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続・少女漫画のヒロインになれる気がした。

 私は、バイト先の先輩のことが気になってる。好きだと言えるかはまだ定かではない。そんな状態でと思われるかもしれないが、先輩の家に行った。泊まってはない。泊まるほどの距離ではない。家同士の距離は40メートルほど、建物同士は見えるほどの距離にある。

 一人暮らしの男の先輩の家に1人でついて行った理由は、多分先輩ともうちょっと一緒に居たかったから。もちろん信頼しているからというのは大前提。バイト先及び大学の先輩後輩。お互い気まずさでバイトを辞めるのはごめんである。実際、何もなかった。恋バナして、共通の話題で盛り上がって、バイトとか大学の話をした。多分他の先輩なら付いて行かなかったと思う。

 経緯としては、🐨さんと🐶さんと3人でバイトが終わった後、ご飯に行こうという話になった。最後の3択まで絞り、せーのでいうことになったのだが、見事に3つに分かれ、譲り合いの末、韓国料理に行くことになった。

 6時に始まった食事会もそこそこ盛り上がったが、8時半にお開きとなった。そこで🐨さんの原付を見送り、🐶さんと2人。特にやることもないが帰るのもなぁと話になり、お腹は空いてないが、別腹だろうと商業施設にてアイスを買い、駅前のベンチで並んで食べた。ストーカーの話もしてしてまった。「今じゃ笑えますけどね」と言うと、「ここまでついてきてたら俺絶対刺されるじゃん」とか、やいのやいの言ってた。2人であの時間までまでいることが異常だと再認識された。そこで歩き方が変であるという話題にて意気投合。恋バナもかなり盛り上がり、時刻は0時半。そこでもうこんな時間だそろそろ帰るかとなる。そこで🐶さんが、🐱さんに聞いていた夜勤のヤバいおじさんがいるミニストップに行ってみたいと言い出す。まぁ先輩もいるしいいかと怖いもの見たさで、ついて行った。案の定いたらしい。私は分からなかったが、明らかにやばい雰囲気らしい。私の判別能力の低さがここで露呈。スモークタンを買い、退散。そこでまた、話が盛り上がり、私の家の前の駐車場でスモークタンを食べる。他人から見れば異様な光景だったと思う。駐車場のど真ん中でスモークタンを食べる男女。目的は何か、これはぐれてるとか言う話なのか。そんな中、本当はうちにあげた方が良かったんだろうけどあまりに汚いのでといった旨のことを話すと、「じゃあうちくる?今度どうせ俺の家で🐨さんと🐱さんがタコパしようとしてるからいいよ?」と、「じゃあお言葉に甘えて。」で、先輩の家に行くことになった。階段を上がる最中に、「ほら、あれ🐸さんのマンション、いつでも漫画返していいよって言う意味わかったでしょ?」確かにかなり近い。お邪魔すると、そこそこ綺麗な普段から掃除してる人の大学生一人暮らしにしては広い部屋だった。そこからはほんとに青とイハ(映画『街の上で』より)。恋バナでひとしきり盛り上がって、歩き方の話になって、また恋バナして、時間割の話してたら、お互い明日が1限であることを知る。時刻はすでに3時40分を少しすぎた頃。1限はもちろん9時。最寄りのバス停から混まないバスに乗ろうと思うと8時10分には家を出る必要がある。無論6時起き人間の私からすれば睡眠時間は2時間(実際は7時に起きたので2時間半は余裕で寝れている)。「俺起きれるか分からないから朝電話してくれない?」と言われ、断る理由もなく、モーニングコールを引き受けた。もう朝ですねなんていいながら家まで送ってもらい、「また明日」と手を振って別れた。
 次の日の朝(正確にはその日の朝であるが)、7時40分に電話をかけた。電話の向こうから寝ぼけた声で「おはようございます」と聞こえる。20秒にも満たない電話。それなのに、あぁ、この人は私の電話で起きたんだと思うだけで何故か嬉しくなった。支度を済ませ、バス停で待っていると、バスが着くのと同時に先輩が「ギリギリ攻めすぎたかな」と言いながらやってきた。整備の行き届いていない道を走るバスは騒音を立てる。会話は遮られてしまうが、声が聞こえない時に先輩が耳の位置を下げてくれるのが好きだから悪くない。私も負けじと背伸びする。先輩との身長差は14センチ。それが少し縮まるのが好きだ。普段はバイト先の教室で座って話すことのほうが多いから、なかなか身長差を感じる機会はないし、一緒に帰るのもいつも夜だから、朝日と先輩の姿が新鮮な朝だった。大学生っぽいなんて思いながら、大学について手を振った、「じゃあまた○日に」とか言って。

 ただ、なんとなくこのまま昨日の夜からこの幸せな朝までが続けばいいのにと願うばかりだった。多分恋人になりたいとかってなると分からないけど、理由なく(まぁ分からないけど)一緒にいてくれたのが単純に嬉しかった。私は🐶さんのこときっと好きだけど、今以上の進展は望んでない。ここに嘘はないの。優しい先輩と可愛がってる後輩のままでいい。これを兄妹みたいななんていったら推しに怒られてしまいそうだけど、他に適切な言葉が見つからない。終わりは怖い。バイト先は失いたくない。始まる前から終わりを見てしまう。終わりは私の大学卒業及び就職。もう見えきってるのだ。どうなるのかな、このまま。
 こんなこと言いながら、多分好きって言われたら嬉しいんだと思うけど。

 今焦りはないから、まだ冷静だと思うから、人の話は聞いとこう思って馴染みの友達と4人で今日電話する。判別能力の鈍い私の審判たち。元サッカー部ってところで却下されちゃうかもしれないななんて考えるのは、今日の長い授業の暇つぶしにくらいにならなるだろう。


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