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ギリシャ旅行記05〜島に逃げたい女達の逃避行〜

【第4話はこちら↓】


サント・ワイン

海を眺めながらホテルのある街へ帰ろうかと、バス停を探していた。バス停らしきものは、2箇所あるものの何も書かれていない…。これは帰れないフラグではないか。しかも、わかっているのは始発地の発車時間のみなので、とにかく待つしかない。道路の周りをウロウロとしていると、近くに同じくウロウロしているおば様を発見した。

そのおば様はギリシャ人のようで英語が少ししか話せない様子だが、困ったもの同士は言葉がなくても分かり合えるものだ。どうやらおば様も同じ街行きのバスを待っているらしい。少しふくよかで40代くらい、鼻の高いヨーロッパ系の顔つきの女性だ。

どこで待てばいいのかわからない仲間が1人増えた。その後に10代くらいの女の子が近くに歩いてきた。何かを待っている様子だったので、私たちは同じくバスを待つ同士かと思い、やっぱりここで待っていれば良いのかと少し安心した。それもつかの間、すぐ後にバイクに乗った男性がサッと現れ、その女の子を乗せて去っていった…。

「くっ…」と何とも言えない感情に襲われたが、これを口に出すのも癪に障るので、「私たちも乗せていけや」と心の中で叫んだ。

3人でバスを待ち続けて30分ほどたった頃に、遠くから走ってくるバスを発見し、3人で手を振った!そしてバスの運転手も満面の笑みで手を振りかえす!


そして、バスは通り過ぎていった・・・。


って、ちがあぁぁぁぁぁうっ!


まさかの目の前でバスが通り過ぎていった。
なぜ・・・?永遠の謎だ。

3人で戸惑いながらもタクシーを拾った。タクシーにはメーターが無いので運転手の言い値でお金を払うようだ。バス停で出会ったおば様は地元の人ではないらしいが、おば様の説明のおかげでタクシーも安く乗ることができた。この出会いに感謝しつつ、無事に元の街へと帰ってきた。

つづく

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