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祖母と思い出の味「おいしい スリーアーモンドクッキー」

はじめまして。
何か新しいことに挑戦したかったので、日々頭の中でぐるぐる考えていることをアウトプットしてみようとnoteをはじめてみました。
この文章からお察しの通り、文章を書くのはとてもへたくそなので、気軽に読んでいただけたらうれしいです。

取り急ぎ、Twitterのアカウントをつくってみましたので、よろしければフォローお願いいたします。


最愛の祖母との別れ

しょっぱなから重い話になってしまうのですが、少し前に最愛の祖母が亡くなりました。体が丈夫で、足腰もしっかりしていたしとても元気だったので、ICUに入ってから4か月も頑張ってくれました。

亡くなる前には親戚が集まり、順々にICUのベッドで横になる祖母へ挨拶することができました。
祖母は著しく体温が下がり始めていましたが最後の延命措置として外側から身体をあたためてくれていて(体温が37℃もあった)、触れた手のあたたかさ、やわらかさ、肌のきめのこまかさ、しわ。
一生忘れないと思います。

なんにせよ、30年の人生の中で最もつらい出来事でした。


祖母との思い出を振り返った時に頭に浮かんだのは、さまざまな料理やお菓子でした。
孫のために買いそろえてくれた駄菓子から、恐らく自分でたべようと買ってきたちょっぴり大人なお菓子や、正月に振舞ってくれた料理などなど。
その中でも、定番ではなかったもののはっきりとパッケージが思い浮かんだものがありました。

真っ黒の背景に3種類のクッキーが傾いた状態で横に並び、独特なフォントでビビットな赤が目立つ商品名「アーモンドクッキー」。
20年以上見ても食べてもいなかったのに、ここまで思い浮かぶのも珍しい。それほどに私の中では印象的なお菓子でした。

おぼろげな記憶を頼りに、インターネットの海をえっちらおっちら探しようやく正体がわかりました。

「おいしい スリーアーモンドクッキー」

まだ売っててよかったーーーーーー!!!!!!!!
……と、安堵したのも束の間。買いたくても全然見当たらないんです。

スリーアーモンドクッキーが…ない……!!!

今も売っていることが判明したので、ひさしぶりに食べたいなあと注文しようとすると在庫切れ、賞味期限があやしい、正規価格じゃない等々……。
この時点で、雲行きが怪しくなってきました。

このクッキー、どこのスーパーでも売っているかと思いきや、全然見当たらないのです。本当にどこを探しても見つからない!!!

職場の近くから実家のまわり、祖母の家の近所のスーパー。たくさん見て回ったけれど、ここまで売ってないことあるのかというくらいピンポイントで取り扱いがなく、心が折れかけました。

そんな中、いつも行くスーパーで徘徊していたところ、一瞬横長の黒く四角い塊が視界に入りました。

!!!!

あった!!!!

あったーーーーー!!!!

まさかの近所のスーパーにありました。
一番最初に見ていたはずなのに、ずっとそこにあったはずなのに、なぜか見落としてしまっていました。大切な思い出が消えてしまいそうな気持ちになっていたので、本当にみつけられてよかったです。

20年ぶりの再会

パッケージを見ながらひさしぶりに一枚ずつ食べてみました。

左から順に食べていきます

ココ アマンド
うす切りのアーモンド 細切りココナッツ キャラメルをからめ
薄焼きのテュイルに仕上げました

「テュイル」というのは、フランス語で「瓦」という意味だそう。
テュイル型というものに生地を流し込んで薄く焼いたクッキーのことのようです。

この文章、打ち込むためにはじめてしっかり読んでみたんですが、読むまでココナッツが入っていたの気が付かなかったです。
たしかに鼻に抜けていくココナッツの風味が……。

初手のキャラメルとアーモンドの香ばしさをフォローするように香ります。薄いクッキーということもあり、食感が軽いので味とのバランスがとても良いです!

孫たちの間ではダントツ不人気ではありましたが、これは大人になってわかるおいしさかもしれない……。
おそらく、祖母はこればかり食べることになっていた可能性が高そうです。

ココアアーモンド
甘味をおさえたほろにがいココアベースのクッキーです
冷蔵庫で冷やし固めきってからじっくりと焼きあげました

これはもう言わなくてもわかるおいしさ。大人も子どもも関係なく、みんな大好きなやつ。
「冷やし固めてから焼いた」ということなので、いわゆるアイスボックスクッキーというものですね。
前項の「ココ アマンド」とは製法が違うというのが知れるのもおもしろいですね。

ココアの甘味とほろにがさ、練り込まれているアーモンドがアクセントになっていますが、最初から最後までココアに浸れるおいしさ。
コーヒーとあわせて食べるのがお気に入りです。

従兄弟が一番好きな味だったので、たまーーーにおこぼれで一枚だけもらえてた特別な味でした。(そしてのこりの3枚は従兄弟がひとりで食べる)


バターアーモンド
バターとミルクたっぷりのベースにローストしたアーモンドを入れました
時間をかけて焼き上げたスタンダードなクッキーです

一番好きです!
「スタンダード」と書いてありますが、本当に王道なクッキーです。

バターの優しい甘さとアーモンドの香ばしさ。ミルキーさも味わえる安心の味でした。

ひさびさにたべた「スリーアーモンドクッキー」、やっぱりおいしかったです。
「株式会社おいしい」って強気にも程があるけれど、その名もふさわしいくらい本当においしい……!

このクッキーのおいしさをいろんな人に知ってほしくて、noteをはじめました。

後日談:すんごい売ってた

こんなnoteを執筆し始めた矢先、食料調達のため出会えたスーパーまで足を伸ばしたところすごいことになってました。

スリーアーモンドクッキーもりもり!

こんなにちやほやされてるの見たことないんだけど。
えーーーーすごい嬉しい。

見つけてからというものの、実はその後もちょくちょく買いに行っていまして。見事に我が家の定番お菓子となっていたんですが、それがこんなに立派に売り場までつくってもらっちゃって……!
祖母とは関係ない事象ではあるんですが、なんだか祖母のセンスが認められているようで誇らしくなりました。ヨカッタネ!

市販の食品が思い出の味になる

祖母はお菓子だけでなく手作りの料理もたくさん振る舞ってくれたんですが、残念ながら作り方をマスターするよりも先に遠いところまで行ってしまいました。
もうあの味は食べられないという悲しみは孫の自分よりも親、親よりも祖父が強く感じていることでしょう。

祖母が生きていた頃は中肉中背だった祖父が、今では見る度に細くなってしまっています。何も食べていないわけではないんですが、食が進まないことも多いようで、どうしても量が食べられなくなったということです。

とはいえ、おそらく一番は「祖母の手料理」の存在の喪失が大きいでしょう。すべてが手料理ではなかったと思いますが、自分のために買ってきてくれたものやいつも食べている味噌汁、親や私が同じように作っても祖母の味を再現するのは難しいと思います。

そんな中、法事の際にこのクッキーを持参しました。
その他にもいろいろなお菓子が揃う中、祖父はなかなか手を伸ばすことが無かったのですがふとこのクッキーに手を伸ばし2枚ほど食べてくれました。

正直、コミュニケーションが少々むずかしいので直接このクッキーのことを聞いたりすることはできなかったのですが、覚えていたのかはたまた「食べたい」と思えるものだったのか。

祖父の真意はわかりませんが、祖母がのこしてくれた思い出が今日も私たちの身体を、健康をつくってくれているのかもしれません。

架空のキッチンとおばあちゃん。
祖母の家のキッチンをイメージして、AIに画像を生成してもらいました。鍋多すぎ。

市販の食品に思い入れがあるというのはすごく愛情を感じます。
「母の味」などと言いますが、別にそれは手料理じゃなくてもいいと思っています。
遠く離れていても、近くのスーパーに行けば思い出の味に出会える。

そんな幸せなことはないと思うのです。

そのことに気付かせてくれた祖母のことを想い、今日もアーモンドクッキーに手を伸ばし仕事に励みます。

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