ナッツもいろいろあるけれど
おやつに素焼きのナッツを食べるとき、頭の中で私にヤジを飛ばしてくるヤツがいる。
「え?おやつに素焼きのナッツ?なに?モデル気取り?」って。「素焼きのナッツ?リスなの?そんなの食べて美味しい?ナッツは味付きの方が美味しいと思うなあー」って。
うるせえ。
そんなことは言われなくても分かっている。
素焼きナッツを食べているときはいつも思っているんだよ。「味付きのナッツ食いてえ」と。
しかしなんというか、謎の「健康志向」というか「意識高い系」気取りというか、私の中に潜んでいるそういう部分が、私に素焼きのナッツを食べさせているんだ。
私の記憶だと、15年ぐらい前はそんなに素焼きナッツなんて売ってなかったように思う。製菓コーナーになら、素焼きのアーモンドやクルミがあっただろうか。
それが今では、どこのスーパーでもコンビニでも買うことができるようになった。つまりそれぐらい需要があるのだろう、塩や油を使わない素焼きのナッツに。
ナッツには、タンパク質やミネラル、食物繊維、ビタミン、多価不飽和脂肪酸など、身体に良さげな栄養素が豊富に含まれ、おやつに取り入れるのが良いというのはもう有名すぎる話で。
でも普通の味付きのミックスナッツだと、やっぱり塩分の取りすぎが気になる。過剰な塩分摂取は高血圧を招くというし、浮腫みやすくなるとも聞く。
最近顔が丸くなってきたのも、きっと浮腫みのせいだけであって太ってはいないはずだ。絶対そう。これは浮腫んでるだけ。
だから、健康意識が高い人ぶって食べてきたのだ。素焼きのナッツを。
単純な生き物の私は、素焼きのナッツを食べているだけで少し健康になったような気分になる。
ヨーグルトにバナナときな粉とハチミツ、そして砕いた素焼きナッツを乗せることで、健康になった気分になるだけでなく「オシャレ」な人になったような、そんな気になっていた。
味のついていないナッツも、毎日のように口にしていると食べ慣れるもので、もう全然これでいいじゃんと思えるようになってきていた。毎晩、ウイスキーやジンのつまみに素焼きナッツを食べるようになっていた。
そんなある日、我が家に刺客が現れた。
作った人の想いを全てパッケージの表に書き記しちゃうスタイル、嫌いじゃないわよ。小田和正ばりに「伝えたいことがあるんだ」って感じで良い。
小田和正といえば、20代の頃に大失恋したときに、なぜか小田和正の「自己ベスト」「自己ベスト2」を毎日毎日延々と聴きながら号泣するという日々を送ったことしか思い出さない。
まあその話は長くなるからまたいつか書こう。誰も読みたくないと思うけど。
とにかくまあ、ドンキの黒胡椒ミックスナッツEXが我が家にやってきたわけだ。配偶者がいそいそと買ってきたんだ。
これがまぁーーーーーー、すごく好みでして。
配偶者め、やりよったなと。
素焼き食塩不使用ナッツにやっと慣れてきて、共に毎晩お酒を飲みながらそれをつまみにしてきたのに、なんたる裏切り行為だろうか。
こんなもん食べたらもう素焼きナッツには戻れない。だって、「お酒に合うナッツの要望が多かったのでナッツを愛しすぎた担当者が自慢の「究極の黄金比率ナッツ」をベースに複数の胡椒をミックスし味付け濃厚なのに手が止まらなくなる自信作」なんだから。
まんまとですよ。
まんまと虜になってしまった。
しかし、配偶者はもう1人の刺客も連れてきていた。
もうさ、好き。
情熱がうるせえ(いい意味で)
これに関しては、食べたときに配偶者と顔を見合わせたね。すげえって。
口の中に入れて噛んだ瞬間、あれ?火事かな?って思うほどに、めちゃくちゃ煙たい。確かにナッツではないが、ジャイアントコーンが良い仕事をしている。
力強い燻製で煙たい口の中で、ガリガリと脳を震わせる食感がバランスを取っているではないか。
ドン・キホーテのナッツ担当の皆さんの本気に、心打たれたよ。どっちも本当に美味しい。
リピート確定である。
そして今まで定期的に買っていた素焼きのミックスナッツ、あれにはもう戻れない気がしてきた。
アレはアレで好きになっていたのだけれど。
いやまてよ?
酒飲まないときのおやつやヨーグルトのトッピングに素焼きナッツ、お酒を飲むときはドンキナッツというのはどうだろう。ナッツの棲み分けだ。
サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。
共に生きよう。
意識高いフリして素焼きナッツも食べるし、味が濃くて飲み物(酒)無しでは食べられないドンキナッツも食べる。
肉も野菜も食べる。
きのこの山もたけのこの里も食べる。
ビールも第三のビールも飲む。
日本酒も焼酎も洋酒も飲む。
あまりこだわらず、好きなときに好きなものを食べたり飲んだりしたらいいさぁー。(突然の沖縄訛り)
みんなちがってみんないい。
特にオチもない、ただ美味しいナッツを見つけたというだけの話なんですけれど、ちょっといい話したみたいな感じでまとめてみました。
ご清聴ありがとうございました。
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