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転職後に失敗する人の傾向と対策

こう見えて一宿一飯の恩義にこだわるほうです。よほどの事情がない限り、ひとつの会社で長く働きたいタイプ。受けた恩は返す派です。

にも関わらず20歳からの33年間で6つの会社を渡り歩いてきました。しかもそのうちの一つは正真正銘の転職。業界も職種もガラッと変えた。で、そっからまた元の業界と職種に戻した。なにやってんだか。

最近のヤングにとっては5回の転職歴はたいしたことないかもしれません。しかし昭和40年代生まれの価値観からすると「結構やってんなあ」ってかんじ。腰の落ち着かんヤツだ、とレッテルを張られても仕方ない。

ともあれ6回も職場を変えるとそれなりに見えてくるものもあります。特に25歳から45歳ぐらいまでは採用や教育、評価のような業務にも携わりました。たくさんの人と触れ合い、すれ違うとわかることがあるんです。

今回はその中で、ほぼ間違いなく転職後に失敗する人の傾向を紹介します。ちなみに成功する人はすべからく失敗する人の反対の行動をとります。もしあなたが近いうちに転職を考えているなら、新しい会社に入社した後ここに書かれている行動の真逆をやりましょう。

■ ■ ■

①初日から2週間ほど異様にはりきる

いや、スタートダッシュを切ろうというその意気や良し、ですよ。でもですね、妙に浮ついているというか、上滑りしている人っているんです。すごい前のめりで勢いがある。そういう場合、たいてい長続きしません。

あっという間に、それこそ一か月もたずにガス欠になる。気を張っているぶん、小さなほころびでも中から空気が一気に抜けてしまいます。そうなるともう抜け殻みたくなったりして。

空気を読めとはいいませんが、その会社なりの歩幅みたいなものもあるわけですし、あわせるスキルも大切かとおもいます。

②社長(会長)から尋常じゃなく引き立てられる

入社早々に最高上役のお眼鏡にかなって(それは仕事の実績ではないところだったりする)やたら贔屓される人っています。

たいしたことじゃなくても最高上役の目に留まり、朝礼の場などで賞賛される。既存社員諸君もおおいに見習い給え、みたいな。これを聞くたびに「やれやれまたか…」とおもいます。

いわゆる典型的なスポイルですね。ほとんどのケースで調子にのったり、力を持ったと勘違いしちゃう。そのうち仕事ぶりや生活態度が荒れてきて、入社当初は絶賛していた最高上役もやがて自らの失策に気づくのですが…時すでに遅し。

③いきなり仕事ができすぎる

異業種での職種経験者によくあるパターンです。前職での環境がハード過ぎたのか、入社早々にデカい受注をかましたり、大型案件のキーマンになったり。初日から八面六臂の大活躍です。

もちろん②のケースと違って成果を出しており、正当な評価も賞賛もされます。するとですね、よほどの人格者でもない限り、舐めるんですよ、その会社の仕事や既存メンバーのことを。

しかもなまじ苦労せずに成果をあげちゃったもんだから、ちょっとした逆風でも凹んでしまう豆腐メンタルの持ち主に。でもそんなスーパーマンから舐められた既存メンバーたちは決して救いの手をさしのべることなく、ただ冷ややかに眺めるだけなのでありました。完。

④自分の流儀を持ち込み、押し通す

会社ごとに細かいルールってありますよね。たとえば役職者を肩書きではなく「さん」付けで呼ぶ、みたいな。風土といってもいい。

でも、ときどきそんな会社に中途で入社してくる人の中に、頑なに「○○部長」「××課長」と肩書き読みを変えようとしないタイプがいます。

「ウチではさん付けなんで、肩書きじゃなくていいんだよ」と笑顔で諭しても「いえ、自分は最初の会社でしっかり教育されていますし、やはり上役の方はそれなりの呼び方をしないとお互いの自覚が芽生えませんので」と正論を曲げようとしません。みんな白目です。

⑤入社前から理念に共感しすぎる

そのこと自体は素晴らしいです。理念に共感していれば、多少の艱難辛苦ぐらい乗り越えて汝を玉にすることができます。コミットって素晴らしい。ビバ!理念ドライブ。

なんですけど、何事もほどほどというものがあります。理念への共感は入社後に経験を重ねるうちなんどか現場で体感し、心からなるほど!と思えるようになるのがベスト。つまり大事なのは腹落ちなんです。

だから入社そうそう、いや入社もしていないうちから「御社の理念に強く共感し…」というのはいかがなものか。この手の人ってたいがい「社内に理念が浸透していないではないかっ!キーッ」といって辞めていきます。

⑥二言目には「前職では…」という

これはその前の会社に新卒で入って15年選手だったとか、創業メンバーだった方にありがちです。

2つパターンがあって、前職のやり方を説明してくれるおせっかい君と前職の悪口をいいたい愚痴男君。ぼくが知っている最高に最悪な人は入社当初、前職の悪口をさんざん言ってたのに途中から前職ではこんなやり方ではなかった、とコロッと宗旨変えしました。

ブラック企業からやってきて鼻息荒く仕事しているうちにこの会社もブラック企業だと思うようになったんでしょうかね。まあだいたいどこの会社もおんなじようなものなんですよね。

⑦すごく優秀という前評判

いいじゃん、優秀なら。と、お思いの方も少なくないことでしょう。しかしぼくの知る限りでは「すごく優秀」という触れ込みで入社してきた人が優秀だったためしなしです。

それどころか周囲がいい感じに期待して接するので、本人も勘違いするか、または萎縮することに。結局、思うような成果があがらず、そのまま半年、1年と過ぎ…。

気づくとはて、あの神童はどこへいったやら、みたいなことに。あんまり長続きしないか、逆にずーっとくすぶりつづけて早幾年というパターン。

⑧社長(会長)の愛人ではないかという前評判

前評判シリーズ第二弾はこちら!どちらかというと噂ですかね。周囲がやたら気をつかっちゃうんです。そういう意味では本人もかわいそう。

しかも単なる噂で事実無根だったりすると誰もハッピーじゃないです。ただしぼくの知っている例では、噂の彼女が会長さんの高級外車に乗っている姿をたくさんの人になんども目撃されていたようです。クロかよ。

結局、まわりの社員と馴染めず、浮いちゃって居心地悪くなり、いつの間にか姿を消すことに。辞表を出された課長はしばらく寝付きが悪かったそう。自身の出世をあきらめたとも聞きます。

⑨趣味は競馬とパチンコと豪語する

いや別に競馬やるなとはいいませんよ。パチも打ちたきゃ打てばいい。かくゆうぼくも重賞は必ず勝馬投票券買ってますし。

そうじゃなくて、そのことを入社そうそうに口にしなくてもいいじゃないか、ってことなんです。残念ながらギャンブルが趣味です!という人はそれだけで信用度が30%ほど落ちます。もちろん肌感ですけど。

そんなネガティブ効果しかないのにわざわざ宣言することの意味がよくわからないんですよ。この手の人種は金銭トラブルを起こすケースも多かったですね。貸した金返せよ。

⑩清濁併せ呑もうとしない

割と未経験で入社してくる技術職やクリエイティブ職にみられる傾向なんですが、すごく理想論というか正論をふりかざすタイプがいらっしゃいます。これはこれ、それはそれ、という大人の事情が一切通用しないの。

いや、そりゃ君が言ってることのほうが正しいとおもうよ。確かにそれが実現できたらみんなハッピーになるかもしれん。しかしいま君がいる会社はグーグルやアップルじゃないしアマゾンでもないんだ。ましてやサイバーエージェントでもない。リクルートですらないんだ。

日本の、小さくて貧しい、でも気のいい連中が肩を寄せ合って明るく生きている中小、いや零細といっていい規模の吹けば飛ぶよなカイシャなんだよ。何だよそのステイハングリーステイフーリッシュってのは。おいしいの?それともハイスタの新曲なの?

■ ■ ■

ほかにも「すぐ役職を欲しがる」「やたら名刺の肩書にこだわる」「社内の人間関係に精通しすぎる」「私用電話が多すぎる」など挙げていけばいくらでもでてきます。

もちろんあくまでぼく個人が見てきた中での典型(ただしすべて実話)にすぎませんから、すべてがすべて失敗するというわけではありませんよ。

ただ、この手の行動発言をする人は往々にしてコケがちってことです。逆にいうと入社後、着実に成果をあげる人、あるいはしっかり定着活躍する人って正反対な言動をしてたりします。

そして、おもしろいことにネガティブな理由で転職してくる人はまるきり同じ理由で転職していくものです。これほんと。

あなたの職場にはこういう人、いたりしませんでしたか?
その人は比較的早期にいなくなったりしませんでしたか?

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