年賀状にまつわるエトセトラ
あけましておめでとうございます!
って言ってたのがつい先月。もう2023年も残り11ヶ月を切りました。どぉなっちゃってんだよ岡村靖幸。
こんなことならいっそ年末とか年始とかなくしてしまえばいいのに、などと荒々しい思いがあたまを擡げます。
擡げる、なんて難しい漢字、ぜったいに書けません読めません。
さて、お正月といえば昔は年賀状が楽しみのひとつでした。いちばん楽しみにしていたのは小学校の頃でしょうか。
クラスの好きな子に送るか。
送るとしたらなんて書くか。
年末さんざん悩んだ挙げ句
「おもちのたべすぎにちゅうい」
みたいなしょうもないメッセージに着地したり
「あぶりだしだよ」
と騙り、あぶったところで焦げるだけとか。
そして新年早々ポストが気になって気になって仕方がない。意中のあの娘から年賀状が来ますように!と祈ろうぜのちノイローゼ。
無邪気に楽しんでいました。
そんな年賀状も中学生、そして高校生ともなると興味を失っていきます。斜に構えるようになるんですねえ。社会人になってからはマナーというか儀礼的な色合いが強くなりました。
いまはどうか。
そのあたりについて考察してみましょう。
年賀状のピークは300枚
ふつうは社会人になってから少しずつ年賀状の枚数が増えていくものです。しかしぼくは転職を重ねてきただけでなく、結構あっさり前職の人間関係をリセットしてしまう癖があり、積み上がっていきませんでした。
つまり比較的横ばい。20枚いくかどうかを行ったり来たり、という賀状ライフ・イズ・ビューティフルな20代を送っていました。
その頃は、まだ良かった。
問題は30歳以降。ひょんなことから転がり込んだ会社で制作部門の責任者をやることになったのですが、ここが毎年アホか、というぐらい社員数を増やしていったのです。
当然、責任者として年賀状の枚数も年を重ねるごとに増加。20枚が30枚、30枚が40枚、40枚がオーマイガッ!ってな勢いで気づけばその会社以外のプライベートな賀状リストとあわせて300枚近く送ることに。
300枚ですよ、300枚。
いや世の中にはもっと多い人がたくさんいるでしょう。500枚、1000枚という人もいると思います。しかしそもそも筆不精のぼくにとっては50枚以上は難行苦行でしかありません。
しかもそんな枚数、いちいち自分の住所なんて書いてられないのでわざわざ東急ハンズでお年玉付年賀状差出人住所付みたいなヤツをプリントオーダーしていました。
ついでに宛名もパソコンで…と思ったのですが、まったく手をかけなくなりそうなのでやめました。宛名ぐらいは書こうと。
おかげでお金も時間も労力もかかったかかった。
もう少年期のワクワクした気持ちなんかないわけですよ。
その後どうなったか
なにごとも永遠というものはないのであります。部下の数が170名を数えたあたりでリーマンショックがやってきました。
ここで一気にゴーン、とメンバーの数を減らさざるを得なかったんですね。リーマンショック、ゴーン、リストラと来たら日産三暗刻ツモですね。
これで人材業界マーケットが一気にシュリンクしただけでなく、ぼくの年賀状送付リストも一気にシュリンクしたわけです。
そこから三枝さんばりのV字回復を果たす…ことはなく。いや、回復せんでいいんですけど、そのままぼくはそのJTCを卒業しました。
いまの会社では新規で年賀状を追加することは一切ない(渋谷のベンチャーには年賀状という概念がありません)ので、ここ7年ほどはずっと50枚前後でした。前後というのは毎年一定数の喪中があるからです。
50枚前後なら、なんとかなる。
そう思って差出人住所プリント年賀状はやめにして、カリカリ手書きで描くようになりました。節約節約。
それでも、年の瀬のある一日をまるごと費やすことになるので、決して楽ではありません。角張ったような丸っこいような、自分の汚い字を見るのもまあ、気分のいいものではありませんでした。
じゃあ巷で流行りつつある年賀状じまいをすればいいんじゃないか。
と、一瞬思ったんですが、それはそれでなんだかじじむさい。この歳で「どなた様にも年賀状によるご挨拶はこれで最後に…」とか書くのってどうかと思いません?
悩んだ結果、こうすることに
いろいろと考えた末に、ある決断をしました。
ひとつは、差出人住所氏名をスタンプにする、ということ。
そしてもうひとつは年賀状を出す人を超厳選する、ということ。
差出人住所氏名スタンプは、ほら、ふつうに売ってるヤツです。これです、これ。
これ、買って使ってみたんですが、まあ便利なこと、楽なこと。もっと早く導入すればよかった。これさえあれば狭いスペースにチマチマした字で住所や名前を書く必要がありません。めちゃくちゃおすすめです。
そして年賀状を出す人を絞り込む。年賀状とは面白いもので、ふだん疎遠な人ほどやりとりが続きます。しょっちゅう会ってる相手には出さない。
で、そもそもそんなに疎遠なら年賀状もいらなくね?と思うに至ったんですね。もちろん逆に、疎遠だからこそ年賀状ぐらいは、という考え方もあるでしょうけど。
そして、もしかしたらこちらが出すから義理で返してくれてるだけで、本心はめんどくさいなあこのオッサン毎年まいとし、とイラッとしている人(特に若年性女子)がいるかもしれない。
だとすると毎年嬉々として賀状出してる俺ってピエロ?
そう考えるととても嫌な気分になりました。なので、今年(2023年)の正月は「この人からは返信が来なくてもいいから出そう」という相手に絞り込んで送ることにしたのです。
もちろんこっちから送ってない相手でも送っていただけたらお返しします。こちらから積極的にリーチしないというだけです。
この目線で絞ったところ50枚が25枚になった。
差出人スタンプ+25枚の威力は抜群です。めちゃくちゃ楽になりました。そして一通一通に込める想いもより丁寧になった。コメントもおざなりではなく、送る相手の顔を思い出しながら、親密になれた。
思えば、これこそが本来の年賀状のあるべき姿ではないか。
そう思えたんですよね。そして長らく忘れていた年賀状を楽しむ気分も味わえました。
結果発表!
こちらからは送らなかったけど、向こうから送ってきてくれた年賀状は2月8日の時点で11枚。疑ってすみません。もちろんすぐに送り返しました。
そしてこちらが送らなかったことで向こうからも送ってこなかったのは4枚。これでよかったんじゃないかなって思います。
引き続きよろしくお願いします。
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