詩 明日は見ない
ぽっかり胸に空いた穴
開いたままで閉じられない
その暗い穴の中へ
すべての光を吸いこんで
ひとりで孤独と向かい合う
その凶暴な寂しさに
僕は食べられてしまいそう
逃げ出そうと、飛び出ても
どこにも行く当てなどなくて
すがる誰かも僕にはいなくて
目が合う人は、目を逸らす
*
顔を覆って、目を瞑る
ギュッと瞼を瞑らせる
瞑らないと、弾けそうだ
靴の中でこわばる指たち
ギュッと僕は握りしめる
握らないと、落ちそうだ
そして、動悸が早くなり
胸の痛みにうずくまる
真っ黒にうずくまった僕
それでも消えることもできず
目を開けて、呼吸をととのえて
今だけを
今だけを
今だけを
今日だけを生きて
明日は見ない