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ミルクボーイがデザイン思考を説明したら

これをみてひとしきり笑ったあと、デザイン思考バージョンもやりたいなと思って書いてみた。

挨拶

内海「どうもお願いします。ありがとうございます。今、ブロックチェーンをいただきましたけどもね。ありがとうございます。こんなんなんぼあってもいいですからね。」

駒場「いきなりなんですけどね、うちのおかんがね、好きな問題解決の考え方があるらしいんやけど」

内海「そうなんや。」

駒場「その名前を忘れたらしいねん。」

内海「問題解決の考え方の名前忘れてまうってどうなってんねん。」

駒場「いろいろ聞くんやけどな、全然わからへんねん。」

内海「そうなん?」

駒場「うん。」

内海「ほんだら俺がね、おかんの好きな問題解決の考え方、一緒に考えてあげるから、どんな特徴言うてたかとか教えてみてよ。」

定義

駒場「おかんが言うには、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動やって言うてた。」

内海「ほぅ。……デザイン思考やないかい?その特徴はもう完全にデザイン思考やがな。すぐわかったよこんなもん。」

駒場「俺もデザイン思考やと思てんけどな、おかんが言うには、デザイナーのための考え方っていうねんな。」

内海「あー。ほなデザイン思考と違うかぁ。デザイン思考はね、クリエイティブを生業としてない人のためのものやねん。あれは。デザイナーとかコピーライターとかのクリエイティブな人たちの思考プロセスを、ロジカルな人たちもできるように分解してみようというものやから。むしろデザイナー以外のビジネスマンのために生まれたものやからね。それを分かってないデザイナーがよく炎上させてたりするのよ。全員ミュートした方がいいね。デザイン思考ってそういうもんやから。ほなデザイン思考ちゃうがなそれ。もうちょっと詳しく教えてくれる?」

不信感について

駒場「なんでも、それを推進してるやつら全員なんか胡散臭いらしい」

内海「デザイン思考やないかい!デザイン思考推進してるやつら全員胡散臭くみえんのよ。デザインって言葉つかってるくせにモノで語らずに抽象的なことばっかり言ってるからね。せやから世間からは、「モノづくりできねえやつがコトづくりとか言ってんじゃねえ」だとか、「コンサル風情がデザインを語るな」とか言われまくってんのよ。でもな、そういうやつはみんな、デザイナーとデザインシンカーをごっちゃにしてると俺は睨んでんねん。デザインを扱うデザイナーと、デザイン思考を扱うデザインシンカーは別もんやからね。音楽家と音楽評論家くらい別もんやで。俺はなんでもお見通しやねんから!デザイン思考やそんなもんは!」

駒場「わかれへんねん、でも。」

内海「何が分かれへんねん。」

駒場「俺もデザイン思考やと思てんけどな、おかんが言うには、おかげでうまくいったって実感があるっていうてた。」

内海「ほな、デザイン思考ちゃうやないかい!デザイン思考はね、うまくいってるかいってへんのか全然わからへんねん!たとえうまくいったとしてもデザイン思考のおかげかもわからへんし、うまくいかんかったらやっぱりデザイン思考はダメだなって思われがちなんよ。でもな、うまくいってるかわからへんからこそ、お客さんにフィードバックをもらいつづける姿勢こそがデザイン思考の真髄やから。もしそれでうまくいってデザイン思考のおかげやと確信できたら逆に大したもんよ。デザイン思考ちゃうがな。じゃあもうちょっとなんか言ってなかった?」

考え方とフレームワーク

駒場「おかんが言うには、ペルソナで共感マップでカスタマージャーニーマップらしいねん。」

内海「デザイン思考やがな!全部デザイン思考のフレームワークやないかい。でも気をつけなあかんのはな、あくまでそれらはフレームワークの一部であって、 デザイン思考イコールそれらではないからね。フレームワークにとらわれんように気をつけて。そのフレームワークが合わないと思ったら柔軟に変える、その機敏な姿勢こそがデザイン思考という考え方の本質でもあるから。アジャイルと似てる部分があるね。デザイン思考やそんなもん。」

駒場「わかれんへんねん。」

内海「なんでわかれへんのそれで。」

駒場「おかんが言うには、ロジカルシンキングとは相反するもの らしいねん。」

内海「デザイン思考ちゃうやないかい!ロジカルシンキング or デザインシンキングじゃなくて、ロジカルシンキング & デザインシンキングなのよ。たとえるならば左脳と右脳やねん。なにかものを考えるとき、片方の脳しか使わんやつなんておるか。びっくり人間すぎるやろ。両方とも使うけど、使い所が違うだけやねん。相反する関係ではなくて、補完関係やねん。適切に使い分けることが大事やね。デザイン思考ちゃうやないか。もうちょっとなんか言ってなかった?」

課題設定と潜在的ニーズ

駒場「おかんが言うには、ソリューションではなく問題にアプローチするらしい」

内海「デザイン思考や!あれは画期的なアイデアを思いつくことを目指すんじゃなくて、画期的な目の付け所を探るものやから!課題解決の方法ではなく、課題設定で差別化すんねん。アメリカのヒューストン空港の例が有名な話や。ヒューストン空港の荷物受け取り所で待ち時間が長すぎるって乗客からのクレームに対して、経営コンサルティングファームはスタッフを増員することで20%近く待ち時間を減らすことに成功したんや。でもなんと、乗客からのクレームは一切減らんかった。そこで次にデザインファームに問題解決を依頼したところ、待ってる時間が実際長いことが問題ではなくて、待っていると "感じる" 時間が長いことが問題やと睨んで、飛行機を降りてから荷物受け取り所までの道をあえてめちゃめちゃ遠回りさせることにしたんや。そうすると人は実際の待ってる時間は同じはずなのに、手荷物受け取りのために待ってると感じる時間は短くなったから、クレームはゼロになったらしいで。デザイン思考を使って、問題にアプローチしたいい例やね。そんなんデザイン思考やん絶対!」

駒場「わからへんねん、でも。」

内海「なんでわからへんのこれで。」

駒場「俺もデザイン思考や思てんけどな、おかんが言うには、お客さんの要望を忠実に再現して提供するって言っててん。」

内海「ほなデザイン思考ちゃうやないか!デザイン思考はね、お客さんの声はちゃんとききつつも、その奥に潜む本当のニーズを捉えるのよ。自動車メーカーのフォードモーターの創業者もな、まだ馬車が主流だった世の中に自動車を浸透させたことについて、"もし人々に何が欲しいかを聞いたならば、彼らは「もっと早い馬」と答えただろう。" と言ったらしいで。人間は現時点の技術の拡張しか求めへんねや。せやからお客さんの声を鵜呑みにするのはイノベーションを起こす上では絶対やったらあかんことやで。そうでないと日本のテレビのリモコンみたいにやたら機能は多いつぎはぎのサービスができあがってしまうからね。絶対デザイン思考ちゃうがな。もうちょっとなんか言ってなかったか?」

感情のイノベーション

駒場「おかんが言うには、全然机におらんらしいねん。」

内海「デザイン思考やがな!デザイン思考はお客さんのことを考えて机にかじりついて分析するよりも、お客さんの声をきいて行動を観察することに時間をさくものやねん。潜在的ニーズをつかむためにはお客さんに共感することから始めなあかんよ。オフィスで考えごとしてんと、お客さんに会いにいきなはれや。ニーズは会議室にあるんやない、お客さんの心の中にあるんや!デザイン思考やそんなもん。」

駒場「わかれんへんねん。」

内海「なんでわかれへんのそれで。」

駒場「俺もデザイン思考や思てんけどな、おかんが言うには、どんなイノベーションも起こせる銀の弾丸らしいねん。」

内海「デザイン思考ちゃうやないか!デザイン思考はあらゆるイノベーションを起こせるものではないねん。デザイン思考はあくまで「感情のイノベーション」に特化したアプローチやねん。人間の人間ぽいところにフォーカスしたイノベーションを起こすものであって、テクノロジードリブンのイノベーションとか、ビジネスモデルドリブンのイノベーションには、全く意味がないのよ。デザイン思考ちゃうがな。もうちょっとなんか言ってなかったか?」

結論

駒場「おかんが言うには、チームビルディングのツールとしても有効らしい。」

内海「デザイン思考やないか!デザイン思考はチームの創造性をあげるためのものでもあんねん!複数人でブレストしてると革新的なアイデアなんて出ないって言われることもあるけどね、ブレストの効果はアイデアだけではなくて、組織内の記憶力を高めたり、チームの中でメンタルモデルをそろえることにもあるんやから。革新的なアイデアが複数人で出にくいと感じたら、そのフェーズだけ個人ワークにうつればいいのよ。多様性のあるチームで一緒にお客さんを観察して、課題解決に取り組むことそのものにも、きっと意味があると俺は信じてんねん。デザイン思考にきまり!」

駒場「わからへんのよ。」

内海「わからへんことない!おかんの好きな問題解決の考え方はデザイン思考!」

駒場「おかんがいうには、デザイン思考ではないっていうてた。」

内海「ほなデザイン思考ちゃうやないか!おかんがデザイン思考ではないと言えばデザイン思考ちゃうがな!」

駒場「そうやねん。」

内海「先言えよ!俺がヒューストン空港の例長ったらしく言うてるときどう思てたん?」

駒場「申し訳ないなと思って。」

内海「ほんまにわかれへんがな、それどうなってんねん。」

駒場「おとんがいうには、アート思考ちゃうかって。」

内海「いや、絶対ちゃうやろ!もうええわ。どうもありがとうございました。」


追記

ラジオでもやってみたやつ ↓


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