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カフェと酒場は異なもの。【酒場】は通なもの

看護師が経験0で飲食店を開業した記録。
3年目に突入しました。2020年10月、福岡で
“昼から飲もう、日替わりおかずと楽しいお酒”「博多okatteふじコ」をグルメタウン薬院に開業。開業前の様子からnoteに綴ってきました。
わたしの最終目標は、看護師を副業にすること。『飲食店×看護師』の発想で何が出来るか、出来ているのか。
気付きや考えていることを書き綴っています。

最近飲食店を訪れたり、インスグラムを覗いていると、「ワンドリンク制」、「2時間制」、程度の書き方だったと認識していた飲食店からのお願いが、強くなった印象を受ける。話に入る前に、【飲食店】と私が指して言っている店舗は、アルコールを提供する居酒屋やレストラン、ビストロなんかを指していている。ビールが飲めるラーメン屋さんや、酒を提供している定食屋さんや酒を提供しているカフェは含めていないことを前置きしておく。

知るところで、
どんなお願い、掲示があったかというと、

•ここはカフェではありません
•お酒を飲まない人はお断り
•暫く注文が無い場合は退店の声をかけます

と、少々キツめのお願いの様子。店側に何か情勢が混乱している様子を感じることが多くなりました。

お酒を飲まない、注文しない
ということが想像される内容

利用されたお客様の過ごし方に、危機感を持って警鐘を鳴らされていることが想像されます。実際当店でも、中瓶ビール一本を二人でシェア、お喋りして過ごすという方や、2軒目、3軒目でトイレを目的に入店される方の来店がちょこちょこあったりします。

要は休憩利用です

こういう方は、イマドキの言葉で言うならば「コスパ&タイパの悪いお客さん」です。

こういった状況も、いつも来て頂くお客さんだと意味は全く変わります。むしろ、常連さんとであれば、大切な時間になると私は思っています。僅かな時間になるけれど立ち寄りたいと思って下さる気持ちや、色々お店に行った後に立ち寄りたくなったという、温かくも愛くるしい気持ちは、嬉しいものです。同時に感謝も感じます。
逆に、飛び込みで来られかき乱す様な一見さんは、耐え難いものがあります(これ店主のあるあるの気持ちです)。こういう人は二度と来ません。加えて私は女性一人でやっているので、防犯上不安にもなります。先日拝読した飲食店の方の投稿にも、同じ気持ちが書かれていて、読んでいて共感する内容でした。(記事を見つけられなくて貼れませんでした、ゴメンナサイ)

さてここからが今日の本題です。
飲食店というくくりの中に、【酒場】というゾーンが有ります。当店博多okatte ふじコも「スナック以上小料理屋未満」と表現していますが、当店も【酒場】です。

酒場とは?

酒場さかば)とは、主にアルコール飲料を提供する飲食店の総称で、一般に「接待」を伴わない飲酒店のこと。日常的な表現では飲み屋ともいう。中世においては様々な立場、職業の人間が集まり、互いに情報を提供し、交流を深める社交場としての役割も果たしていた。

ウィキペディアより

酒場は日常的な飲酒店のことで、
色んな人が集まり交流する場、、

『飲酒店』なのです


⏩ ⏩ 一方、カフェとは?

カフェ: café、: caffè)は、もともとはコーヒー豆やそれをひいていれたコーヒー(珈琲)の意味[1]。転じて、客にコーヒーを飲ませるための・施設を意味する[1]ヨーロッパの都市などにある、コーヒーをその場で飲ませる店のことで、特にフランスパリオーストリアウィーンのものが知られる。新聞や雑誌がそこで読め、時の話題について談笑し、情報交換のできる場所として親しまれている。

ウィキペディアより

オープンスペースと、それ以外の空間が別にあり、思い思いの流儀で時間を過ごせる。
アルコールメニューがあったとしても、朝でも夜でも出かけたくなる場所という意味でバーとは異なる。

ウィキペディアより

カフェは珈琲を飲ませるための店
という当たり前の定義と、

後半の、
思い思いの流儀で時間を過ごせる。
という所にポイントが有ると思います。


カフェでは、新聞を読む、というのが昔の大多数の過ごし方で、今はワークスペースとして使われる様になりました。カフェの演出も色々変わり、映えたメニューの写真を撮るという新たな目的も増えています。

カウンター席は少なく、独立したテーブル席が並んでいることもカフェの特徴ではないでしょうか。マスターと、誰かと話したい人はカウンター席を利用し、寛ぎたい、仕事をしたい人はテーブル席を利用するという構造が、思い思いの流儀の始まりなんだと思います。

酒場はどんなとこ?

【酒場】は、居酒屋とも異なります。独立したテーブル席が並んだ居酒屋には友人や知人、会社の人と数名で行き、同じテーブルを囲む、という構図になります。他のテーブルの客と盛り上がるというよりは、自分のテーブル内で完結するスタイルです。
【酒場】はカウンター構造で、知らない人も知ってる人も一同に横並びです。先日伺い楽しすぎた【酒場】はコの字カウンターで、知らない人同士が顔を突き合わせます。一人客が多いのも【酒場】の特徴です。居心地、労い、交流を求めて来るお客さんの居場所なのが酒場なのです。自宅(家庭)、職場(参画の場)、に次ぐ第三の居場所。【酒場】はサードプレイスなのです。

そんな【酒場】はお酒を楽しむ飲酒店です。
呑みニケーションは古いと言われそうですが、同じように酒を飲み、空気感を高め合い【酒場】は盛り上がり、楽しい時間になるのです。

お酒を飲まない人の【酒場】利用

そんな酒場で、お酒が飲めない、飲まないお客さんの存在は、色々成り立たないのです。

売上的な事で言うとお酒を飲まない方の方が、売上は少ないです。たくさん食べれば良くない?と思うかもしれませんが、食事は原価がかかってますし、買い出しと作る労力というコストがかかっています。売上=利益では有りません。それより労力ゼロのお酒を飲んで頂いたほうが、売上のコスパが良いのです。

中には酒を飲めなくても盛り上がれるという、奇特な方も居ます。でもこういう方は希で、何杯もは飲めないし、「ウーロン茶」と言われるとシラケてしまうのが酒場の雰囲気です。同じ空気感を共有しながら酔いしれ、酔っぱらいの会話のテンポが酒場の雰囲気を作り出します。

大人の社交場【酒場】


間合いや空気感、会話を楽しむ【酒場】
周りのお客さんとの空気感を感じながら、一体感が持てると楽しく過ごす事が出来ます。仲良く喋るというよりも、空気感を共有する、というイメージです。時折、2人で話し込まれているカップルの方が居ます。広い店でしたら良いでしょうが、当店の様に狭く6席しかない、会話も筒抜けの様なお店では、そういう過ごし方には向かないと思っています。
お店全体、そこに同席するお客さんまでを『お店』と捉えて過ごして頂く。当店はそんな【酒場】で有りたいと、創造してきました。
また大人の社交場【酒場】は店主との会話や注文の間合いや、周囲への配慮には大人レベルが出てしまう、そんな場所です(笑)これは、お酒を飲んできた経験がないと難しいと思いますし、大勢との時間を経験しながらも、一人時間を大切に過ごされて来たかどうか、ということに見せ方、見られ方が出来ていくものと思います。

これからの【酒場】

そんな社交場で、カフェの様に休憩されたり、お酒の注文をしない、ということはお店の雰囲気や営業への影響は大きく、損益材料になっているお店も有ると把握しています。カフェとの違い、酒場とは何か、が解らないお客さんの存在。でもそこには、経験不足や知識不足の方に向け、店舗側が説明したり発信する責任を持たなければいけないと、私は思います。恐らく、警鐘を鳴らすメッセージや掲示をされている店舗さんもそういう気持ちなんでしょう。

お客さんがお店を選ぶ様に、
お店もお客さんを選んでいく、
そんな時代になってきました。

きっかけはコロナ禍以前からあった、飲食業界の不振。薄利多売になりがち、足元を見られがちな飲食業界が、『正しく利益をあげる』ということを真剣に考えることを始めたからでしょう。

更に、コロナで、量より質
たくさんより『らしさ』を考えるように


と言うことで、当店は【酒場】です。
コミュニティ型の酒場、ふじコ。
当店も、コロナ禍明けのせいか新しい方や一見さんがちょこちょこ来られる様になりました。そんなお客さん達に、私の描く店について発信して説明していく必要が出てきました。

酒場をカフェの様に使わないで。
お酒を飲む人だけ来て下さい。

これは酒場の想いから出た言葉であり、
お店を選ぶお客さんへの配慮かもしれないと、思います。







2020年コロナ禍に開業した看護師です。ワクワクが止まりません。Withコロナはまだ続きますが、継続していけますように応援お待ちしております。