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鏡よりも服のサイズこそが真実

 人によっては鏡を見ると自身が美人だと錯覚してしまう悲しき事件が発生するようですが、私はそのような錯覚をしないことが密かな自慢でした。ところが長い間、鏡を見ても自身が肥満であることを認知できなかったので、私も鏡を見て自身を美人だと錯覚する人と大差がなかったわけです。

 私はある日、鏡に映るいつもの魔神ブウを拝みながら服を着ていました。しかしどうにも服がきついのです。鏡にはいつもの魔神ブウが映っているだけに見えるのですが、ズボンが今にもはち切れそうになっていました。この瞬間、私は気がつきました……私は肥満のさらに上を行く超肥満になってしまったのだと。そして私は、鏡を見て自分を美人だと錯覚してしまう人と同じ現象に陥っているのだと。

 この経験から私は、鏡よりも服のサイズこそが自身が超肥満か否かを判断するベンチマークだと気がつきました。鏡に映る苦虫を噛み潰した表情をした魔神ブウは、超肥満が原因で着られなくなった服をベンチマークとして保存することにしたのでした。

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