見出し画像

【美術展ニュース】北斎が描いた“鳥”が大集合! @すみだ北斎美術館

東京墨田区にある「すみだ北斎美術館」では、まだ先の話ですが、3月14日から5月21日までの期間で企画展「北斎バードパーク」を開催します。

北斎をはじめ北斎一門が描いた様々な鳥や、鳥の意匠が観られるということです。

すみだ北斎美術館の企画展『北斎バードパーク』のポスターデザイン
個人的にはアルフォンス・ミュシャのようなおしゃれなデザインだなと思いました
このポスターが欲しい!
文晁と辛夷こぶしの花ですね
辛夷こぶしは知りませんが、花が非常に似ている白木蓮は3月頃に咲くので、企画展の会期にぴったりな花かもしれません
もず小薊こあざみ
モズは、「鵙」「百舌鳥」「百寿」など、いろんな漢字がありますね。それだけ身近な鳥だったのでしょう。小薊こあざみは……あざみは東京の空き地でも見かけますが、“小”が付くと、やっぱり背なのか花の大きさなのかが小さいのでしょうかね。季節は夏のイメージがあります
いかると記されていますが……斑鳩などを連想しますが、本当の鳥の名前だったとは知りませんでした。
白粉花おしろいばなは、とてもメジャーな様々な花色が特徴の花ですね。小さい頃には種を下に引っ張って、パラシュートのようにして投げて遊んでいました。夏から秋冬……けっこう長い期間咲く花です
またもずが出てきました。もう一羽(左側)は翠雀るりという鳥のようです。名前のとおり瑠璃るり色の羽根が見えています
対して植物は蛇苺へびいちごです。鳥たちが食べているのを観たことがないのですが…。それに虎耳草ゆきのしたも描かれているようですが、どれなのか分かりません。きれいな白い花を咲かせる雪の下とは別の草花なのでしょうか?
『月に杜鵑』。杜鵑は「とけん」とも「ほととぎす」とも読むそうです。難読漢字ですね。
ちなみにホトトギスも様々な漢字が当てられます。一例だと郭公、杜鵑、時鳥、杜宇、蜀魂、田鵑、子規など……。それだけ古くから愛されてきた鳥なのでしょう
こちらはお馴染みの『北斎漫画』から、鳥のページです

そしてプレスリリースは「北斎が本物の鳥を制作の演出に使用した『竜田川に紅葉の図』のエピソードをご紹介します」という文章で締めくくられているのですが……これを読んで、楽しみです! となるほどに北斎のことを知らないんですよね……。

ということで、どういうことかと言えば、Wikipediaに下記のような逸話が記されていました。葛飾北斎の有名エピソードの一つなのだそうです。

11代将軍徳川家斉は北斎の画力を聞きつけ、鷹狩の帰りに滞在した浅草伝法院に北斎他を呼び画を描かせた。1人目谷文晁がまともな絵を書き、2人目に北斎が御前に進み出たが恐れる気色なく、まず普通に山水花鳥を描いた。次に長くつないだ紙を横にして刷毛で藍色を引いた。そして持参した籠からだした鶏の足に朱を塗って紙の上に放ち、鶏がつけた赤い足跡を紅葉に見立て、「竜田川でございます」と言って拝礼して退出した。一同はこの斬新な趣向に驚嘆した

Wikipediaより

なおこの話は、明治期の浮世絵研究者で美術史家の飯島虚心の『葛飾北斎伝』に書かれているそうです。どこまで実際の話しなのかは不明。ただ、この話によって、葛飾北斎(1760〜1849)と谷文晁ぶんちょう(1763〜1841)が同時代の人で……生まれが近いし、葛飾北斎が今の墨田区あたりを転々としていたのに対して、谷文晁ぶんちょうは台東区に居たのですから、この話が嘘だったとしても、実際に2人が会っていてもおかしくないなぁと気づかせてくれるすばらしい逸話ですね。

そのほか、12月からは正月にふさわしい、北斎の肉筆が『新年風俗図(初夢・朝化粧)』の複製が展示されているそうです。こちらはアメリカのフリーア美術館に所蔵されている作品を、高精細複製したものです。

ちなみにフリーア美術館のホームページでは、ものすごい超解像度のデータが無料かつ著作権フリーで公開されています。1つの画像が数百万MBという超絶解像度を誇ります。絵の細部まで観たいという方には、そちらをおすすめしますし、雰囲気を楽しみたい人には、複製のあるすみだ北斎美術館に足を運んでみると良いでしょうね。

「新年風俗図(初夢・朝化粧)」フリーア美術館蔵(画像は同館より)

というか、同館では12月15日〜2月26日までの期間で企画展『北斎かける百人一首』を開催しています。むしろこちらの方が観たいような……。

企画展『北斎かける百人一首』パンフレット(表)
企画展『北斎かける百人一首』パンフレット(裏)

ということで、また「すみだ北斎美術館」へ行ってみたくなりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?