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陰気と陽気について

今回は「陰気」「陽気」についてのお話しです。
陰陽は東洋医学の基本となる理論で、森羅万象あらゆるものが陰陽で形成されており、この二つが調和して自然の秩序が保たれているという考えです。ちょっと難しそうですが、わかりやすく解説しますので、陰陽の理解を深めてくださいね。

陰気と陽気の特徴
みなさんは、陰気、陽気のイメージというとどんなものを思い浮かべますか?陰気は『暗い』『冷たい』『夜』・・、陽気は『明るい』『温かい』『昼』・・・というようなイメージでしょうか。

【陰気】
まさにみなさんが描くイメージ通り、陰気は暗くて冷たいエネルギーで、下方や内側へ向かう性質があります。陰気は静的で、冷やす働きを持つ物質的エネルギーです。陰気は目に見えて重さがあるエネルギーでもあります。
私たちが認識できる純度100%に近い陰気は、大地の土です。ひんやりした土はまさに陰気の塊といったイメージですね。
私たちの身体の中で、陰気のエネルギーが多くある場所は、血・肉・臓腑・骨などです。栄養や潤い成分などに多く含まれ、冷やす作用を持っています。

【陽気】
みなさんのイメージ通り、明るく温かいエネルギーです。自分で動く力が強く、拡散性で上方や外側へ広がる性質があります。陽気は温める働きを持つ運動エネルギーです。
目には見えない陽気のエネルギーですが、私たちが認識できる純度100%に近い陽気は、太陽の光です。太陽の温かさに包まれると、まさに「陽気100%」って感じがしませんか?
身体の中にある陽気は、運動や変化など、活動的・機能的な作用に多く含まれています。

陰気と陽気の平衡バランス
例えば日本で熱帯魚を飼育したり、アフリカの熱帯サバンナの動物を北海道の旭山動物園で飼育したりすると、水温や室温など温度管理が大変ですね。温度管理がおろそかになればたちまち生命が危険にさらされることになります。


暑さ寒さを陰陽で分類すれば、寒さ=陰気 暑さ=陽気 となります。
地球上では、陰気の多い寒い場所でも陽気の多い暖かい場所のどちらでも、生物は何億年も繁栄し種を継続してきました。一言で言えば「環境に適応した」ということなのですが、このことを陰陽理論で読み解いてみましょう。

寒冷地の生物の体は『温める働きの陽気が冷やす働きの陰気に比べ過剰』に、熱帯の生物は『冷やす働きの陰気が温める働きの陽気に比べ過剰』に進化したのです。このように地球上の生物は、寒冷地でも熱帯地でも、陰陽の平衡バランスをとることで生き続けてきたのです。あらゆる事象は陰気と陽気の平衡を保つことで安定します。
ですから前述したように、日本で熱帯魚を飼育したり、アフリカの熱帯サバンナの動物を北海道で飼育したりすると、陰陽の平衡バランスをとるために多大な労力とエネルギーが必要となります。

陰陽でみる暑がりの人寒がりの人
暑がりの人(熱証)は、温める働きの陽気が冷やす働きの陰気に比べ過剰な人です。子どもたちの多くは陽盛陰虚の体質なので、寒い日も薄着で遊んでいますよね。暑がりの人の特徴は、暑さに弱いので冷房を好み、寒さには強いのです。

一方寒がりの人(寒証)は、陰盛陽虚の体質で陰気が陽気に比べ過剰な人です。寒がりの人の特徴は、寒さに弱いので暖房を好み、暑さには強いという傾向があります。

暑がりと寒がりの夫婦が同じ温度設定の寝室で寝ていると、どちらも安眠できないのは、陰陽のバランスがうまくとれないからです。部屋の設定温度でもめる原因は「陰陽バランス」の問題ということですね。

まとめ
地球の生物は、陰気の多い寒冷地でも陽気の多い熱帯地でも、その環境に適応して進化してきました。また、私たち人間を含む多くの生き物は、夏〜冬の季節で変わる温度変化に順応し、寒冷や温熱などのある程度の環境変化にも適応ながら繁栄を続けてきました。つまり陰陽の平衡を保ちながら進化してきたのです。

地球もまた、朝があり昼が来て、夜になりまた朝が来る・・というように陰陽両方が交互に繰り返し、バランスをとって生きています。私たちも地球もこの世の全ては、必ず陰陽の両面で成り立っているのです。

博厚堂
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