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伝統産業のSDGs

箔一では、私たちの日々の活動についてまとめた「ブランドブック」を定期的に発行しています。先日、2022年版が完成しましたが、この中でSDGsの取り組みについてページを設けたところ、いくつかの好意的な反応をいただきました。

こうした取り組みは、大切なことと思っています。ただし、私とするとSDGsについて特別な思いがあるわけではありません。というのも、それはずっと昔から当たり前のことだったからです。

伝統産業は、ものづくりに手間がかかります。ですから、長く大切に使うことはあたりまえで、修繕もまたその文化の一つとなっています。また、箔は大変に貴重なものですから、端材も含めて捨てずに使うということも、創業以来肝に銘じてきたことです。そして、この地域に根付いてきた伝統技術を次世代へ受け継ぐことを考えて、海外移転などせず、日本国内、それも金沢市内で作ることにもこだわってきました。同時に、地域の子供たちへの教育にも、力を入れてきています。

こういった活動は、SDGsの言葉に置き換えれば「サステナブル」や「作る責任」「住みよい地域づくり」などとなるのでしょう。ですが、それらを特別なこととは思っていません。ずっと前から当たり前にやってきたことですから。

伝統産業の技術というものは、今ほど便利でなく、大量に物を作ることができない時代に、人々が生み出してきた暮らしを豊かにする知恵ともいえます。SDGsが、こうした日本のものづくりの価値を見直すきっかけにもなれば、良いと思っています。


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