映画「呪術廻戦0」(2021)を観た

 Amazonプライムビデオで「劇場版呪術廻戦0」を観た。観終わった瞬間からこれを書き始めているのであんまりまとまっていない。
 
 そもそもの話……「呪術廻戦」は漫画を読んだこともアニメも見たことがなくて、登場人物やあらすじ、大まかな話の流れは二次創作や有志が作成したまとめなどでしか知らなかったのだが(なぜなら本編は救いがなくて苦しすぎると勝手に感じていたから)、今日ついになんとなくカーソルが向いた。

 ジュヴナイル、アクション、カタルシス……一抹の寂しさ。後味が爽やかな作品だと感じた。少なくともこの前日譚に関しては主人公の成長とか、周囲との交流が出来ていく様子とか、世界観の説明とかが綺麗にまとまっているし、ぼくが持っていた報われない苦しい話というイメージは当てはまらなかった。

 約2時間弱夢中になって、あっという間にエンドロールまで辿り着いていた。一秒一瞬が格好良くて、スリリングで、ときどきゆるくてコミカルで見飽きない。例えるなら食いきる自信のない大皿の料理を気付いたら平らげてしまっていたかのような呆気なさ。

 乙骨くんと里香ちゃんの関係性もすごく好きだ。ぼくは「この人がいないとダメだ」という依存よりも、「この人は手放さないぞ」という執着の感情の方が好きなので、作中で二人がお互いに抱く強い執着心が見える度に大喜びしていた。
 乙骨くん、少し前まで一般人だったこともあって価値観が作中の主要登場人物とズレている(正常な方に)感じがするけど、それだけに腹を括ったときのギャップが鮮やかだと思った。

 大人たちもめちゃくちゃかっこよかった……。冥さんがとっっても好き……。ぼくはすらりと手足の長く飄々としていて掴み所のない美人が大好きなので……。
 バトルシーンは速いけど「あ、今これ決まったね!?」っていうのがちゃんと分かるようになってて、今まで説明でしか知らなかった各術師の攻撃も見ることが出来て楽しかった。
 社会科見学の感想か?

 7月、梅雨明けの暑くなり始めた爽やかな夏の昼に他に誰もいない真っ暗な映画館でたった独りで観て、途中から飲むのを忘れてすっかり薄まったソフトドリンクを飲みながらぼんやりと外に出て、日射しに視界を奪われてくらくらしたい作品。


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