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わたしが東京国立博物館へ通うようになったキッカケ〜新型コ○ナと上野公園〜

博物館へ通うようになって数年が経ちます。

もともと父の実家が東京国立博物館トーハクの徒歩圏内にあったのと、父も私も歴史が好きだったこともあり、小学生の頃から、家族で祖父母の家に行くと、一人か、または父と二人でトーハクへ行くことがありました。

それが高校生になった頃からか、祖父母の家へ行くことも少なくなり、トーハクへも足が遠のいた気がします。そして、歳を重ねるごとにトーハクの存在を忘れていきました。

■再びトーハクへ……の前に、カハクへ

再びトーハクの存在を思い出したのは、息子が生まれたからです。もともと結婚してから東京都の台東区の陋屋に居を定めたこともあり、トーハクは、歩いてでも無理なく行ける距離にあります。それで、息子が2歳くらいの頃に、初めて国立科学博物館カハクへ連れて行ったんです。

ちょうど息子が恐竜に興味を持ち始めた頃で、カハクの地下一階にある恐竜コーナーへ行くと、かなり興奮して喜んでいました。そのほか、360度シアターもお気に入りで、当時はゼロ戦も展示されていました。

数年前までカハクに展示されていたゼロ戦

育児休暇を取っていた妻にとっても、カハクはちょうど良い暇つぶし場所だったようです。家から自転車で、ゆっくり行っても20分はかからない場所です。ベンチとテーブルのある広い屋上があって、弁当を持って平日に通っていたようです。カハクの屋上は、晴れていると気持ちいいんですよね。

わたしはといえば、たまの休日に、家族と一緒にカハクへ行く程度でしたが、そこで、博物館の楽しさに目覚めたとも言えます。特に好きなのは、ビックバンから今日までの138億年を、10分のアニメーションで表現した「地球史ナビゲーター」の部屋。

カハクの「地球史ナビゲーター」の部屋

この部屋の映像企画や演出などを担当した坂井治さんが執筆した、『13800000000ねん きみのたび』という本があるのですが、とてもおすすめで、おそらく意味なんて分からなかっただろう息子にも、何度も読み聞かせました。この本は、アナウンサーの桝太一さんの、読み聞かせ動画がYouTubeにアップされています。

■新型コ○ナ禍の上野の山上野公園

そうこうしているうちに、新型コ○ナが流行り始めました。カハクはもちろん、同じく子供を連れて行っていた上野動物園を含む、上野の山に散らばる各施設は臨時休業となりました。いつも大勢の人がいる噴水前の広場も、だーれもいなくなったんです。

2011年3月11日の東日本大震災の直後も、上野の山はガラガラになりましたが、今回の新型コロナでは、それ以上に人がいなくなりました。

2020年4月の上野公園。遠くに見えるのが東京国立博物館トーハク

これ幸いと妻はママ友と連れ立って、弁当を持参して上野公園へ、これまで以上に行くようになりました。なぜかって言うと、近所で幼児を走り回らせておける場所って、このあたりには少ないんですよね。それがパンデミック禍の上野公園は、最適な場所となりました。本当に驚くほど人が減り、噴水前の広場で遊ばせておけば、子供たちを見失う心配はありません。

本当はダメなのですが、広場で息子とサッカーやボール投げをすることもたびたびでした。公園の警備員さんが近寄って来て、ヤバい…注意されるな、と思っても「本当はダメなんですけどね。あまりボールを遠くへ飛ばさないようにだけ、お願いします」と、声をかけられる程度でした(やさしいぃ)。

2020年の上野公園。満開が近い桜……だけれど立ち入れないという……

当時は、わたしからすると本当に異常に感じました(個人の見解です)。テレビなどでは「不要不急の外出を控えるように!」と、どのテレビ局も連呼していました。それは良いのですが……多くの大人が「子供を外で遊ばせるのは、不要不急でしょう」と思っているかのように(誘導するような)報道がされ、児童公園のジャングルジムやブランコなどの遊具にはテープが巻き付けられて、使用を禁止されていました。ニュースからは「子供が公園で遊んでいるのはけしからん!」という声が聞こえてきました。

近所の児童公園の滑り台には「使用禁止」のテープがまかれ……

そう考える人がいるのも、あの当時は仕方ないとは思います。同時に(慣れない)子育て真っ最中の幼児がいる家庭では……「子供を外で遊ばせるのは、要だし急だよ」と思っている人も多かったでしょう。

そんな時に、ほとんど人が通らなくなった、広い広い上野公園は、本当に安心して子供を遊ばせられる空間でした。

■ついに国立科学博物館カハクが再開! そして……

それでもしばらくすると、閉館していた国立科学博物館カハクが、予約すれば入れるようになりました。今も予約制が続いていて、なかなか週末に、当日予約して入館することが難しいですよね。でも再開した当初は、まだ人もまばらで、予約もガラガラですぐに入れたんですよね。

その時に見たのが、トーハクとカハク、それに国立近現代建築資料館の3館の共同で開催されていた、企画展「日本のたてもの 〜自然素材を生かす伝統の技と知恵」でした。

3つの博物館の共同開催。特にカハクの隣にあるトーハクへは、久しぶりに行ってみたいと思っていたこともあり、たしかカハクへ行った翌日に訪ねました。

久しぶりに見たトーハクは、とても魅力的に感じました。展示されているものの多くが重要文化財。ちらほら国宝もあります。しかも新型コ◯ナ禍ということで、休日でも人はまばらで、ゆっくりのんびりと見て回れます。「今まで、近くまで来ていたのに、なんで来なかったんだろう」って思ったほどです。

2021年12月。展示室はまだガラガラで、わたしと監視員の2人だけ…ということも多かったです

それからは平日を含めて、しばしば訪ねるようになりました。行くたびに、どこかの部屋が展示替えされているので、飽きることが(今のところ)ありません。最近、人が増えてしまっているのが、少し残念ですが……まだまだわたしのトーハクブームは続きそうです。

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