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バースデーの過ごし方も人それぞれ

昨日は、わたくしの40数回目の誕生日でした。
ということで、今回は誕生日について。

うちの夫は、誕生日に興味がない。
夫曰く、誕生日は歳をとるということで、死に近付いた訳だから、めでたくないのだと。
親が子供のバースデーパーティをすることについては、一定の理解ができるが、ある程度の歳になって、大人がバースデーパーティをしているのは理解できないらしい。
他人の誕生日だけではなく、もちろん、自分自身の誕生日にも興味がない。

ちなみに、夫のIDカードなどに記載されている、公式な誕生日は、本当の誕生日とは違うのだそう。
公式な誕生日は1月上旬だけど、本当の誕生日はその10日後くらい。
届け出の時に間違ったんだか、なんなんだか、なぜそんなことが起こるのかよく分からないけれど、まあ、こういうことは、ラオスでは珍しくない。

日本でも昔は、そういうことが珍しくなかったと聞く。
実際、私の母親も、公式な誕生日は1月1日だけれど、本当の誕生日は年末の12月27日だったか28日だったか。
でも、正月の方が縁起がいいとかで、1月1日で届け出したらしい。

今となっては、ラオスでも、家族や友達でバースデーパーティをして、SNSに写真などもアップされているし、お金持ちなんかだと、レストラン貸し切ったりして、盛大なパーティをしていたりもする。
私も、若い頃は、ラオス人の友達のバースデーパーティに行ってたし、今でも、親戚の子供のバースデーパーティに呼ばれれば、行くこともある。
夫としては渋々だけど、主役の子供には、ちゃんとプレゼントだか、お小遣いだかをあげている。

ちなみに、日本の場合、誕生日の人がいると、その家族や友人が誕生日の人のためにパーティを開く、というイメージがあるけど、ラオスのバースデーパーティの場合、主役の誕生日の本人(子供の場合はその親だけど)がバースデーケーキを用意する。
つまり、誕生日の人が、友人とかに、バースデーパーティするから来てね〜、と誘い、セッティングもする。
そして、ケーキをみんなに分けて食べてもらうのだが、そのケーキをもらった人は、指でクリームを少し取って、誕生日の人の顔につける。ケーキはバタークリームだから、適度に硬さもあって、これが垂れずにちゃんとつくのだ。
まあ、これは、私がよくバースデーパーティに呼ばれていた、若かりし頃のことなので、最近は変わっているかもしれないけど…
都会では、ケーキもバタークリームじゃなくて生クリームのものもたくさん出てきてるし、SNSとかのバースデーパーティの写真で、主役の顔がクリームまみれなのは見たことがない気がする。

ラオスの中でも、都市部と農村部では、多少事情が違う。
都市部では、私がラオスに来た20年前でも、バースデーパーティを普通にしていたけど、農村部とかに行くと、子供の誕生日を祝うことはあっても、ある程度の年齢になったら、誕生日自体、あまり気にしていないと思うし、ケーキ屋さんがない村だってある。
そもそも、ある程度、高齢になってくると、年齢自体、あやふやだったりすることもある。

都市部で生活していると、小学校、中学、高校、大学と進学する度に年齢を認識するし、働き出してからも、何かにつけて書類なんかに記入する機会があったりして、年齢を気にして生きているけど、農村部の場合、最終学歴が小学校とか中学ということも珍しくないし、そのまま、家の農業を手伝い、身近なところで結婚して生活してれいば、年齢を認識する機会は少ないかもしれない。

そもそも、日本だって、つい数十年前までは、1月1日にみんな一斉に歳をとっていた訳で、個々人がそれぞれの誕生日を祝い始めたのは、早くても年齢についての法律が導入された1950年以降だと言われているので、そんな昔からってことでもない。

私も、20代の頃なら、彼氏やパートナーに、誕生日を忘れられてたり、祝ってもらえなかったら、多分ショックだったし、怒っていただろうし、自分のことを好きじゃないんじゃないかとさえ思ったかもしれない。

あと、もし日本にいたら、
「夫や彼氏がいるのに誕生日を祝ってもらえないなんて、かわいそう」
とか
「ケーキもプレゼントもない誕生日なんて、さみしい」
とか、そういう「決めつけ」というか、「固定概念」というか、そういう全く意味のない、目に見えない風潮に流されて、「私はかわいそう」とか思ってしまっていたかもしれない。

でも、40代も数年たったこの年齢になって、さらに「こうでなければならない」という概念が日本よりも少ないラオスに住んでいると、そもそも、歳をとる誕生日があまり嬉しくないし、夫に祝ってもらえなくても、特に何とも思わない。
最近では、私自身が夫の誕生日を忘れていて、数日たってから気付くことさえある。
最初の頃は、一応「ハッピーバースデー」と言ってみたりしてたけど、「ハッピーじゃない」と言われるので、今となっては、それさえも言わない。

私自身は、バースデーパーティをするのもありだし、自分が祝ってもらうのも別にイヤではないし、誰かを祝うのもキライじゃない。
誕生日には、毎年、日本にいる家族からメッセージも届くし、SNSで多くの人がお祝いメッセージを送ってくれるのも嬉しい。
誕生日自体が嬉しいというよりは、今では日常的に会ったり会話したりする訳ではない友人や知人が、1年に1度、私のことを思い出してくれていて、忘れられてないことが嬉しいのだと思う。

そして、今年の誕生日はと言えば。

誕生日の前日、夫と出かける用事があって、ついでに、久しぶりに外でランチをして、買い物もして、数日前からアイスクリームが食べたい気分だったので、久しぶりに行きつけのアイスクリーム屋さんに行って、パフェを食べ、大満足の1日で。
夜になって(今思えば、日本時間で日付が変わった直後だった)、FBで知り合いから「ハッピーバースデー」のメッセージが入った時でさえ、
「あれ、この人、誰かと間違ってるなー。私、誕生日じゃないし。でも指摘するのもなんだし、向こうが気付くまで、見なかったことにしよう」
とさえ思ったくらい、自分の誕生日のことを、すっかり忘れていた。

ラオス時間での日付も代わり、他の人からもメッセージが入るようになって、やっと「あ、誕生日かー!」と気付き、
「よかった、あの人に、間違ってますよ、とかって指摘しなくて…大恥かくとこやった…」
てな感じで。

明け方、雨季でさえも珍しいほどの激しい嵐で、怖いくらいのすごい暴風雨の音で目が覚めて、その音が怖かったのか、ニャンズがベッドにやって来たので、ニャンズと一緒に二度寝してしまい。
誕生日当日は、起きたら、まあまあ朝寝坊な時間になっていて。

ここ最近、めっきり暑くなって、何もしてなくても疲れるほど暑くて、でもエアコンの効きが悪くて、部屋がなかなか涼しくならない。
外気が暑すぎるせいもあるだろうけど、長い間、エアコンの掃除してなかったなあと思い立って、急遽、夫がいつもお願いしているエアコン掃除の人に来てもらって、内部の掃除をしてもらったら、やっぱり汚れが相当溜まっていて、掃除してもらったら、効果てきめん。
寒いくらいに冷える。
そして快適。

夕方、出かける夫に
「今日、私、誕生日だから、何か甘い物、買って来てくれてもいいよー」
って送り出したら、ちゃんと、私の好きな温かい豆乳と、スイーツ2個を買ってきてくれました。
私は、今日はちょっと贅沢しても食べたいもの食べよう!と思って、デリバリーでTexas Chickenのハンバーガーとチキンをオーダーして、食後に夫が買ってきてくれたスイーツを食べて、満腹で幸せな気分で誕生日終了。

と思ったら、最後の最後、日付が変わる直前。
ニャンズがゴキを捕まえようとしたらしく、追いかけているうちにゴキが飛んで、寝室に。
それを追いかけてくるニャンズ。
違う部屋にいた夫を急いで呼びに行って、戻って来たときには、ゴキの姿は見えず。
あちこち探しても見当たらない。
このままでは電気消せない。寝られない。
と、ニャンズが2匹揃ってデスクの前のチェアーの下に入って、上を見上げている。
そーっと夫が近付いて見てみると、座面の裏側にゴキが!
ニャンズは、1匹はゴキを見つめ、1匹は夫の顔を見ながら「ほら、ここ!」って顔してて。
夫は捕まえたゴキを手に持ちながらも、私たちは、2匹のニャンズの顔がおかしくておかしくて、大爆笑。
しばらく2人とも笑いが止まらず。

やっぱり、「ねこは鎹(かすがい)」だなあと思いつつ、なんだかんだで笑いながら終わった誕生日でした。

誕生日の過ごし方なんて、人それぞれ。

今年の夫の誕生日は2人とも完全スルー、私の誕生日は、上記のような顛末。
来年は、どんな誕生日になるのか。
毎年違ってていいし、決まった形がないのも、それはそれでいいものです。


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