最低限の準備を終えたらすぐに実践の場へ

 「何かを始めるために準備をすること」は当たり前のように聞こえますが、資格の勉強や定型業務のような範囲が決まったことは別として、範囲が決まらないことに対しては、最低限の準備を終えたらすぐに始めた方がよいと考えるに至っています。範囲が決まらないことに対して準備万端で挑むことは不可能に近く、次から次へと新しいことを実践で学び続ける必要性を身を持って経験したからです。

 例えば、私は研究開発職に従事しており、大学を卒業後に5年間もの期間を大学院で過ごしました。その結果として、工学の分野で博士号を取得しましたが、いまだに普段の仕事では分からないことばかりです。つい昨日も初歩的なコーディングに思いのほか時間を要してしまいましたし、次から次へと新しいことを学び続けなければいけない日々を過ごしています。

 研究開発職は博士号の学位が求められるので、大学院に行かざるを得なかった背景はあるものの、今になって思えば大学院よりも実践の場で学ぶことの方が圧倒的に多いです。結局のところ、分からないことは実践の場で都度ごとに勉強することになりますし、事前に全てを網羅して準備することはできないのです。

 資格がなければ希望の職に就けない事情があるならば致し方ないですが、そうでないのでしたら、準備のために時間を割くことは最低限に抑え、可能な限り早く実践の場に行くことが大切です。最後に身も蓋もない話をしますが、そもそも「資格がなければ就けない職に就く」という発想自体、再考の余地があるかもしれませんね。

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