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なぜ生き物は死ぬのか ~赤の女王仮説から考える

赤の女王仮説(あかのじょおうかせつ)は、進化に関する仮説の一つです。

名前の由来は「不思議の国のアリス」。登場人物の「赤の女王」が
「同じところにいたければ、全力で走り続けなければいけない」
と言ったことに由来します。

この仮説を見ているうちに、生き物が死ぬように進化した理由を説明できそうな気がしてきました。

・赤の女王仮説とは

シマウマを追いかけるチーターは、足が速くないと餌にありつけないので、足が早くなるように進化します。
足の遅いシマウマは捕まってしまうので、こちらも足が早くなるように進化します。
するとチーターはますます足が速くないと餌に…。

生き残っていくためには、イタチごっこのように生き残りの能力を上げていかなくてはなりません(進化的軍拡競争)。
これが赤の女王仮説です。

・種が変わるには世代交代が必要

進化は、世代交代のたびに起こると考えれば、世代交代が速ければ速いほど新しい環境への適応が早くなります。世代交代が遅いと、他の生き物の進化に負けて絶滅してしまう。
足が遅いままのシマウマがいたら、足が早くなったライオンに食べられて終わってしまうわけですね。

なるべく早く世代交代して、どんどん入れ替わっていく種のほうが、存続する確率は高くなります。

・なぜ、死ななくてはならないか

ようやく本題です。
世代交代の速さは必要だとしても、死ぬ必要はないのでは? という疑問。

餌などの生存リソースが一定の場合、生きられる数には上限があります。もし親世代が老化しないで永遠に生き続けるなら、成長した親個体のほうが生存に有利で、新しい子供世代が生き残る可能性は下がります。

また、親世代が子作りをつづけるのも同じで、世代交代を妨げます。

・仮説「死なない生き物は、種として存続できなかった?」

生まれ、死に、交代する。
速ければ速いほど、適応進化は進み、種としては生き残る確率が上がる。
むやみに長生きする生き物は、世代交代の遅さから、他の生き物においていかれて死に絶えてしまいます。

それで、適切なところで死んで、新しい世代に場を譲る種が、繁栄するようになったと思うのです。
ただし、人間を除いて。

・人間は進化の道から外れた?

普通の生き物にとって、環境への適応方法は世代交代を早め、なるべく早く進化することだけです。

ところが人間は、知識と技術を伝えることができるように進化しました。
そうなると、世代交代しなくても、環境に適応する方法ができるのです。
服を作り、火を使い、農業をして、生存してゆく。
むしろ、長生きするほうが知識を伝えられて有利でさえあります。

ふつう生物の寿命は、身体の大きさで決まります。人間の身体の大きさだと、本来の寿命は30年程度しか無いはず。
ところが現在、人類の寿命は、80年を超えて、100に迫ろうとしています。

これは、人類が進化のために死ぬ必要がなくなったからではないでしょうか?

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