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もう一度会いたい、あの商品この商品①

かつて。
そんなに昔のことではありません。

日本国民全員が新製品にときめいていた時代がありました。

メーカーは産めよ増やせよといわんばかりに新製品を市場に投入。華々しく発表会などが行なわれたり、大々的にテレビコマーシャルで露出したり。特に春と秋は新製品ラッシュだったような気がします。

それらの商品がすべて飛ぶように売れた、のであれば何も問題ないのですが、残念ながら陳列棚をいつまでもあたため続けたり、ものすごくマニアックな一部の人からの支持にとどまってしまったものもありました。

そういう商品はいつの間にか、そっと市場から退場していきます。

そして、ぼくが「いいな」と思う商品はなぜかいつも、知らないうちにいなくなってしまうのです。なぜだ。しょせん俺はマイノリティなのか!

と、いうことで、今回から何回かに分けて、懐かしくもメーカーさん再発ってないんすかね、というマニアックな逸品をご紹介させてください。

はじめてのシャンプー、といえば

まずはこちらのTVCMをご覧ください。

覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。1994年にリリースされた資生堂の『ミネラルウォーターのシャンプー』です。

ぼくはこのとき26歳。日本一のコピーライターになってNHK『YOU』の司会者の座を糸井重里さんから奪うんだ!という壮大な夢が当然のように破れて西池袋の居酒屋の店長をやっていた頃。

忘れもしない夏のある日。閉店後に朝の5時過ぎまで店で呑んだくれてふらっふらになりながらワンルームの自宅に帰りました。

当時のぼくは部屋にいる間は常にテレビを点ける習慣が。この日も帰宅後すぐに照明、クーラー、テレビの順に電源を入れます。そのまま着替えもせずにベッドに潜り込もうとしたその瞬間。

♪はじめての~シャンプ~ ミネラ~ル~ウォーターのシャ~ンプ~

そのあまりに涼しげで爽やかなイメージに、一気にやられました。しかも鈴木杏樹さんと本木雅弘さんバージョンの二階建てです。モックンのほうがYou Tubeを探しても出てこないのはおそらくジャニコードでしょう。

思わず「はじめての~♪」と唄いながらコンビニに行きましたが新製品ということもあり、ファミマにもセブンにもミニストップにも置いてない。次の日に池袋のドラッグストアでようやく手にいれました。

この商品、コマーシャルやパッケージの印象も良いのですがそれ以上に商品名ですよね。ずばり、ミネラルウォーターのシャンプー。もうそれ以上でもそれ以下でもない。しかも雑誌広告のキャッチが「人の髪が、はじめて出会うシャンプーです。」ですよ。

当時はまだミネラルウォーターがちょっと高級品だった時代。そんなときに大胆にもシャンプーに使っちゃうなんて、あなた、これは買いでしょ!と思ったものです。

実際の使い心地はどうだったか

と、いうと正直なところキョンキョンのCMでスパークしていた『スーパーマイルド』の方が良かったような。

出典:Kanome Design Office

スーパーマイルドはパッケージデザインも洗練されていました。ワンルームマンションのユニットバス映えする、とでも言いましょうか。おかげでロングセラー商品になりましたね。

ミネラルウォーターのシャンプーはスーパーマイルドと比べると若干、髪がシカシカするというか。なんていうのか、こう、防腐剤入りのワインにどっぷり慣れているのに雰囲気でビオワインを飲んでしまった時の感じ、というか。「オーガニック」「自然派」ゆえにこれぐらいは仕方ない我慢しろ!みたいな。

その犠牲感含めてのミネラルウォーターのシャンプーなんだよ、といった気分を味わうにはいいのですが、正味の話「?」が残る使い心地でした。

そのせいかぼくの記憶では一年もたなかったような気がします。ある時を境にパタッとお店で見かけなくなりました。

なんとなく、ひと夏の恋が終わってしまった。そんな甘酸っぱい思い出を残してくれたミネラルウォーターのシャンプーに、もう一度会いたい。資生堂さん、期間限定で再発してくれませんか?あのシカシカ感が本当だったか確かめたいのです。


と、いった具合に「そういえばあんなのあったな」「こんなのもあったあった」というようなマイナーな商品を思いついたら端から紹介してまいります。もしこのnoteを読んで下さった方の中で「こんなん覚えてる?」というようなレアネタがありましたら、ぜひコメントで教えてくださいまし。

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