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「性暴力を許さない空気」が欲しい。「自称精神科医、燃ゆ」を蒸し返す

「許さない」と「許せない」の違い

女性たちは「性暴力を許さない!」で一致している。

けれど、男性の多くは「性犯罪は許せない」と自分の意思表明に留まる。
性加害をする男性を許せないとは言いつつ、許さないための何かをしようとはしない。

「許せない」は起きてから憤るだけの行為だ。
「許さない」は起きる前からの行動だ。

男性たちにお願いをしてみる

男性たちにお願いなのです。
女性だけで性暴力から身を守ることはできません。
女性の力だけでは立ち向かうことが不可能なほどの狂った輩です。
それも、その狂った輩は、善人として社会に溶け込んですらいます。
すべての男性が性加害者ではない。
そう言うだけで何もしないで見て見ぬふりの男性たちの、どこを見て加害しないから無害と思えばいいのですか?

女性には守る価値もない。
対等が欲しいなら自分の身は自分で守れ。

それは本当の対等ですか?
男性は困っているときに助けを乞うことはしないのですか?
犯罪を未然に防ぐ協力もしないことが対等なのですか?
殺人も傷害も強盗も詐欺も未然に防ごうって、事件や事故に遭遇したら助けに入ることも男女ともにあるのに?

性暴力だけはどうして自衛するしかないの?
どうして遭遇しても黙認するの?
死なないから?
怪我しないから?
盗まれるものがないから?
それなら助けなくてもいいの?
防がなくてもいいの?

性暴力を受けると尊厳が奪われるよ?
破壊されて戻らないよ?
男性も女性も同じだよ。
性暴力で尊厳も人権もなくなる。
当たり前にあった生活のすべてが失われる。

どうか男性のみなさん「性暴力を許さない」という空気を作ってください。
ノットオールメンとか言ってないで、一部しかいないその加害する男性を許さないでください。
性加害者に男性が多いせいで、その一部の男性のせいで、全ての男性が不利益を被っているのです。
「性犯罪をする奴は最低だ」と思うなら、性加害する人間を許さない雰囲気を作ってください。
そうでないなら黙認するのと然して変わらないです。
起きたときに「許せない」とか言ってるだけじゃ、何も変わらない。
男性たちのあいだで性暴力を許さない空気が無いことは、性暴力をはたらくヒトに都合が良いのです。

性暴力を「許さない空気」を作らない男性は「性犯罪の補完勢力」です。

「許せない」ではダメなんです。
「許すことはできない」けど、起きることは防げないから、仕方ないってことでしょう?
「許さない」と「起きてはいけないこと」だと、そう訴える女性たちの声を汲んでください。
男女ともに被害も加害もあるんです。

「性犯罪・性暴力を許さない」そう男女ともに社会全体で訴えていれば、残るのは幸せなセックスになると思う。
「性犯罪・性暴力を許さない」男女ばかりであれば、きっと愛情を感じていられる、幸せなセックスだけがある世界になると思う。

そんな世界を男性は望まないの?
女性を支配することこそが快感なの?
愛情に包まれる幸福より、性的快感を得る、与えるだけが、男性のしたいセックスなのかな?
甚振って苦痛に顔を歪めた女性に性的興奮をするの?
虐待や拷問や尊厳を蹂躙される人がどこかにいる方が幸福を感じるの?
痛みに晒され性的に蹂躙される人にいてほしいの?

ねえ、そうなの?
ねえ、ノットオールメン、答えて?

集団強姦に遭い自殺した女性の話を大学時代に聞いたと投稿した自称精神医が燃ゆ

精神科医療に携わっているとかいないとかの、妻と娘が3人に息子1人の家族が大好きだという男性が、少し?前にツイッタランドで燃えた。
覚えている人もいると思う。
いまさら蒸し返すなと、燃えた彼は思うかもしれない。
が、敢えて蒸し返す。

話は、大学時代に集団強姦で自殺した女の子の話を聞いたことを投稿し、注意喚起しか出来ないと結論付けたものだった。
悪名高いスーパーフリー事件の前のことだと投稿していた。

注意喚起したいほど、心に強い罪悪感を覚えたこと、ようやくそれを口に出来たこと、そうなれたことは良いことだと思う。
きっとこの彼も苦しい思いを抱えたのだろうと思ってその投稿を読んだ。

確か、不快に思う人もいると思うと前置きしていたと思う。
でも、どうにもその後の反応からして、彼は事件の内容のみが不快に感じると考えていたようで、自分が黙っていたことにもそう感じさせるという自覚はなかったのではないか?と思った。

きっと重たかっただろうとは思う。
でも、それでも。

どうして女性に注意を促すことしか出来ないのか。
どうして、こんなところで告発して、自分だけ罪悪感から救われようとしているのか。
まるで自分に責任はない、責任を感じる必要もないという顔をして、我こそは正義であるかのように、呑気に注意喚起をして、何様なのか。
そうだね、加害者が悪い。
それでなに?マジで何なの?

彼の投稿から読み取れるもにに以下の情報も含まれていると多くの人が感じただろう。批判に多く見られたものだから。

知らない振りをしたって大丈夫!
性被害を苦にして命を絶った人のことなんて、見て見ぬふりでいいんだよ!
安心してそうしていいよ!
だって、僕らは加害者ではないから、無関係だもん!

そんな啓発にすら思えた。

そして、女性たちには、その話に登場する女性が遺書を残さなかったから家族は自死の理由を知らないという点から「死んだところで性被害は見て見ぬふりをされるから、せめて遺書を書いておこうね!」そう言いたいのだろうか。そう感じたのはわたしだけではないはず。

経験を基にした、見て見ぬ振りが許された事例を紹介して、注意喚起をすることで、正義の味方を気取れる社会が、現在の日本であると言うことだろうか。

ずっと黙っていた事実を言うことにしたのは、すごい決意と覚悟だろうとは思う。
それでも、もう帰って来ない「いのち」と、真実を知らない遺族は、これまでどうしていただろうね。

あなたを責めたいわけじゃない。
あなたにしてみれば、善意と勇気を振り絞ってのことだろうとも思うから。
あなたは生きて、その事実を知っていることを、伝えることができることを、注意喚起以外にできること、考えて頭の端に置いておいて。
今できなくてもいいから、どうかこれで終わりにしないで。

わたしはそう願った。

けれど、彼は、燃えたせいで、言葉で殴られていると投稿していた。
そういうやつらは倫理観がオカシイと殴り返していた。
気持ち悪いとたくさん並べた、まるで「メンヘラ」のような投稿もして。
最後にはアカウントを消すとした。
けれど、最後まで、彼は自分は被害者だというムーブをかましていた。

私は彼を言葉で殴っていいとは思わない。
ただ、知らない人を守る方法を、直接守ることとしか捉えられないみたいなこと書いてて、残念に思う。
自分の倫理観は本当に正しいのか疑問を持ってほしい。
他人の倫理観を否定することに躊躇もなく、自分は正しいと疑わないのは、どうしてなのだろうか。
それも、彼は精神科医を名乗っているのに、だ。

モヤモヤしていた。
不快なことを書くと前置きしたのだから、中傷されることや、否定的な意見が多いだろうことは想定内だろうに、それらに対して言葉で殴ることはダメですよみたいに言うんだなあって。
不快なこと書いた自覚があるなら、批判的意見を受け止めようって気持ちがあるのかと思ったんだけどなって。

男性たちで、それは最低だという意識を共有する、せめて周囲の人と性暴力を許さない意識を確認し合うだけでも、知らない誰かを守ることにつながる。

女性に自衛を促したから、この先の被害は自己責任と言いたいのかのような彼の態度は。
訴えたい輩には啓蒙できないから自衛を促したのだ!と言い訳をする彼の姿に、ノットオールメンを見た。

女性たちは自衛を強化するしかないよ!じゃなくて、大多数のマトモな男性で協力体制を築けたらいいよね!って、そういう啓発だってできるはずなのに。
自分は過去に出来なかったことを悔いている。だから見て見ぬふりはいけないんだ!そんな投稿であれば、もう少し好意的に受け入れられただろうに。

つまりは、自分は何もしたくない(巻き込まれたくない)から、女は自衛しろって話。
倫理観のぶっ壊れた奴らには、腕力が同等な男性すら逆らえない。
権力に、人気者に逆らえない、スクールカーストのようなものも絡んでいたし、性暴力の本質に近い投稿だったのに、その投稿をした彼自身は何も自覚できていなかった。
そうして、女性が自衛することは可能であるかのような、謎の注意喚起。

日が経つにつれて叩き方も激しさを増していき、嫌だなあと思ってはいたけれど

彼を叩いてもいても意味はない。
ある意味、埋もれた被害を、しかも被害者が亡くなっている現実を伝えたことには、意味がないわけじゃない。
それに、一応加害者本人ではないから、寄ってたかって責め立てても何の解決もない。
彼の味方したいわけじゃない。
ただ、過熱して叩きまくって失くすものもあると思う。

わたしも、そのとき疑問を呈したけど、今ですら疑問ばかりがあるけれど、叩きまくられることを、予想してないかのような人だったし、いざ叩かれはじめて、何これ?って、更に被害者側から遠ざかりそうだって思ったのだ。

諭すことは良いと思う。でも、彼は、殴られたと感じていた。
一般的に、この年齢(40歳以上)の男性の思考として普通のことだったから、彼にはあの反応は意味不明だったのではないだろうか。

それはそれで問題だけれど、その年齢から変わることはなかなかないだろう。
そもそも、それらを経験して得たものが「女性に自衛を呼びかけるしかない」という答えだったのだから。現在ですらそうなのだから。
妻や娘がそうなることもあることに想像も及ばないようなニンゲンなのだから。

そんな人が精神科医であるなら、精神科医療にどんな希望を持てばいいのかもわからなくなる。

何だコイツ。マジでクソ野郎だな。
彼の行動や言動を含め、未来の大人たちには、性犯罪・性暴力は絶対悪である、と当然に言っている社会を渡したい。

彼には反面教師になってくれたことに感謝して、私は健闘祈る。
せめて、自身は被害者をうまないで生きて行ってくださいな、と。
何なら、私はほんのちょぴっとの善意や偽善でも、何かしようとしたことの可能性を信じたいたい。
一過性のエンタメとして終わることこそが怖い。
叩いて正義を振りかざしてる、当事者でもないひとのセイギは本当に怖い。

彼をを潰したって意味ない。
それで何が得られるというのか。


このことを蒸し返したのも、つまりは性犯罪や性暴力を「許さない空気」を作って欲しいから。

一部の?男性のデフォルトが「自分は性加害しないから無関係」である。
それこそ、大切な誰かが「性加害」をされて「PTSD」を発症でもしたときに、本気で考えるようになるのだと思う。

ノットオールメンが信用されない原因は、ノットオールメンにある。

自分は加害しないのにどうして疑われなきゃならんのだ!なんて憤っている限り、一向にノットオールメンだなんて女性は思わない。


性犯罪・性暴力を「許さない意思」を持っていない、「許さない空気」を作りもしない、自衛を促すだけのノットオールメンは、無辜の男性ではない。

自分は性加害しないから無関係だと言うだけの男性は、性犯罪の補完勢力で、性犯罪をしやすい社会を作り出しているのだ。

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