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高校生の頃の遠距離恋愛~「手紙」の楽しさ

みなさまこんばんは。
写真記事が続いているので(そうでもないか)、ちょっと文章でも書いてみようと思います。

私が中学3年生になる直前の春休み…
1つ年上の幼なじみに告白されました。
名を、ジュン、と言いました。

ジュンは、幼いころは近所に住んでいましたが、小学生になる頃には大阪市内に引っ越していました。
ですが、ジュンの祖父宅が私の地元にあり…
親同士仲が良かったので、お盆や正月など、帰省時にはよく遊んでいました。

順序が逆になりますが、私が中学1年の時…
ファーストキスの相手も、ジュンでした。
その時はお互い幼すぎて、気持ちを確かめるということもありませんでした。

さて、私が中学3年生になる頃、ジュンは全寮制の高校に入学しました。
告白にはOKしたものの、いきなり遠距離恋愛になってしまったのです。

今から32年前のことです。
携帯電話などありませんし、ジュンが進んだ高校は厳しい所でしたから、電話も禁止されておりました。

「手紙、書くから」

ジュンが高校に入学する前、私は自分の住所を書いたメモを渡しました。

さて、4月になりました。
半ば頃に、ジュンから初めての手紙が届きました。

新たにスタートした学校生活のこと、寮生活のことなどが書かれていた、と記憶しております。
その時初めて、ジュンが暮らす寮の住所がわかりました。

私は即、返事を書きました。
4月にふさわしい、桜が描かれた62円切手を封筒に貼り、投函とうかんしました。

以来…
ジュンからの手紙は、毎週月曜日に届きました。
おそらくジュンは、週末に手紙を書いていたのでしょう。

私は月曜の夜に手紙を書き…
火曜の朝、ポストに手紙を投函しておりました。

ジュンも私も、それなりに「レターセット」にはこだわっていた気がします。

ジュンから送られてくる手紙は、シンプルながらも柔らかい色使いのレターセットだったように思います。
パステルカラーが多かったかな。

対し私も、シンプルで、どこかこだわったレターセットを使っていました。
相手は寮生活。
手紙は、ルームメイトの目に触れることもあるだろう、と意識して…
派手すぎず、落ち着いたデザインのレターセットを。

今でも覚えているのですが、紺地の封筒に、星座をあしらったレターセットがお気に入りでした。
なぜなら…
当時の私は、「聖闘士星矢せいんとせいや」にハマっていたからです(笑)

ジャンプ読者だったジュンは、もちろん聖闘士星矢を知っていました。

手紙のやり取りをしながら…
毎月1回程度行われる、ジュンの「帰省」の時、あとは夏休みなどの長期休暇で、逢瀬おうせを重ねていました。

普段は手紙のやり取りだけでしたが、当時それほど寂しいとは思わなかったです。
というか、遠距離恋愛が「適度な距離感」であったのだな、と今では感じています。

中学生のころから、今でいう腐女子であった私は…
同人誌活動に、余念がなかったからです。

そんな私は、当然のことながら「つけペン」を持っていました。
漫画家が使う、Gペンとか丸ペンですね。

「ペン先」を、「ペン軸」に差し込み…
インクをつけて、描くペンです。

ある日ふと、

「つけペンで手紙を書いたらどんな感じになるやろか?」

と思いつきました。
で、つけペンで手紙を書いてみました。

おお、なんだか文字が良い感じ。
とても味のある文字になったような、そんな気がしたのです。

その後私は、カラーインクを集めました。
手紙を書くために。

黒インクもいいけど、カラーインクで書いてみたい。
そう思ったのです。

よく使ったのは、ライトブルー、ブルーブラック、セピアあたりです。
当時気に入っていたのは、ウインザー&ニュートン社のカラーインク。

カラーインクは、同人誌を作るときにも使っていました。

当時、カラーインクといえば「ドクターマーチン」が主流でしたが…
私はウインザー&ニュートンの瓶が気に入っておりました。
ちょっとレトロな感じが良いな、と思ったのです。

ペン先にもこだわりました。
日本字ペン、というペン先があることを知り…
愛用しました。

なるほど、日本字ペンというだけあって、文字が非常に書きやすかったのを覚えています。

そんなこんなで、私とジュンの「アナログな交際」は続いていました。
週に1度の手紙のやり取り、そして長期休暇の逢瀬。
純潔とやらは、中3の夏にジュンに捧げました。

転機は、ジュンが高校を卒業する年でした。
ジュンは、専門学校への進学を決めていました。

「別れよう」

私が高校2年生の春、ジュンに告げられました。
理由は、たいしてなかったように思います。

仕方ない。
私は受け入れました。
しいていえば、「卒業」が理由だったのかもしれません。

卒業だけが
理由でしょうか♪

という歌を思い出しました。
それはともかく。

…とか何とか言いながらも、ジュンとの縁は続いていました。
ふとした折に、生存確認をするくらいには。

私はジュンと別れた後、2回の離婚を経験しました。
そのたびに「やっぱりジュンとの関係は居心地がよかった」と、再認識したものです。

適度に放置してくれ、適度に愛情を示してくれる。
不器用で口下手で、でもお互い、深い部分ではきちんと理解しあえている。
そんな相手が、ジュンでした。

あれから22年。
ジュンが40歳になる頃「結婚した」との便りがありました。

ずっと独身だったジュン。
本当に良かったなぁ、と心から思いました。

そして今。
適度に好きなことをさせてくれ、適度に愛情を示してくれる…
口下手で不器用で、でもきちんと理解しあえている。

まさに、今の夫やん!

しかも…
ジュンと違い、見た目が私超好み。

見た目良い。
居心地良い。

控えめに言って、今の夫は最高です。
(結局そこに落ち着く)

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