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箱根暮らしのススメ その2

2018年6月発行
「まいにち箱根暮らし。」Vol.02に掲載したコラムを
Web用に加筆修正して掲載しています。


箱根暮らしのススメ その2

ちょっと変わった夫婦の箱根移住ものがたり。


2016年11月、1組の夫婦が小田原から箱根へ移住してきた。

初めての箱根旅行で箱根に魅了されてから4年。
箱根のお膝元、生活するにも箱根を散策するにも便利な
小田原に引越ししてから約2年。

最後は勢いに後押しされた感じではあるが、
ついに中古のリゾートマンションの購入に踏み切り、
念願の箱根暮らしをスタートさせた。


小田原市から隣の箱根町へ。
たったそれだけの事なのに、やはり箱根の「住」の問題が立ち塞がる。
本来はまずは賃貸で箱根暮らしをスタートしたかったのだが、
前回も書いた通り箱根には賃貸物件が本当に少ない。

仕方なく箱根町内に無数にある、
移住可能な中古のリゾートマ ンションへと選択肢を移していった。 

普段からインターネットで物件を探していたが、
一度不動産屋に足を運んで相談したことがある。

「まだ先のことだけど、いつか箱根に住みたいと思っていて」

金銭的な部分も含めて準備が整っておらず、
移住はまだまだ先になると思っていたのでかなり曖昧に。
そのせいもあり、 相談した担当者から箱根で暮らすことの不便さを力説され、
「暮らすなら小田原の方がいいですよ」とまで言われてしまった。

当時は「なんて売る気のない営業だ」と思ったが、
今にして思えば、箱根の良さばかりアピールして買わせておいて
住んでから後悔しないように、という配慮だったのだろう。


結局その半年後にリゾートマンションを購入しての移住を決意し、
目星を付けていた物件を見たいと同じ不動産屋へ。

前回のように「いつか箱根に住みたい」ではなく
「箱根に引っ越すことに決めました!」と内覧を申し込んだ。

その際に「同じような条件でこんな物件がありますよ」と
紹介してもらった物件の1つに、最終的に落ち着くことになる。

リゾートマンションらしく箱根の自然を見渡せるように広く開かれた窓。
目の前には紅葉を控えた鷹巣山、
窓際に座れば宮ノ下へと続く箱根外輪山や双子山を見渡せるロケーション。

大きな窓からはしっかりと光が入っており、
フードフォトグラファーとして活動している嫁が希望する
「自然光」の条件もバッチリ。

3つ物件を内覧して、ほぼ一目惚れに近い形で即決してしまった。
決まる時にはあっという間だ。 

場所は先日惜しまれながらも閉館した
箱根ホテル小涌園からほど近い小涌谷エリア。

小田原・ 箱根湯本から芦ノ湖を結ぶ路線のバス停や
最寄りのコンビニまで徒歩5分。
小涌谷駅まで徒歩15分と、
箱根の中ではかなり便利なエリアだ。 

引越ししてきた当初は車を持っていなかったが、
ネット通販や生協などを併用してそれなりに暮らすことはできた。
さすがに半年後に中古車を購入したけど。

周辺で大きな観光施設となるユネッサンや
彫刻の森美術館からは少し離れており、
観光客で溢れるようなこともない比較的閑静なエリア。 

周辺は緑に囲まれ、
ツツジや紅葉の名所として知られる蓬莱園まで徒歩10分、
ハイキングコー スの入り口でもある千条の滝まで徒歩15分。

箱根の自然を満喫できる散歩コースにも事欠かない。

バス停や駅も近いので、都内での打ち合わせにもそれなりに対応ができ、
箱根の中でも自然と利便性の調和が取れている。
町内各エリアへのアクセスも良い。


そんなわけで一目惚れで購入を決めたリゾートマンション。
すぐに契約の手続きに移り、さらに引越しの準備。
とにかく1日でも早く箱根へ引越しができるよう、準備を進めた。

11月の紅葉シーズン真っ只中での引越し。
渋滞に関してはしっかり考慮して、業者とも綿密に打ち合わせ。
大渋滞の中ほぼ予定通りに作業が進んだ。

そして引越ししてきてから1週間後、 箱根でも非常に珍しい11月の積雪。
箱根町内の交通は完全に麻痺してしまった。

珍しい「紅葉と雪のコラボ写真」なんてのも思う存分撮影できたが、
引越しが 1週間ずれていたらと思うとゾッとしてしまう。
さすがに11月に積雪の心配はしていなかった。 

そしてもう一つ見落としていたのが宅配便の時間指定。
夜間指定していた荷物が届かないなー、と思っていたら。
21時頃に
「今仙石原にいて...、 23時頃になりそうですが伺ってもよろしいですか...?」

なるほど。確かにあの大渋滞の中の配達、
時間通りにはいかないよね、と苦笑い。


こうして始まった念願の箱根暮らし。

それを機に夫婦それぞれにやりたかった活動を本格化させていくことになる。
箱根に移住する前から、写真共有SNS「インスタグラム」で
箱根情報を写真付きで紹介する「@hakone_style」という
アカウントを運営していたが、
箱根への移住を機に「@hakone_pachiri」という、
みんなの箱根の写真を紹介していく専用アカウントを開設した。 

箱根の写真を募集している「#hakone_pachiri」というハッシュタグには、
ここまでの1年半で7000枚以上の写真が集まっている。

 大きな窓から潤沢な自然光を取り入れる明るいリビングを手に入れたことで、
嫁もフードフォトグラファーとしての活動を本格化させていった。

都内での打ち合わせなども、
近いとは言えないがなんとか対応ができる。

インターネット中心ではあるが、
箱根に引っ越してきた変わり者夫婦として徐々に知り合いも増えていき、
活動の輪を広げていったのだった。


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