嫌いじゃないわ。《冬》
自分の中に、みんなの共感は得にくいしおっしゃることもご尤も、という事象でも、そう心の中で声がするものがあるので、それについて書いてみようと思う。
その一つがこの「冬」という季節。
もちろん冷え込む朝に起きるのは結構、気合いが要ることもある。
この季節の中で、指をかじかませながら大掃除の窓拭き、とかもキツイ。
でも、好きなものもある季節。
それが冬。
晴れの日が多く、雪も滅多に降らない、太平洋側の街に住んでいるせいもあるけどまず、空が格段にきれい。
乾燥して水蒸気が少ないおかげもあって昼は空が青い。夜は一等星が多くてこれまた美しい。
おまけにこちらは走るのが好きと来ている。だから自分の息で白い蒸気を上げながら、空を見上げて走るのが気持ちいい。
もちろん最初は寒いけれど、走っているうちに体も温まって、最後によく温まった熱い血が、指先にじんわりと熱を送ってくる瞬間にたまらなく幸せを感じたりするのだ。
もう一つ、好きな風景が冬木立。
見る人によっては「寂しい」と言う人もいる。その気持ちもわかるんだけど、私にはそれが、寒さに全部の葉を落とされても顔を上げて天を見据えている、美しい女性みたいに見えるのだ。
あとこれは、クリスマスから新年くらいまでにはなってしまうけど、イルミネーション。長い夜を逆手に取って美しく彩って楽しもう、という気概を感じる逞しさが好き。
冬至を乗り越えれば、段々と日が照る時間の長くなる。
冬って、嫌いじゃないわ。
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