「インタビュー力」のつけ方のnote

いまどき使えるweb編集者になりたいこぐまです。

ライターさんの取材に同行するたび、みなさん本当に聞き上手で、まとめ上手で、すごいなって尊敬します。

その一方で、やっぱり自分もインタビューができるようになりたい、とも思うんです。使える編集者になるために、自分で取材ができるようになっておきたい。欲を言えば、インタビューが楽しみなるくらい、うまくなりたい。

そこで今回はインタビュースキル向上の参考となるnoteを集めてみました。

■インタビュー記事で大切なこと

まずご紹介したいのがこちら。ライターの徳重辰典さんが、『REAL SPORTS』の編集長、岩本義弘さんにインタビューの方法についてインタビューされたものです。

目次
①インタビューのオファーのやり方
②インタビュー取材の前の準備は?
③想定質問を聞かれたとき、どうする?
④インタビュー時間はどれくらい求める?
⑤インタビューは最初の5分が大事
⑥インタビューに最適な環境は?
⑦インタビューでやらないよう注意していること
⑧最初に手応えを感じたインタビューは中田英寿さん
⑨インタビューを原稿にする際、気をつけていること
⑩インタビューとページビュー
⑪取材相手にSNSでのシェアは頼む?
⑫これからインタビューをしたい君へ

実際のインタビュー記事とともに、オファーの仕方や事前の準備、インタビュー時の工夫など、取材の裏側が具体的に紹介されていて参考になります。なにより、このnote自体がインタビュー記事として面白い。おすすめです。


インタビューのお手本を読んだ上で、改めてインタビュー工程をおさらいするなら、成田幸久さんのnoteがおすすめ。インタビュー成功のための、7つのポイント「ABCDEFGのレシピ」が紹介されています。

インタビュー成功のための「ABCDEFGのレシピ」
(1)Analysis (解析)
(2)Backup (予備)
(3)Context(文脈)
(4)Dialogue(対話)
(5)Expertise(専門性)
(6)Flashback(再生)
(7)Gist(主旨)

事前準備から取材当日の対応まで、やるべきことは各レシピを読んでいただければと思いますが、インタビューで特に重要な点についても触れていたので、ご紹介します。

エキスパートにはエキスパートだからこそ、持っている哲学や矜持があります。そこを見つけ出して、読者に届けることが、インタビュアーの最も重要な役目であり、醍醐味なのです。
インタビューは主旨に始まり、主旨に終わります。何を、誰に、どんな目的で、どうやって伝えるかを決めるために欠かせません。主旨は、自分が一番知りたい、伝えたいことをインタビュイーから聞き出して、読者に伝えるための起動装置なのです。

企画の趣旨に沿いながら、取材相手が持っている哲学や矜持をわかりやすく面白い言葉や文脈で届けられるか。インタビューの成功はこの点にかかっており、そのための事前準備であり、相手の反応を見ながらの臨機応変なやり取りなのだ、ということを改めて再確認させられます。

これら7つのレシピを抑えつつ、どうしたらそんなインタビュー記事が作れるのかという目線で、先ほどご紹介した岩本さんのインタビュー記事を読むと、学びがさらに大きくなることうけあいです。

■マネのできないインタビュー術

続いて、すごいライターの、すごい準備とテクニックに触れられるnoteをご紹介します。まずは、音楽評論家の柳樂光隆さんへのインタビュー論に関する取材をまとめた岡本尚之さんのnoteから。

柳樂さんの雑誌愛から始まり、事前準備や予定調和の壊し方、取材相手との関係構築や記事の視覚的工夫など、内容は多岐に渡りますが、メインテーマは「“情報を切る”という行為」の重要性。

重要度や優先度でコントラストを付けないとただの情報になっちゃうじゃないですか。そこに濃淡や起伏みたいなものがないと読み物として引っかかりもないしね。フラットにまとめましたみたいなのってフェアに見えるけど、それって結局、どこにもフォーカスしなくて済むから、編集してないのと同じだと思うんですよ。テーマはあるけど、視点と思想がないっていうか。
そもそも情報が詰まりすぎていると読んでて心地よくないし、楽しくないじゃん。よくそこまで調べたね、たくさん情報集めて偉いねってのは、宿題としてはいいけど、商品としては弱いよね。僕らはライターであって、研究者じゃないからね。エンターテインメントの部分も大事だから。

ほんとにそう思うし、そして、それが一番難しい。ちゃんと「編集」しているか? 楽しんでいるか? と、柳樂さんから問いただされた気がします。


続いては、著者の土門蘭さんとHuuuu代表・徳谷柿次郎によるトークイベントをまとめた友光だんごさんのレポートnote。

取材相手の話を「心の底から面白がる」柿次郎さんと、「インタビュイーに恋をする」土門さん。タイプの異なるお二人ですが、取材相手への興味、愛情がインタビューの肝だということがわかります。トークショーという名の柿次郎さん、土門さん、そして司会進行をする校閲者でかもめブックス店主の柳下恭平さんの3人のインタビュー合戦。楽しくて深くて、でも、一番印象に残ったのは「飯ブレイク」でした。

編集術を学ぶイベント「神保町編集交差点」で行われた、プロインタビュアーの吉田豪さんと「電ファミニコゲーマー」編集長のTAITAIのトークイベントのレポートnote。

「インタビューでしていること、やらないと決めていること」「現場で奮闘する編集者・ライターたちがそれぞれの役割」について話されています。

そんな、トークショーの第一声は、

吉田 今日のイベントでは役に立つ話をしたほうがいいんですか? 面白い話がいいんですか?

手強過ぎます。お二人の「面白さ」へのこだわりが伝わってきます。「面白くする」ことへのこだわりが、結果的に記事の質に現れる。勇気付けられるし、恐ろしい。

そして、司会をされた編集者の今井雄紀さんからの

面白い話を聞きたいですが、役に立つことも忘れないでいていただけると……(笑)。

の注文通り、役に立つ話も盛りだくさん。

相手の心を開くための事前準備、事前質問や当日の質問リストの使い方、掴みや締めの工夫、聞きたい話の引き出し方や話題のコントロール方法、「絶対に聞かない」質問や、原稿の作り方など、ここまでやるから「面白い」のだということがわかります。


■これなら実践可能(!?)なインタビューノウハウ

より等身大で、比較的マネがしやすい(?)ノウハウが書かれているのがTamaka Ogawaさんのnote。

インタビュー中に聞き手が考えなければいけないことはたくさんある。次に何を質問するべきか、インタビュイーの言葉は取材の目的に沿ったものになっているか、読者が知りたい内容を聞けているか、相手は機嫌良く喋ってくれているか、終了時間まであと何分か、などなど。その中でも一番聞き手の頭を占めがちなのは「次に何を質問するべきか」だと思う。
しかし、本当は次の質問以上に大事なことがある。

その大事なこととは、そしてそのために取れる工夫とは?

取材中の関係構築に重要なリアクションについてまとめたNishiyamaTakeshiさんのnoteも参考なりました。おすすめの書籍紹介付き!

目次
1.A→A(単純な感情的反応)
2.A→A'(要約)
3.A→a(掘り下げ)
4.A→B(時間的展開)
5.A→I(文脈的展開/視点移動)
6.A→ω(井戸端展開/雑談的飛躍)
業務用覚え書き
インタビュー深めるために読むと佳きなやつ

■おすすめ! インタビュアーへのインタビュー集

最後に、佐藤友美さんによるライターさんへのインタビュー集。インタビューの仕方のヒントはもちろん、ライターさんの目線を知ることは、編集者がインタビュー記事を作る上でとても大切なことだと思うのでご紹介します。


すごいインタビュー記事の裏には、すごい努力がある。どれだけ準備できたかがインタビューのすべて。そして、それだけの工数がかかってしまうがゆえに、他の業務や、次の仕事に繋げることで、きちんと利益を出しすことが重要である。その努力を才能豊かな方々が日々実践されている、という事実。

もう、努力から逃げない覚悟を決めなければいけない。そして、それだけの努力を重ねているライターの方々の力を今後もお借りするために、サイトで利益を出せる力をつけないとけない。成果を出さないといけない。それぞれのnoteから、インタビューのヒントだけでなく危機感をいただきました。

みなさまにとっても、参考になるとともに、その背中を押してくれるnoteとなれば幸いです。


※本noteは「#編集 #ライター 記事まとめ」(https://note.com/notemag/m/mbe11fbbc43b3)に掲載された記事を中心に、「ネットリテラシー低い紙出身オウンドメディア編集担当者」の視点から、役に立った記事をピックアップしています

※おすすめのnoteがあればコメント欄にいただければ幸いです。もっと効率のよい情報の集め方があればぜひコメント欄にてお教えください。頂いたコメントは記事に反映させていただきます。やり方も参考にさせていただきます。すえながく、よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?