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かくれんぼ~自分探し~

<短編小説>
ずいぶん長い間自分探しをしている。
まだこの先も続くのだろうか?
他の誰かを見ながら、
「あぁあの人の人生と自分の人生を交換したい!!」
今まで何度思ったことか。

25年以上前の記憶が蘇る。
名古屋に何となく遊びに出かけた僕は名古屋に溶け込もうと懸命にもがいていた。
それをごまかすことが出来たのは名古屋の街中を今、名古屋に居る人と同じスピードで歩く事。
ひたすら歩く事で名古屋に溶け込もうと名古屋の風景の一部になろうとしていた。

ギタリストになりたくてバンドを組んで、
ビートルズに憧れてギターを持って全てを叶えるつもりだった。

両親も特に僕の夢に関しては異論を唱えず放任主義に徹していた。

ビートルズになる方法さえ分からずに…
ひたすら名古屋に行けばきっかけが掴めるはず。
そう決心してその日は精一杯のおしゃれをして電車に乗って名古屋へ向かった。

当時金山駅では弾き語りを構内でやってる人が多かった。
何人か聴いた。
歌っていたのは社会に対する不満、ラブソング。
違う…バンドなんだ。

偶然にもその日、中学性の時の同級生のと親に合った。
「どうしたの?」
僕が聞くと
「今鑑別から出てきた所。カツアゲチクられてさ…定時制の高校行ってる」
生き方が違っていた。

僕も彼も人生なんて簡単と思っていた時に思わず足元をすくわれて、
16歳にして早くも迷走を始めた人生。

僕は高校生活をまさかのドロップアウト。
転校した中学校でひどいイジメにあったが喧嘩をしたら高校に行けなくなると無抵抗なままイジメられていた。
今でもフラッシュバックする。
あそこで一発やり返していたら人生変わったかも…
そんな過去と時々向き合いながら過ごすこともある。

自分が一番恐れていた高校中退の道。
もうバンドを組んでBIGになるしかない。

だけど方法が分からない。
そして行動する勇気が無かった。
ただの臆病者だったと気づいた時にはもう10年経っていた。

自分=BANDで成功した自分。音楽で生活している自分。
今でもこのイメージでいる。

実際は…
病気の親の介護に追われる無職の独身男。
幸いネット環境が整っているので世の中の、
あんなことやこんな事は知ることが出来る。
40代になった今も音楽の最先端は知っておきたいのと、
自分の音楽のルーツを常に持っていたい。
その気持ちは音楽に人生を変えてもらってからは常に頭の中にある。

いつか必ず表舞台に出る。
自分のルーツはビートルズを知ってから聴きだしたブルースなのだと思う。
3コード、12小節の中にマイナーペンタトニックにブルーノートの音を混ぜて自分の世界を作り出す。

人生の先輩のいなたいブルースが好きなその時務めていた会社の上司に
「君のは白人ブルースだ。クラプトン聴いてみな」
CDを渡された。
<クラプトンベスト>

家に帰りCDラジカセにCDを入れる。
カラカラとCDが回り始める。
そして音が鳴り始めた。
次々に音符がうねる様に時にせわしく音が動き回っている。
何じゃ?これは?
カッコいいとか悪いとかじゃなくて身体が反応した。

これが分かる奴とBANDが組みたい。

その上司はジミヘンもマディウォータースなどの黒人ブルースも教えてくれた。
黒人ブルースはなんて自由なんだ!!
そしてなんてリズミカルなんだ!!
衝撃の嵐だった。

ブルースと言うベースにロックやジャズなどの当時の最先端のジャンルを理解してこれらのミュージシャンは弾いてるんだ。
「感覚なんだよね。ひとつの音が彼らの魂だと思って聞いてごらん?ドキドキしてくるよ。」

確かにドキドキするし英語分かんないけど歌も祈りに近い歌声に感じた。

結果突き詰めていったいったら僕はロックを交えたブルースが好き。
だという事にたどり着いた。

後は結果を見つけるだけ。

そうメンバー探しだった。

遅くなってしまったがこの話は、
今連載がストップしていしまっているが
<凶器を楽器に持ち替えよう運動>のスピンオフだと考えてもらってもいい。
その当時から今現在の自分を織り交ぜて文章にしている。

そして20年前の自分に言いたい。
抜けたいって言ってるメンバーの事かばって自分が全部泥を被ることないぞ!!
そいつは仲間だと思っていたけど結局何もかも利用されてボロボロになるよ!!

僕はかばおうとしていた彼が反社会勢力に入ってしまうのではないかと真剣に悩み、泥を被った。
ホンとに大泥だった。
地元での信用は失われ、それでも嫌われないように装っていた。
本当に情けない日々だった。

彼がただ反社になって悲しい人生を歩むなら自分が泥を被ろう。
自分のギターならどこでも通用する。
そう信じての行動だった。

全て裏目に出た。
想像以上の批難にその彼も便乗しているではないか…

彼は僕に電話を掛けてきた
「はかせ俺もうBAND辞める。何も信じれなくなった。」
その言葉に僕は色々な想像を巡らせすぎたのだ…

もうそれから20年以上経つ。
ここに事実を書くことで全て心から洗い流そう。

明日からまた具体的に行動していくんだ。
過去の呪縛からはもう離れよう。

BANDじゃなくてもDTMで好きなように音楽が作れる時代だ。
まず節約をして機材を揃えて出来た曲を配信できる機材も必要だ。
ワクワクが止まらない。

自分とかくれんぼしながら自分探し。
・やりたいことを出来る事環境を自分で作る
・人の一生はあっという間で自分が何者であったかという価値は自分が死んだ後に誰かが勝手につけてくれる。今やるべきことを精一杯やり遂げよう。
結果は必ずついてくる。

今からが自分革命。




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