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ファミコン『影の伝説』自分をゲームクリエイターに導いてくれた100のゲームたち #1
ゲームを遊んで当時感じたことや、その後のゲーム作りや考え方に役立ったことをマガジンとして書いていこうと思います。
タイトー『影の伝説』(FC)
ゲームというものがまだ意識の中になかったころ、私は重めの小児喘息で幼稚園にもあまり通えないほど体が弱く、基本寝ているか絵を描いて過ごしていました。
見かねた父親が友人からもらってきた、あずき色とクリーム色の夢のマシン…。そう、ファミリーコンピュータが我が家にやってきました。そして、一緒にもらってきてくれた『影の伝説』が私の初めてのゲーム体験です。
ルールも操作もわからず、忍者ゲームとすら気づかない状態。何か棒(刀)を振り回してキラキラしたもの(手裏剣)を投げるゲームという認識でした。死のうがクリアしようが何をしても面白い!もうゲームというよりインタラクティブソフト。
目まぐるしく変わる風景、何かすごいことが起きる巻物、火を吐く虚無僧など、寝たきりの私にはセンセーショナルなシーンのみで構成された夢の体験です。私は、一気にファミコンの魔力に憑りつかれました。
そんな「影の伝説」を雰囲気ゲームとして味わう日々も、小学校低学年へ成長することで挑むべき課題として対峙することになります。
「あれ?これって忍者のゲームで、姫を助けるのが目的なのでは…!?」
「このパッケージのケツアゴ+モミアゲって、もしかして主人公!?」
ここまでに2年かかりました。子供の頃ってそんなもんですよね。
そこから日々の修業が始まります。私は学校から帰るやいなや、とにかく「影の伝説」クリアに奮闘。
改めて感じたのはその跳躍力!一回のジャンプで身長の優に8倍近いジャンプで木々を駆けるさまはまさに忍者のそれでした。そして、逆手に構えた刀を振り回し、敵を切り刻み、手裏剣を八方に打ちこみます。
もちろん、友人の間でも「影の伝説」ごっこははやりました。高いところから一気にジャンプし、木の枝を逆手で振り回し狭い町内を駆け巡ります。
そんな公私ともに伊賀忍者”影”となりクリアを目指す日々。繰り返すステージ、ピーチ姫も真っ青の学習能力のない霧姫(何周も連れ去られる)、ファミコン名物即死主人公…。鬼の難易度に、何度もあきらめかけました。
印象的だったのは、何をしても倒せない虚無僧。背景だと思っていた蝶が弱点だと知ったとき「これが、ゲームなのか…」と、童心ながらに理不尽を学び取りました。
なんだかんだで全ステージクリアするころには「影の伝説」ごっこも落ち着き、忍者を引退したみんなは別のゲームごっこに興じていました。
思えば、体の弱い私が伊賀忍者”影”としてリアルな世界を駆け巡れたのも、このゲームのおかげなのではと思います。
狭い町内で蝶を見るたび、忍者だった頃を思い出します。
【はこ森】
最後まで読んでいただきありがとうございます!ゲームという存在を、プレイするだけでなく感動の共有が出来るツールとして盛り上げていきたいですね。スキ、フォローなど大変励みになります。また、読んでいただければ幸いです!