した4つの項目「強み」「弱み」「機会」「脅威」はうまく書き出せたでしょうか? 補足になりますが上記4つの項目は、自分が設定する市場における競合との比較で構いません。この市場の設定も大きなポイントですので設定を変えながら分析するのも良いと思います。 ちなみに私が設定した市場は佐賀県や九州北部です。カメラマンとしてある程度自由に行動できる範囲で考えました。競合は写真館やウエディングカメラマンと仮定しました。 またターゲット設定も重要です。ターゲット(お客様)が変われば当然

第6回 運は偶然か?(タイミングとスピードの重要性)

SWOT分析によって、スタジオを作ろうと決意した私は考えました。 『スタジオを作るならどんなところが良いのだろう……?』 さまざまな可能性を模索する中、直感的に頭に浮かんだ「古民家」というワード。『古民家って賃貸に出てるのかな……?』 そこで [佐賀市 古民家 賃貸] で検索をしてみました。いくつかヒットした中、あるページに目が留まりました。 「古民家でお店、やりませんか??? ー佐賀県佐賀市の古民家…」 概要を確認するとなにやら大掛かりなプロジェクトです。 ふと目をやった

第7回 初めてのプレゼンテーション(個性が大事?)

提出期限最終日ギリギリでエントリーシートを提出した私ですが、その当時のものが残っていました。 見てみると、この時の「思い」が今も変わっていないだけでなく、実行に移すことができていることが嬉しいです。 さて一次審査である書類選考を突破し、次に待ち構えている関門は二次審査であるプレゼンテーションです。用意された時間は15分。プレゼンテーションなど、話には聞いたことがありますが生まれてこのかたしたことがありません。 『うーむ、何を話せば良いのだろう?』 何もわからない私は、結局

第8回 なぜ写真館だったのか?(その1・お客様は誰?BtoBtoCとBtoC)

そもそも「スタジオを作ろう」と思った私が、なぜ「撮影スタジオ」ではなく「写真館」をつくることなったのか?今回はその経緯をお話ししたいと思います。 前回のプレゼンテーションの時点では、明確に「写真館を作ります」とは言っていません。 実は写真館になっていくのは古民家の活用者として決定後、まあまあ経ってからになります。その証拠にいまでも店名は「ハレノヒ写真館」ではなく、「ハレノヒ柳町フォトスタジオ」です。(名前を変えなかったのは、それはそれで理由があるのですがまたの機会に) スタ

第9回 なぜ写真館だったのか?(その2・もし自分がお客なら)

前回、写真館を作った理由として「下請けではなく直接お客様と繋がりたい」というBtoBとBtoCの事業形態のお話をしました。 そして私が写真館をしようと思ったもう一つの理由。それは『自分が行きたいと思う写真館が周りになかったから』です。 当時作ることが決まったスタジオスペースで、どんな写真サービスを始めようかと考えていた時に『子供がいて、七五三や家族写真を残しておこうと考えた時の自分』を想像してみました。 「チェーンの子供写真館ねぇ……自分の子供にはキャラクター服は着させたく

第10回 なぜ写真館だったのか?(その3・写真館という言葉の価値)

「お仕事は何をされているんですか?」初対面の方によく聞かれる質問です。 私はこう答えます。 「佐賀で小さな写真館をしています」すると半数以上の人が「へぇ~……」と答えた後、「じゃあ、人を中心に撮ってるんですねー……」となり話はだいたいそこで終了です。 もし私が男女問わずモテようとするならば「フォトグラファーです」とか「フォトスタジオを経営してます」なんて言えば良いのかもしれませんが、私はそう言いません。(それも違いそうですが) それはなぜか?今回と次回は私が写真館をつくること

第11回 なぜ写真館だったのか?(その4・マイナスイメージは逆手に取れ)

前回「写真館」という言葉にはサービス内容がすぐに伝わるという素晴らしい価値が存在しているというお話と同時に、「古くさい」などのマイナスイメージも与えてしまうかもしれない問題があると書きました。 改めて伺います。みなさんは「写真館」と聞いてどうイメージしますか? 「重厚な作品・高級な額・暗いスタジオ・お堅い写真・入りにくい・おじいちゃんカメラマン・ジャケットにスラックス……」 じゃあ「子供写真館」のイメージはどうでしょう? 「明るい店内・可愛いアルバム・ぬいぐるみ・キーホルダー

第12回 なぜ写真館だったのか?(その5・お店を持つメリットデメリット)

なぜ写真館だったのか?シリーズのラスト。 そもそも写真館になるまでの経緯として、自分のスタジオが欲しかったことから始まっていることはお話ししてきた通りです。 「写真館」と「自分の撮影スタジオ」 その大きな違いは普段営業しているかしていないか。つまり「お店」なのか「事務所」なのかということです。 私の場合は写真館という実店舗(お店)を作ることを選んだのですが、ではお店を持つことのメリットとデメリットってなんでしょうか? まずはデメリット。これについては大きく2つ。 それは「時