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【ゴールデンHackウィーク2021 ブログリレー④】なぜ民主化が大事なのか

今日は株式会社HackCampのCEOとして、新しいビジョンに関する記事を書きたいと思います。

昨年からHackCampでは、ステイホームのゴールデンウィークでも楽しむためのゴールデンHack Week という企画をしています。今年は、GW中の8日間にわたり、メンバーが1人ずつ、ブログを書くミニチャレンジをすることになりました。

テーマは、HackCampのMVV(ビジョン・ミッション・バリュー)の再構築です。

ちなみに、ポエム以外のもう一つのチャレンジとしては、本日公開型のアイデア量産ワークショップを行いました。とても楽しかったです。下記で録画を見ることができます。

「ブレインライティング」の手法を使って、アイデアを量産するワークショップを公開で実施します。 ブレインライティングでアイデアを大量に創出する今回のワークショップのテーマは、「ラグジュアリーソックスの販促アイデア」。 テーマにご協力いただ...

Posted by HackCamp on Saturday, May 1, 2021

前置きが長くなってしまいましたが、わたしたちHackCampは今、創業当初から掲げてきた「イノベーションを民主化する」というビジョンの再構築に臨んでいます。経緯については宮島さんの記事を読んでいただくとわかりやすいかと思います。

問いたいこと。「なぜ民主化が大事なのか」

このブログリレーには共通の「縛り」があります。それは「問いと詩」。”QuestionとPoem”です。HackCamp の新しいビジョンを考えるにたり、皆が最も重視しているのが、「問い」です。

自分を探求するための「問い」と、それを表現するための「詩」を考えるにあたり、まず必要な問いについて考えてみます。

「イノベーションを民主化する」という今のミッションをなぜ変える必要があるのか。それは、HackCampという乗り物を通じて皆が実現したい社会を考えるワークを通じて、「イノベーションをもたらす」ことよりも、「民主化」というキーワードの方が重要であるということが見えてきたからです。イノベーションを起こすことよりも、「個の力を活かし、チームの力を最大化できる社会」の方がHackCampが達成すべきことなのでは?という流れになってきました。

そこで、このブログの問いは「なぜ民主化が大事なのか」とし、なぜ私が民主化を大事だと思っているのかについて書いてみたいと思います。

個人の行動が重要な時代だから

昨年夏にあった対談、ユヴァル・ノア・ハラリ、オードリー・タン対談「民主主義、社会の未来」での、ハラリ氏とタン氏の対談は興味深いものでした。ハラリ氏が「テクノロジーの進化の先にあるのは、AIが人間を支配するディストピアである」と論じるのに対し、タン氏は「市民参加よって、技術の使い方自体を良い方向に変えていくことができる」と返しています。

技術が人間をコントロールするという技術決定論的なスタンスを取るハラリ氏に対し、タン氏は社会構成主義的に、人間の関与無しに技術が勝手に発展していくことはなく、人間が技術の方向性をコントロールしていくと考えています。

タン氏は、異なる意見を「分断」としてとらえるのではなく、「側面」だと理解することが重要だと言います。何でも二元論で片付けない。アジア的な考え方だと思います。そのためには、権威主義でもない、個人主義でもない、「個人の思いや行動が集団の意思決定に影響を与える」社会である必要があるのではないでしょうか。HackCamp とは別に、日本のシビックテック団体である Code for Japan を運営する私としても、社会の多様性を活かしたまま、皆が生き生きと生活できる社会を作ることが重要だと考えています。

ディストピアを避けるためには、多様な人が社会の進むべき方向性に対して意見を表明でき、課題解決を権威任せにせず、行動ができ、それが有機的につながって社会を再構成していく必要があると思うのです。

企業においても民主化は重要だから

とはいえ、HackCampは営利組織です。顧客にとっても民主化を通じた価値を提供できるということが大前提です。では、企業にとってなぜ民主化が大事なのでしょうか。

大企業や行政ほどイノベーションやDXが苦手だと思われている原因には、縦割りや権威主義があると感じます。実際、大手企業や行政の職員と話すと、「変えられないと思っていること」がとても多いと感じますし、決められた範囲、役割の中で成果を出そうと思っている人が多いです。

しかし、イノベーションやトランスフォーメーションに必要なのは、メタ認知力です。メタ認知については、東京都副知事の宮坂氏が、「シン・トセイ」で新都政はどう変わる? 元ヤフー社長・東京都宮坂副知事が語るデジタル化戦略:FNNプライムオンライン にて実例を語ってくれています。

――未来型オフィスを阻んできたものは、固定電話だけですか?
宮坂氏:
組織としてのメタ認知能力の問題もあります。職員の多くが試験を受けてプロパーで入ってきて、転職組が少ない。そうすると職員が自分たちのいまいる位置を民間と比べて客観的に認識するのは難しいですよね。これも課題としてあると思います。

だいぶ前に「HackCamp流、イノベーションが起きやすい組織文化とは」という記事で書いたのですが、人間の知性には3つの段階があると言われています。詳しくは記事を見ていただければと思います。

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(「なぜ弱さを見せあえる組織は強いのか」より抜粋)

組織の中で、自己変容型知性に至る人間が多くなれば、状況に応じて事業の方向性をより柔軟に変えていけますし、複雑な問題にも対応ができるようになります。HackCamp がこれまで顧客に提供してきたワークショップは、未来に対する良い問いを作り、個人の願いや違和感といった種を掘り起こし、それをチームで共感し、全体の方向性を作っていく、そういうものが多いです。

イノベーションは結果としてついてくるもので、狙って起こすようなものではありません。

言葉で書くと、やはり長くなってしまいますね。寺崎さんのように詩を披露できればと思ったのですが、なかなかまとまりません。オリジナルの詩はまたの機会に・・・

本日(5月2日)は忌野清志郎さんの命日、ということで、名曲「JUMP」からの一節をご紹介して、明日のブログに譲りたいと思います。

朝から夜に変わる いつもの時間に
世界はふと考え込んで 朝日が出遅れた
なぜ悲しいニュースばかり
TVは言い続ける
なぜ悲しい嘘ばかり
俺には聞こえる

Oh 荷物をまとめて 旅に出よう
Oh もしかしたら君にも会えるよね
JUMP 夜が落ちてくるその前に
JUMP もう一度高く JUMPするよ



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