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人にいろいろ聞く癖

昔、松本零士先生の漫画で(たぶん「男おいどん」か「大純情くん」)主人公がつぶやいたセリフをいまだに覚えている。

「友だちは根掘り葉掘り聞かなくても友だちだよ」「信じられる友だちには何も聞かなくてもいいんだ」

たぶん持っていられると困る秘密を持った人物と、物語の主人公がなんらかの接点を持っていて、そのことについて尋問されたシーンだったと記憶している。それで、大切な核心について聞かれた主人公が知らない、と返したあとに続くセリフがこれだった。

それを読んだ幼い頃のぼくは、なるほどなあ、そうだよなあ、と深く感心した。どれぐらい深いかというとそれから45年以上経つのにまだ覚えているからだ。


どんなときに思い出すか。

初対面の人と話すときである。

しかもお酒の場だと顕著に思い出す。

なぜか。

ぼくは相手の人のことをかなり根掘り葉掘り聞くからである。しかも仕事について。サシで飲んでいると特に。

いわく
その仕事はどのようなものであるか
なにがやりがいでなにが厳しいところか
何年やっているのか
醍醐味は何か(やりがいとはまた異なる)
どんな性格が向いているのか
なぜその仕事に就いたのか
etc etc…

ぼくのこの質問攻めでたいていのひとはちょっとひく。そのことがわかってから少し控えるようになったので最近はずいぶんマシになった。

しかし、同じ人と2度、3度と会うことになるとじわじわとぼくは質問マンになっていく。

なぜぼくはこんなに誰かの職業について興味関心があるのか。

その答えは簡単だ。


単なる職業病である。

一人でも多くの人の仕事に関する考え、姿勢、思い、言葉を集めることでぼくの中でのその仕事に対する解像度が上がる。

それはつまり採用や働くことに関するコミュニケーションを生業としているぼくにとっては、まさに最高の財産となるのだ。

これからぼくと初対面でお酒を飲む可能性がある人にはあらかじめあやまっておきたい。たぶん、おそらく、きっと、しつこく仕事について質問しますごめんなさい。

そして、できればあなたの仕事を魅力たっぷりに、思わずぼくもやってみたくなるように語ってもらえるとうれしいです。

ぼくは自分の仕事が好きな人のことが好きです。

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