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詩 夏の日

梅雨の間に
すっかり遠のいた
散歩道

梅雨の晴れ間に
訪ねてみた

先に訪ねたときは
ナヨクサフジが
あふれてたのに

今、目のまえは
ムラサキツメクサが
あふれている

山門前にあるベンチから
少し離れたお寺を覗くと

鉢植えの大きな蓮の
葉っぱたちが

山門の開いた口に
葉を向けて

切り取られた写真
のように映えていた

寺の庭履くホウキの音

虫の声の重なりに
時折響く鳥の声

それらが耳に心地よい

ベンチを振りかえると
川を挟んだその先に
森が広がり青葉が繁る

時折吹く風に森が揺れ
青葉が一枝揺れている

僕はジットリ汗をかき
太陽の熱に焼かれて
動けない

鬱鬱とした僕の影を
太陽でスッカリ
焼いてしまいたくて

甲羅干しの亀のように
干されていた

明日はきっと焼いた煤が
夏の風に吹き飛ばされて

梅雨の雨が流してくれる

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