世の中はパーティーで、親は子供をこの世に招いた「ホスト」という考え方
我が家、というかぼくの育児方針の一つに「習い事は本人意思によるものとする」というのがある。
僕自身、英会話、ピアノ、野球、空手といろいろ「させられた」が、どれひとつ楽しくなかったし、振り返ってみて「やっておいてよかったな」と思えるものは一つもない。
というわけで、娘には親の意向でも無理やり何を習わせるということは一切せずに、娘自身が「やりたい」と興味を示したものだけに絞っている。
今のところこんな感じの育児方針だが、日々いろいろな情報をあつめたり、見聞きして、良いなと思うやり方は取り込んで行きたいと考えている。
ちなみに、最近良い言葉、良い発想だなあとおもったのが、ZOZOコミュニケーションデザイン室の室長、田端信太郎氏のこのツイート。
世の中はパーティーで、親は子供をこの世に招いた「ホスト」という考え方。
子供をお客様と考えると、接し方にもまたいろいろな選択肢が増える。ホストとして、娘にはとことんこの世を味わってもらいたいし、そのためにサバイブしていくスキルも身に着けさせたいとおもう。
今日は、最後に個人的に好きな話を紹介。
世の中には数多の父親と娘という関係があるとおもうが、この話を読むたびに、こんな思い出を作れたらなあおもう。
出典はこの本。
これはシンシアという女性とその父親の話。
シンシアが12歳のとき、父親が講演会を行うために、サンフランシスコへ出張にいくというので、一緒についていった。シンシアはその出張の夜、父親との「完璧なデート」を計画していた。
父親の講演を最後の1時間だけ聞き、4時半に控え室で落ち合う
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誰にもつかまらないうちに会場を出て、ケーブルカーでチャイナタウンへ向かう
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二人の大好物である中華料理を食べて、おみやげを買い、しばらく観光したあと映画をみて、それからタクシーをつかまえてホテルに戻る
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その後、プールでひと泳ぎ
(父親は営業時間外のプールに忍び込むのが好きだった)
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ルームサービスで生クリームたっぷりのホットファッジサンデーを頼む
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気がすむまで深夜のテレビを堪能する
シンシアと父親は、このワクワクするプランを何度も念入りに話し合った。
ところが当日、講演会場を出ようとしたとき、父親の学生時代からの友人と遭遇した。会うのは数年ぶりということで、その再会を興奮して喜んでいた。父親の友人はこう言った。「どうだい、これから埠頭でディナーをしないか?もちろん、シンシアも一緒にね」父親はそれを聞くと、勢いよく「それはいいね。埠頭でディナーとは、最高だろうな!」といった。
シンシアは意気消沈した。せっかく作り込んで楽しみにしていた父親とのデートはこれでおじゃんだ。
だがそのとき、父親はこうつづけた。
「でも今夜は駄目なんだ。シンシアと特別なデートの約束をしているものでね。そうだろう?」父親はシンシアにウインクし、そっと手をとって歩き出した。会場をあとにした二人は、サンフランシスコで一生忘れられない夜を過ごした。
なお、このシンシアの父親はというのは『7つの習慣』で有名なスティーブン・コヴィーだ。
コヴィー氏が亡くなったあと、シンシアはこう言っている。
「この出来事のおかげで、父とのあいだには永遠に切れない絆が生まれました。私がもっとも大切な存在だと示してくれたからです」
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