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親の年収を子供に教えるべきか?

娘がピアノを習い始めてもう3年が経つのだが、最近練習をおろそかにしたり、「嫌だ、面倒だ」という言葉を口にするようになってきた。

そこで、ぼくは「楽しいとおもえないなら、無理にやることはない。そういう状況ならお金を払う価値がない。先生を変えるか、やめるか、考えよう」と伝えている。

小学校低学年の子供に「お金」やら「価値」という言葉の意味がわかるかどうかさておき、ぼくはきちんと「お金」の教育をしていこうと考えている。

世の中で、これだけ毎日「お金」に関するテーマが話され、生きていく上で欠かせないものなのに、どうして学校の授業や家庭で「お金」」についてきちんと教育をしていくフローがないのだろうかとおもう。

もし、ご自宅でお子さんへの「お金の教育」について悩んでいるなら、本書を読むことをおすすめする。文字通り、経済評論家の森永卓郎(父)と森永康平(息子)が問答する形で進んでいく構成になっており、非常に読みやすい。

まず、大前提として、親の経済状況は隠そうとしても、見抜かれている!ということは自覚したほうがよい。

親が気を付けなくてはいけないのは、子どもの、雰囲気から状況を察知する能力の高さだ。この点を甘く見積もっている親が多いように見受けられる。子どもは想像以上に親の言動や雰囲気をみながら、親の経済的状況を見抜いていることが多い。

ちなみに、我が家の両親は自分たちの年収を教えてくれなかったが、「お金のことは心配するな」と言ってくれていたので、なんとなくそれなりにお金持ちなんだろうなと安心していたし、普段の生活から余裕があることは確信できた。

たとえば、、、

・姉、僕と私立の高校、大学に活かせてもらっている
・母は専業主婦、習い事をして悠々自適
・車はだいたい2年おきぐらいに新車を購入していた
・途中から外車にBMWになった
・2回引っ越し、持ち家を3回建てた
・父は中小企業ながら、役員だった
・食事で使う牛肉はいつもいいやつだった


こういう自分家の環境と学校の友人などの状況を比較するだけでも、我が家はそれなりに裕福なんだなということは認識できた。

このようにして、子供は勝手に友人たちや周囲と自分家の経済レベル比較し、把握していくものだから、わざわざ具体的な年収を言わなくてもよいと言う見方は腹落ちした。

なので、下手に隠したりお茶を濁したりして、お金に対してネガティブな印象を与えてしまうより、現実を伝えていくべきなのだとおもう。

ここで著者が進めるのは、生活で発生する個々のコストを都度おしえてくやり方だ。

住んでいる家が賃貸であれば毎月払う家賃、電気代や水道代、携帯の通信費やインターネットにかかる費用など、毎月の固定費を項目ごとに教えてあげると、いずれ子どもが一個人暮らしをする際に、いま親から与えられている生活環境を真似しようとすると、どれぐらいの費用が掛かり、そこから、どれぐらい稼げばいいのかを逆算できるようになる。

また、通っている学校の学費や、学習塾や習い事の月謝の額も教えてあげるといいだろう。そして、買い物や外食の際も会計の場には極力立ち会わせるのもよいと考えている。

全てではないにせよ、毎月発生する費用の金額がそれぞれ分かっていれば、ザックリと合計しただけでも家計における毎月のなんとなくの固定費は分かるし、変動費も分かる。それを支払ったうえで、どれぐらいの余裕があるのかを子どもは雰囲気で察知できるので、そこから親の月収、ひいては年収もなんとなくは予想できる。

この「コスト意識」をそのタイミング毎に教えていくというのはとてもよいやり方だと思い、我が家でも早速真似している。

では、ここから父の卓郎氏の見解をご紹介しよう。「子どもをなめるな!」とこんなことを書いています。

子どもは本質を見抜いている

大人が子どもに何かを教えようとするとき、多くの場合は子どもにはこれは難しい、子どもにこれを教えるのはまだ早いと、勝手に制限を設けてしまう。

特に大人が勝手に制限を設けてしまう分野の1つが、やはりお金の話だ。しかし、実際には子どもはかなり幼い頃から、親をはじめとする大人気の世界を眺めながら、いろいろと理解している。

語量力が足りない分、うまく説明ができないだけで、本質的な部分は感覚的には十分に理解していると考えてよいだろう。
子どもは放っておいても何事も勝手に学んでいく訳だが、1つ気を付けなければいけないことがある。

それは、子どもは周りの環境の中で学んでいくということだ。

つまり、誤った知識を教えたり、偏った知識が刷り込まれたりするような環境においてしまうと、せっかく自然に学んでいっても、結果として正しい知識を持たずに育ってしまう。そうであれば、しっかりと親がある程度は正しい知識を身に付けられるように多少は手伝いをしてあげるべきだろう。

いわゆる「教育」全般について、上記の考え方に異論を唱えるひとはいないと思うのだが、なぜか「お金の教育」」になると、別物と考えてしまう家庭が多いのではないだろうか。

ぼくは、「お金」についても他の知識と同じように扱って、教えていきたいとおもっている。

そして、本書の結論としては、お金の教育で最も理想なのは、親自身が子供に伝えたいお金の使い方を見せることだと書かれている。

子供は親の「言葉」ではなく「行動」をみて、真似る。だから、まずは親がお手本になるようなお金の使い方をする。これはお金に限らず、教育全般における黄金律でありますね。

働いてお金を稼いでいること。 そのお金で家族を養っていること。また、そのお金を自分の好きなことにも使っていること。全てをそのまま子どもに話す。そして、お金を使って楽しそうにしている自分も見せる。そのことこそが、最高の金融教育になるだろう。

今日もありがとうございました。

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