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「幸せ」は、冷蔵庫の残り物で作る料理のようなもの

ぼくは、ドキュメント番組が大好きでよく見るのだが、この「ドキュメント番組」というやつは大きく2種類に分けることができる。

一つは著名人や、いわゆる成功者(時の人)をテーマにして、その人のリアルな生活や価値観を垣間見ることができるタイプ。

 NHK「プロフェッショナル」
TBS「情熱大陸」

 などがそれに当たる。

もうひとつは、市井の人々の生活に密着し、人はみんなそれぞれ自分なりの「幸せ」ってものがあるんだよということを教えてくれるタイプ。

NHK「ドキュメント72時間」
テレビ東京「家、ついて行ってイイですか?」

僕自身、若い頃は前者のいわゆるサクセスストーリーが大好きで、いつか自分もあんな風になりたいなと刺激を受けていた。しかし、40歳半ば頃からはそういうタイプの番組を観ていても、頻繁に早送りするようになった。

ちょうどそのぐらいから、職場でも自分の力の限界を感じ始めた頃だから、きっと
「成功」という軸で企画された番組を見るのがつらくなったのだと思う。

入れ替わるように、ぼくは「家、ついて行ってイイですか?」や「ドキュメント72時間」などのスローな感じの番組を好むようになっていった。

これらの番組に出てくる人たちが、とびきりに笑顔で、自分の好きなこと、ハマっていることを話す姿がとても心地よい。

みんな自分の手の届く範囲にあるものに、楽しみを見出し、幸せを感じているのだ。

まさしく、谷川俊太郎氏のこの言葉だ。

この社会には「人並みの幸せ」なんてものは無く、「私の幸せ」以外にはあり得ない

「幸せについて」/谷川俊太郎

「家、ついて行ってイイですか?」は「幸せ」は他人との比較してどうこうではなく、自分がそれを「幸せ」と感じるのであれば、「幸せ」なのである、ということを教えてくれるのだ。

そういえば、「幸せ」の定義といえば、この秋元康氏の言葉が大好きです。

幸せは、冷蔵庫の残り物で作る料理だと思うんですよ。
(中略)
残り物で『お好み焼きもどきは作れるね』とか、作れるものを考えたらすごく幸せだと思うんですよね

 秋元康

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