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【双対軌跡】2行エレベーター「MM」

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エレベーターの作成で面白いのは折り返し機構の構築

2行エレベーターで描く玉の軌跡「WW」ができたので、これと双対をなす軌跡「MM」もできるに違いないと思った。エレベーターの軌跡自体は単純で低質に見えるけれども、実際に作ってみるとその難しさと面白さを知る。

仮に2行エレベーターが詰将棋としての価値を持つとしたら、玉の軌跡に加えて端で詰まないように折り返す機構に由来するだろう。往路だけならすぐにできるものの、復路と併せて成立させようとすると難度が上がるからだ。こんな風に、1時間ほどしょうもないことを考えているうちに「MM」はできあがった。

33 二行エレベーターMM01-01 初形図

銀直捨てを折り返しに使うことは「WW」と変わらないものの、もう1つの銀の配置が異なる。「MM」創作開始時は9五銀の代わりに7三銀と配置していたため、端で折り返す前に▲8四飛▽9五玉▲9六銀▽同玉▲9七飛の詰みが生じて軌跡「MM」も復路も死んでしまっていた。それ故、▲9六銀の前に▲8四飛としたら攻方の戦力が落ちるような配置にしなければ「MM」は成立しないだろうという思考に行きついた。それからしばらくして9五銀案を思いついて何とか形にすることができた。「WW」と全く同じ機構を使うと「MM」が実現しないのが何とも面白い。

【手順】
▲1七飛   ▽2五玉   ▲2四飛   ▽3六玉
▲3七飛   ▽4五玉   ▲4四飛   ▽5六玉
▲5七飛   ▽6五玉   ▲6四飛   ▽7六玉
▲7七飛   ▽8五玉   ▲9六銀Ⓐ  ▽同 玉
▲9七飛   ▽8五玉   ▲8四飛   ▽7六玉
▲7七飛   ▽6五玉   ▲6四飛   ▽5六玉
▲5七飛   ▽4五玉   ▲4四飛   ▽3六玉
▲3七飛   ▽2五玉   ▲2四飛   ▽1六玉
▲1七飛   まで33手詰

Ⓐ:▲8六銀引は▽同 と以下不詰

33 二行エレベーターMM01-03 15手目86銀引

▲8六銀引  ▽同 と   ▲同 銀   ▽同 玉
▲6六飛   ▽7六歩   ▲6四角   ▽9五玉 で不詰

33 二行エレベーターMM01-03 15手目86銀引+

▲6二角成は▽8四歩、▲9六歩は▽9四玉で詰まない

飛車2枚の最遠移動図(19手目)

33 二行エレベーターMM01-02 19手目最遠

上段飛車が2筋⇄8筋、下段飛車が1筋⇄9筋まで移動・往復することで2行エレベーターを成立させた。

軌跡「WW」と「MM」

画像5

軌跡「WW」と「MM」を並べてみた。上手い人ならこの軌跡をどういった配置で実現させるのだろうか? ( ˘ω˘ ).。oO( 分からんね...

スペシャルサンクス

窪田義行(空気から整えていく 環境派)様:拙エレベーター詰に対して”詐術的印象を与える” との心温まる難癖を頂戴致しました。

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