見出し画像

キラキラだけの広報ストーリーはいらない

広報の役割は「内輪受け」ではない

私はこれまで、オウンドメディア等で社員を紹介する記事の編集をいくつか担当させて頂いてきた。そこで強く感じていることを綴ってみる。

私は現代の広報において、企業自ら発信する、情報を残しておくということが非常に大切だと思っている。しかしなに分、情報が溢れすぎている世の中である。特に最近は、オウンドメディア、採用広報の記事など、世の中に記事が溢れていて、出している企業側としても「これ、本当に役立っているの!?」と思うこともあるだろう。だからこそ、闇雲に記事を量産するのではなく、印象に残るストーリーを残すことが特に重要だ。

特に、今の世の中にはキラキラストーリーが溢れすぎている。キラキラストーリーも、その人が誰もが認めるほど突き抜けていれば別だ

でも、まだそれほど知られていない人に対して、読者が「ふーん、すごいね」で終わったら、そこまでなのである。こういう場合は、たいてい、内輪だけが盛り上がっている場合が多い。でも広報の重要な役割は、内輪で盛り上がることではない。外の人のココロをどれだけ揺さぶるか・・・である・・。

一つ例えてみよう。
コロナで影響を受けたエンタメや飲食業界。一時はもうビジネスが危ないかもと考えた。しかし、その後次々を施策を出し、ある一つの施策が功を奏してV字回復。前年よりも売り上げが増す結果となった。

この事実だけで、「どんな施策をしたの?」「ビジネスが危ないと感じていた時、どんな気持ちだった?」と気になったりしないだろうか。

「今はこうだけど、実は〜」のストーリー

重要なのは、その人がキラキラに達するまでにどんな苦労があったのか、どう努力してきたのか、という「人間らしい、泥臭さだ」。これがあってはじめて、人は「こんな人でも実はこんなことがあったんだ・・・」と共感が生まれる。「今はこうだけど、実は〜」の「実は〜」の部分に、いかに驚きを持たせられるかが重要だ。

・今はビジネスが順調に言っているし、メディアに引っ張りだこだったけど実はあの時、資金はショートしてつらかった。資金調達もうまくいっていなかった
・史上最年少で部長に就任したけど、実は360度評価で部下から低い評価をもらって辛かった
・創業期はキラキラに見えていたけど、実はあの時、部下とのいざこざを抱えていた。

たぶん、どんな人にも辛かった時期はある。隠しておきたい事項もある。隠しておきたいと思うなら、まだその時期ではないのかもしれない。

「実は〜」の部分を、どう乗り越えたのか

さて、この後が重要だ。この「実は〜」を乗り越えた人こそ、人が読みたくなり、参考にしたくなる人生や仕事の上でのエピソードがある。そしてメディアやツイッターで見ていた人が、グッと身近な存在に変わる。

「実は〜」の部分を乗り越えるために、なにを考え、なにをやったのか、そして今どんな状況にあるのか。これを人間臭く、リアルに伝えることが大切だ。AI時代の広報活動は、この「人間臭く、リアルに」情報を伝えることがキーワードだと思う。

広報・PRに携わっている人、採用広報をやっている人なども含め

①内輪うけの記事になっていないか。外の人が見てどう思うか
②キラキラだけの自画自賛記事になっていないか
③人間らしさ、その人らしさはそこにあるか

をきちんと見つめて、情報やコンテンツを作って欲しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?