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【詩】弾道ミサイルの夜に
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弾道ミサイルの夜に
騒がしい沈黙を
無数の神々ががなりたてている
進化という退化がはじまって
嘘にならない嘘がはびこっている
あてもなく浮遊する言霊が朝から晩まで漂い
眠れない時間の不安指数に歯止めがかからない そして
電力不足のネオンが肋骨のように仄白く発光している午前零時
螺鈿色の月が出ている夜空を鋼鉄の飛翔体が横ぎっていく
という予報が出れば おそらくぼくはぼくにもどり
そばにいる君の耳たぶを
愛おしくかみしめて
いるはずだ
10月4日、午前7時22分北朝鮮から弾道ミサイルが発射された。
東北上空を通過したのは22分後の44分だった。その日は敵基地攻撃能力が抑止になるなどと騒ぎ立てる政治家や専門家もどきの人が多くあらわれて、賑やかな日になった。だけど、今後、日本に着弾するか、しないのか、本当のところは誰にも分からない。
その夜、空を見上げて思ったのは、自分の所に着弾したらそのとき自分はいなくなるということだった。
警戒も避難もできはしない。それなら、ぼくはそのときなにをするだろう。
なにか、自分のたいせつなもの、妻でも、恋人でも、愛人でも、娘でも、猫でも・・・そのときのいちばんたいせなものと一緒にいられたらいい。それが答えだった。
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