もしもあと1時間で死ぬとしたら。
もしもあと1時間で死ぬとしたら、あなたは何をしますか?
窓の外を見てください。
何が見えるでしょうか?
窓の外に見える建物ひとつに的を絞って、それを観察してみて下さい。
建物がなければ山でもいいです。
あなたが見ているその建物(山)は動いていますか?
じっくりと観察してみてください。
その建物(山)は動いていますか?
きっと止まっていますね。
でも本当は違います。
地球は、およそ時速1500kmの速さで自転しています。
だから本当は、あなたが見ているその建物(山)も時速1500kmの速さで動いているんです。
それなのに、建物(山)が止まって見えるのはなぜでしょう?
それはあなたも同じように時速1500kmの速さで動いているからですね。
あなたが時速60kmの車に乗っているとしましょう。
隣車線の後方から別の車がやってきてあなたの隣に並びました。
その車も時速60kmに減速したとしたらどうでしょう。
その車に乗っている人は止まって見えるでしょう?
でも、実際は時速60kmの速さで動いている。
同じスピードで変化するから、止まって見えるんですね。
考えてみれば、当たり前ですよね。
こんな経験はありませんか?
いつも一緒に暮らしている家族やパートナーからは何も言われないのに、
久しぶりに会った友人に「歳とったね。」なんて言われてしまった。
多かれ少なかれ似たような経験はありますよね?
いつもあなたのそばにいて、あなたを見ている人はあなたの変化にあまり気がつきません。
なぜなら、その人もあなたと同じような変化を同じように体験しているからです。
それなのに久しぶりに会った友人には、あなたの変化が見えている。
それは会っていない期間をタイムワープしたからです。
あなたは間違いなく、今この瞬間も変化し続けているのです。
はっきり言えば歳をとっているんです。
もちろんあなただけではありません。
私も、植物も動物も物質も、この世の中にあるものすべては同じ速さで変化しています。
桜は春になるときれいな花びらを咲かせますね。
ところで桜は春になった途端に急に花を咲かせるのでしょうか?
違いますね。
花が散って葉っぱが咲いて、葉っぱが散って実がなって、そして花が咲く。
ゆっくりと変化を続けて花を咲かせているんです。
1秒も休まずに桜は変化しているのです。
そうです。
すべてのものは一瞬たりとも止まることなく変化を続けています。
1秒前の桜はもう今の桜ではないのです。
1秒前のあなたはもう今のあなたではないのです。
なのに私たちは私たちの変化に気づきません。
なぜならば、私たちの周りのすべてが同じスピードで変化しているからです。
私たちは桜の花びらが散ってしまうと「儚いなぁ。」なんて言いますが、
それは「桜の花びらが散る」という変化にしか注目していないからです。
本当ならば、葉っぱが芽吹くことも、葉っぱが散ることも蕾が膨らむこともすべてが儚いのです。
だってすべてが一瞬一瞬のうちに変化して、一瞬前の状態には戻れないのですから。
この世の中のすべてのものは1秒たりとも溜まっている事はありません。
私たちは、一瞬前の世界に別れを告げ続けているのです。
私たちの細胞は1日におよそ10万個死んでいると言います。
それが良い変化であれ良くない変化であれ、
1秒前のあなたはもう今のあなたではありません。
言い換えれば、私たちは毎秒毎秒死んでいるのです。
私たちは、私たちの周りにある世界、隣にいてくれる人、心の中にいてくれる人に、今この瞬間に別れを告げなくてはならないのです。
そう考えれば、今この瞬間がとても愛おしく感じませんか?
あなたは生まれた瞬間から死に向かいます。
あなただけではありません。
あなたの大切な人も生まれた瞬間から死に向かいます。
これは変えようのない事実です。
そうやって私たちは必ず人生の終わりを迎えます。
だけど私たちはそれに気づかない。
あるいは気づかないふりをする。
でもきっと気がついていた方がいいのです。
わかりますよ。
それはとても恐ろしいことです。
でも、私たちは休むことなく変化を続けて死に向かっている。
そのことに、私たちは気がついていた方がいいのです。
なぜならば、そうすれば、この世界をもっと愛することができるからです。
たった1度の今回の人生において、
周りの人々や周りの世界を愛することができるならば、
それはとても素敵なことだと思いませんか?
さぁ、もしもあと1時間で死ぬとしたらあなたは何をしますか?
何を見て、何を聞きますか?
何に触れますか?
何を思いますか?
誰にどんな言葉をかけて、
誰を抱きしめますか?
そんな気持ちで今を生きてみましょう。
きっとすべてが愛おしく感じられるでしょう。
今回のあなたの人生に現れる人は、すべてあなたに必要な人なのです。
大好きな人はもちろん、いけすかない友人も、口うるさい上司も、あなたの人生に現れる人はみんな、今回のあなたの人生に必要な存在なのです。
さて、もう一度繰り返します。
目を軽く閉じて、しっかりと想像してみてください。
あなたの周りにいる人たちのことを思い浮かべてみてください。
そして、このあと思いついたことをひとつだけでもいいので、今日実際にやってみましょうよ。
では繰り返します。
もしもあと1時間で死ぬとしたら、
あなたは何をしますか?
何を見て、何を聞きますか?
何に触れますか?
誰にどんな言葉をかけますか?
誰を抱きしめますか?
本日も文末までお付き合いいただきありがとうございました。
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それではまた次回。
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