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かっこいい職業病

その道を極める、という生き方があまり流行らなくなっています。

たった一度の人生、やりたいことがあるなら多動力であれこれすべて手を出していこうぜ!就職なんかしたら負け組だぜ!会社に頼るな、組織にツバを吐け!自分をブランディングせよ!YO!YO!チェケラッチョ!ナマムギ生ゴミ水曜日金曜日!

と、言葉巧みにヤングを煽る◎◎◎モンとか、高知で勝手に疲弊しているブロガーとか、巣鴨だか駒込だか塾の塾長が脚光を浴びる世の中です。

しかし、ほんとうにそれでいいのでしょうか。ほんとうにそんなんで、世の中は回るのでしょうか。

ただ目立たないだけで、abemaTVに出ないだけで、Twitterでバズらないだけで、実は社会になくてはならない重要な職務に就いている人がいるのではないか。世の中は、今日のあなたの一日は、その人たちの不断の努力によって支えられているのではないか。

そう考えると、職業病を抱えるぐらいの仕事キ○ガイのほうが、カッコいいはず。賞賛されていいはず。ということで今回は街で見かけたカッコいい職業病を紹介します。

■ ■ ■

歯科医師の職業病
ガムを噛むとつい、型を取るときの印象材と勘違いして奥歯にかぶせてしまう。そして5分後、取り出して歯科技工士に渡してしまう。そして処理後の歯冠形態復元をレジンにするか、金属にするか、セラミックにするか一瞬考えてしまう。

経営企画室メンバーの職業病
配属後暗算ができなくなった。それどころか計算機も使えなくなった。あらゆる計算をエクセルで処理するようになってしまった。いまでは恋人とのコミュニケーションすらエクセル上で行なう。行きつけの飲み屋は吉祥寺駅近くのスナック『エクセル』で決まり。

アパレル店員の職業病
人の服を見ると「それぼくも持ってるんですよ」と言う。さらに「色違いなんですけどね」と付け加えてしまう。そのため、あらゆるブランドのあらゆる洋服を購入しなければ気がすまない。結果、常に金欠で多額の借金も抱えている。ウシジマくんのカモ。

リラクゼーションサロン施術者の職業病
たいして凝ってなくても「凝ってますね…」と言うと異様に喜ばれる。結果として“凝り”の表現バリエーションをどこまでも追求してしまう。「まるで木のようです…」「恐竜かと思いました…」「ほぼ鉄板ですね…」「超合金でもここまでは…」明日の勤務が怖い。

金八先生の職業病
河原を歩いているとどこからともなくサッカーボールが飛んでくる。蹴り返すのだがとんでもない方向へいってしまう。2人組のパツキン女性ランナーが英語(たぶん)で話しかけてくるが、何を言ってるのかさっぱり理解できない。それでも人しか愛せない。

鼻田香作の職業病
とにかくなんでも匂ってしまう。しかしその堅牢な鼻マスクによってほぼ何もわからない。6000種類のスパイスを嗅ぎ分けることができるが、残念ながらカレーに使うスパイスは30種類ぐらい(らしい)なので、少なく見積もっても5960種類は無駄である。

与沢翼の職業病
秒速で起業し、秒速で一億稼ぎ、秒速で上場させ、秒速でバイアウトし、秒速でまた起業…同時に秒速で恋愛し、秒速で結婚し、秒速で子どもをつくり、秒速で離婚し、秒速で再婚する。まさに職業秒。

渋谷にいる就活生の職業病
どんな業界のどんな職種(多くは総合職)を志望しても「いずれは起業したい」と口にする。なにで起業するの?と聞くと100%決まっていない。しかしオフィスは渋谷スクランブルスクエアか渋谷フクラスに決まっている。

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ほかにも枚挙にいとまがありませんが総じて言えるのは「職業病は美しい」ということです。唇よ熱く職業病を語れ、なのです。たった一度の人生、ひとつの道を病気(肉体的精神的ではなくあくまで比喩として)になるまで極めてみるのも悪くないとおもうのは、わたしが昭和生まれだからでせうか。

え?ぼくの職業病ですか?
最近ではすっかりnoteの更新です。本日、noteをはじめて1年経ちました。

BGMは渡辺真知子で『唇よ熱く君を語れ』でした。個人的にはKANEBOのCM嫌いじゃない派です。

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