見えている世界だけで判断しないこと
先日、国際貿易のフォワーダーという仕事をはじめて知った。
その仕事に従事されている方にインタビューをしたのだ。
もちろん取材前に大まかな仕事の内容は勉強していく。だがテキストを追って知ったところで実体感のない知識が得られるだけだ。本当のことは当事者の口から語ってもらうのがいちばんである。
国際貿易のフォワーダーとは、ものすごく単純化して説明すると、輸出入に際して荷主と直接契約してスケジューリングや各種輸送手配などを行なう仕事。よくある例えとして旅行代理店のような存在といわれる。
ここから先は具体的な記述は避けるが、実際の仕事の現場は前述のような単純なものでなく、かなり複雑だったりしっかりとサービス業の側面を持っていたりする。
またこの業界もデジタル・トランスフォーメーションが進んでいるが、ただひたすらDXを推し進めればいいわけでもないらしい。このあたり、話を聞けば聞くほど面白い。
世の中にはまだまだ知らない仕事がたくさんある(もちろんぼくが無学ということもあるが)。
テレビで話題になることも、SNSで映えることも、実写化ドラマ化もアニメ化されることもない仕事は山ほどある。ぼくらが認識している職業は全ての仕事の氷山の一角でしかないのだ。
だから、見えている世界だけで物事を判断してはいけないな、とあらためて思った。
あたりまえのことだが知っていることよりも知らないことのほうが多いのである。
そしてひとは少しでも見えていない世界の面積を小さくするために本を読んだり映画を見たり音楽を聞いたりケンカをしたりダンスを踊ったり結婚したり子どもをつくったりするのだろう。
それでもぜんぜん絶望するぐらい、見えていない世界は圧倒的に大きい。
ぜんぶをわかろうとすること、ぜんぶを見ようとすることは不可能なのだ。
明日もぼくは「自分はバカだ」と思うことからはじめるつもりである。
4月1日かあ、と思いながら書いていたらなんとなく所信表明っぽくなったけどそれでいいのだ。
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